むそう。
飛ばずにいよう。 飛ぶための翼は持っている 飛び方も多分知っている そのための十分な勇気も蓄えた けれど今飛び立てば 日没までに帰れずに その羽を凍りつかせてし…
――ふと気がつくと、電車はとある駅へ停車していた。 正面にはどこでも同じデザインの駅名の看板と、誰も座っていないベンチが見える。 対する電車の乗客もまた、俺一人。…
それに乗って出発するには 自力での最初の一押しが必要だ 燃料は十分なはずだが セルモーターはさびついてしまった 押しがけで行こう ひとたび前へ進み始めれば あと…
ああ、なんて重いんだ シャフトはどんどん滑りを悪くしていく 車体にはサビが浮き始める頃だ かつては少しの押しがけでかかったエンジンは 日毎にかかりが悪くなる どこま…