後輩の子の話と色々思い出した話
煮物にするため、冬瓜と鶏肉をひたすら切っていて思い出した話です
最近になって、母親伝いに、同じ中学を卒業した後輩のAくんの話を聞きました
一度しか会ったことはないのですが、
Aくんは、小学校のときは生徒会長やなんかをしたこともあったような子で、初めて会ったときも、たしかに責任感の強い真面目でしっかりした子という印象でした
当時、Aくんはまだ小学生でしたが、
人見知りもしなかったし、明るくて朗らかで、
彼のきらきらした表情を見て、
年上ながらに「私とは正反対だなー」と思ったものです
お恥ずかしい話ではありますが、
私(とAくん)の通っていた中学校はいわゆる進学校で
毎年、県トップの高校に、卒業生のほとんどが入学するので、当然それを目指して入学してくる子が多く、
初めて会ったときのAくんがまさしくそうでした
そんなAくんでしたが、
あるとき中学校に行けなくなったそうです
1番大きな原因は(詳細は知りませんが)
クラス内での諸トラブル
「僕はもう絶対に○○高校(県トップ)になんか行かない!!!!!」
泣き叫びながらそう言ったそうです
クラスで彼に何かしらがあったとき、ちょうど家庭内の不和が重なってしまったことも原因の1つと考えられるそうですが、
この話を聞いたとき、
まだ小学生だったあのときの、彼のきらきらした笑顔が、ガラガラと壊れていったイメージが私の頭をよぎりました
同時に、とほうもなく悲しくて悲しくて、居た堪れなくなりました
母は、この話を私にしながら
「この話聞いてな、(私)と同じやなって思ってん」
と言いました
私も中学は、半分行っていません
今まで特に言うほどのことでもないと思って伏せていたので、少し恥ずかしい(?)です
かなり前のことだから今更ですしね😌
とはいえ不登校というわけではなく、
10日ほどブッチして、その後は別に用意された隔離教室のようなところに通って勉強していました
しかし、教室には全く行かなくなり、近寄りもしなくなりました
過去の私もAくんと同じで、県トップの高校を目指して入学しました
しかしいざ入学してみると、
周りの子は、もちろん勉強はできるものの、こう言ってはなんですが、頭でっかち尻すぼみで、
省り、いじめなんかは日常茶飯事
そのことを不快に思うよりもまず、
クラス内の暗黙のカースト、グループ間の付き合い方なんかを意識して、うまく立ち回ることで頭がいっぱいいっぱいで、
省りやいじめにいつも怯えて、
おかしな話、同じ歳の同じ立場のはずの、同じグループの女の子たちや同じクラスのただのクラスメイトたちの顔色を伺ってばかりいました
それでも何度かそういうことに遭い、
当時は私も家庭で上手くいっておらず、今思えば精神的にも不安定だったのもあり、
「クラスにはもう戻らない」という結論には至りましたが、なんとか卒業して、高校にも行きました
ちなみに、当時、私もAくんと同じように
「絶対に○○高校になんか行かない」
と宣言もしていました
あれだけ行きたかった高校でも、
あのクラスメイトや同学年のほとんどと、これ以上付き合っていく、なんて私には考えられなかったのです。まさに地獄絵図
おそらく泣いてそう言ったAくんも同じ気持ちだったのではないかと思います
Aくんのクラスがどうだったかはわからないので、
これはあまり良いことではないですが、
なんとなく、私のクラスでの風景と出来事を、彼に起こった出来事に重ねてしまい、
このように色々と思い出した次第であります
少なくとも彼は、すでに擦れていた私の目にも、聡明で明朗に映るような子だったので、彼自身がトラブルを起こすようなことは考えられませんでした
初めて会ったあのときに、
「とんでもないところ(中学)だよ」
なんて言っていたら、なんて思いましたが、
憧れの中学に通っていた先輩にあたる私への、あの輝かんばかりの眼差しに向けてそんな酷なこと言えたはずもなく……
今どうしているかはわかりませんが、
Aくんはその後、他県の高校に入学し、離婚したお母さんのもとで暮らしているそうです
親同士が友人同士というだけ、
一度会ったきりの、連絡もとっていない、
今どうしているかもわからない、
ただ後輩にあたる子、私はただ先輩にあたる人、
というだけではありますが、
おそらく似たような経験をして、
全く同じではないにしろ、きっととんでもなく辛かったろうと思います
私もかなり長い間引きずったし、
何度も何度も、自分に絶望して他人に失望して、
人格も変わったし、
たくさん泣いて、
希死念慮にも取り憑かれて、こいつにはかなり苦しめられました
そして今でもこのように思い出したりもします
私は、もしAくんが今もなお、中学生活のことで苦しめられていたとしても、
現実では声もかけてあげられないけれど、
県トップの高校に進学して行った、
私の席の後ろにゴミ箱があるにもかかわらず、私の机にゴミやら落書きなんかをつっこんで、笑っていたであろうやつらは元気かな、とか
全く関係ないくせに、全く関係もない相手の悪口と口出しだけはいっちょまえだった、見ているだけのやつらは今もあのときのままなのかな、とか
散々私を苦しめるだけ苦しめた同じグループの女の子たちはどうしているかな、とか
そんなふうなことは、離れてしまって歳を重ねれば、面倒になって、次第に思い出さなくなってくるし、
でももし、憎くて憎くてどうしようも無くても
それならそれでもいい
やられて嫌だったことを許してあげる必要なんてない
ただ、過ぎていった中学生活のことでまだもし、
「Siにたい」だとか、自分に対して、首を絞めてしまって苦しんでいるのならば、
その気持ちは自分に向けるべきものなのか、考えて欲しいなあと思います
でもなにより、
Aくんが嫌いなところから離れることができたこと
苦しみもがいてもなお卒業したことがほんとうに良かったなあと心から思います
そして、もしあのときの彼の芯の部分が、どうしようも人間の行為で叩き壊されてしまったとしても、
彼ならいつか、もしくはもう既に、
違う有り様でネジなりボルトなり剣なり槍なりつくることができる子だろうと信じているので
きっと大丈夫だろうとも思っていますし、
これから先、報われて欲しいなあと強く願います
あと意外と歳食っちゃえば大丈夫かもよ
とも
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