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微分積分の価値を通じて見える学問の力


微分積分


微分積分と聞いただけで嫌気がさす人も
いらっしゃるかと思う。 
私も好きな訳ではない。

y=x^3を微分すると
y=3x^2になります!

「So what?」

となるのが常である。
日本人であるが故なのか分からないが
こういうものであると定義されたものは
覚えるしかないとその高校生当時は機械的に取り組んでいた。良し悪しは置いといて。

私は数学III・Cまで頑張ったものの全ては
理解できずにいた一般ピーポーである。

手動制御・自動制御


そんな私は空調に関わる技術職につく
事になった。

そこで自動制御という分野に出会う。
知ってる人は当たり前の分野かもだが、
私は知らなかった。

【手動制御】
人が直接する制御。

例)扇風機

暑い時、扇風機をつける。

風が身体に吹いた際に
①温まった空気が吹きとぶ
②身体の汗が気化し、その蒸発時に熱が奪われて体温が下がる

この2つが働き
身体が涼しいと感じる。

涼しくなったら、もういいやと
扇風機を消す。

つまり手動制御は
人が操作をしてONにして、OFFにする。

【自動制御】
自動的に制御する。

例)エアコン
部屋の温度設定を28℃にする。

真夏は32℃までなった部屋を28℃に何も考えず
ピッとリモコンで設定する。

少し時間はかかるが
少しずつ涼しくなる。

そしてようやく汗も引いてきて
部屋も涼しくなる。

これが自動制御。
人はこの温度にしてと命令を
リモコンを通して伝達しただけである。
つまり機械にお任せ。

このシステムを正しく行うため
自動制御が働く。

この32℃→28℃へ変わる時
一気には変わらない。
徐々に涼しくなる感覚はわかる。


ここに微分積分が使われているというのだ。

エアコンは
冷やせ!(運転)
冷やすな!(停止、送風のみ)
を繰り返して
設定温度を目指して波を打ちながら
近づけていく。
この波のグラフこそ、微分積分。

私はこの事実を知った際、数学の強さを知った。ただ数式ルールとして覚えていた知識は
実社会の陰を支えていた。

学問とは


何の為にこの学問はあるのか?
何の役に立つのか?

この疑問を持つ事は誰でもできる。
でもその先を調べる選択をとらずに
終わってしまっていた。
それよりも試験点数を取る事を
優先してしまっていた。
知った上で見える視野はぐんと広がる。

これは数学に及ばず、哲学、音楽、美術
何にだってあるはずだとようやく理解できた。

先人の知恵に感服し、
学べる有難さ、楽しさを感じた瞬間であった。

学問には、
「眼で見えている実像の裏にある
人の織りなす汗と涙を感じ取る事ができる為の
知恵」
という側面もあるのではと思う。

「凄い!」の一言から「こういう原理で」「こういう思いで」「こういう努力の方法で」
と分かると、見えている世界が
味わい深くなると思う

学者や研究者は頭が良すぎて
遠い存在なイメージはあるが、
より良い社会の為にという
同じ人間、愛情や慈悲の心をもっている事に
気づけると親近感がわく。

映画を観ている時
作者、監督の伝えたいメッセージが
分かった瞬間の嬉しさってありません?
そしてちょっと心が温かくなる感覚。

だからこれからは
分からない事があっても、
分からないで終わらせない。

不完全であるからこそ学び続けられる。

無知の知と述べたソクラテスの姿勢
が大切だと身に染みた。

知らないことだらけ!

伸び代ですねえ(リトルそめいが中でボヤく)。

良いGWを!

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