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はじめまして!私をつくった10冊の本


はじめに

こんにちは!はじめまして、somaと申します。
子供の頃から本が大好きで、読書歴は20年以上。読んだ冊数は1000冊を超える、読書家アラサー女子です。
Instagramでも、最近読んだ小説やテーマ別のおすすめの本について紹介しています。

アカウントはこちら↓
https://www.instagram.com/soma_books1995/

この投稿では自己紹介の代わりとして、小学生時代、中高生時代、大学生時代、社会人以降の読書歴を振り返りながら、現在の私を形作ってくれた10冊の本を厳選して紹介していきたいと思います。

小学生時代

荻原規子『空色勾玉』

子供の頃から小説、特にファンタジーが大好きだった私。当時は『ハリー・ポッター』が大流行しており、日本国内にも西洋風の世界観のファンタジー小説が溢れかえっていました。

そんな時に初めて手に取った和風ファンタジーがこちらの作品。

日本神話である古事記をベースに、輝〈かぐ〉の御子・稚羽矢と闇〈くら〉の巫女姫・狭也の種族違いの恋が描かれる物語。

初めて読んだのは小学4年生だったのですが、当時の「魔法と剣!竜と妖精!」というファンタジーの概念を覆す日本的な世界観にガツン!と衝撃を受け、それ以来和風ファンタジーばかりを読み漁るようになりました。

『空色勾玉』は『白鳥異伝』『薄紅天女』と並ぶ「勾玉三部作」の一作目なのですが、三部作の作品はどれも素晴らしいです。

20歳超えてから読み返した時もやっぱり面白かったな。名作児童文学はいくつになっても色褪せないですね。

上橋菜穂子 『精霊の守り人』

「勾玉三部作」で和風ファンタジーにハマった私が次に手を出したのが、この「守り人シリーズ」です。

アジア風の異世界が舞台なのですが、世界観が壮大すぎて!この頃に「ハイファンタジー」という概念を知って色々な作品を読みましたが、上橋菜穂子さんを超える作家さんはいない気がする。

シリーズ第一作目の『精霊の守り人』は、三十路の女用心棒・バルサが、精霊の卵を宿したまだ幼い皇子・チャグムを守るために戦うという物語。

年齢設定からジェンダー的な役割まで何もかもが新鮮で、これまためちゃくちゃ衝撃を受けました。

小〜中学校にかけて、新刊が出るたびに大切に読み進めてきたシリーズ。私の人生において守り人シリーズから受けた影響は計り知れない!!今でもバルサが一番好きなキャラクターです。

中高生時代

上橋菜穂子 『獣の奏者』

「守り人シリーズ」で上橋菜穂子さんの大ファンになった私が次にハマったのが『獣の奏者』。NHKでアニメもやっていたので、ご存知の方も多いかもしれません。

決して人に馴れないとされる孤高の獣・王獣と心を通わせてしまったせいで王国の策略に巻き込まれていくも、自分の運命に毅然と立ち向かう少女・エリンの物語。

異世界を舞台に架空の獣が登場するハイファンタジーですが、獣たちの生態、文化や社会の描写があまりにもリアルなので、ファンタジーということを忘れてしまいそうになります。

あまりにも好きすぎて、中学2年生の時に友人からこのシリーズの第3巻を誕生日プレゼントにもらいました笑

今でも実家に大切に置いてあります。

辻村深月『冷たい校舎の時は止まる』

これは、忘れもしない中学3年生の時、私と辻村深月さんとの出会いのきっかけになった一冊です。

受験生だった私は、勉強の合間に5分だけのつもりでこの本に手を伸ばし、気づいたら5時間後に全部読み終わっていました笑

大学受験を控えた高校生たちが雪の日に校舎に閉じ込められ、そこで自殺した同級生の名前と顔が思い出せないことに気づく…というところから始まる物語は、謎が謎を呼び、読み出したら止まらない面白さなのです。

最近本屋大賞を取って話題になった『かがみの孤城』にちょっと雰囲気が似てるんですよね。『かがみの孤城』が好きな方にはぜひこちらも読んでみていただきたいです。

ちなみに受験は失敗しました。(この本のせいだけではないですが笑笑)

小野不由美 『十二国記』

こちらは中華風の異世界を舞台に描かれるハイファンタジー。超有名な作品だし、「どハマりした」という話もよく耳にするのですが、私ももれなくどハマりしました笑

学校にも家にも居場所がない女子高生・陽子が異世界に流れ着き、一国を治める王として成長していく物語。シリーズのその他の作品では、隣国を治める王たちにもスポットが当たっています。

世界観が素晴らしいのはもちろんなのですが、陽子をはじめとするキャラクターたちがめちゃくちゃ魅力的なんですよね!

かなり長編だし漢字も多いしで、決して読みやすい作品ではないはずなのですが、先が気になりすぎて毎回一気読み!何回か徹夜しました笑

大学生時代

朝井リョウ 『何者』

高校時代に『少女は卒業しない』で出会って以来、ずっと読み続けていた朝井リョウさんですが、この作品では度肝を抜かれました。

就活中の大学生5人の間にある周囲に対する嫉妬や優越感、「自分は何者かになれる」と言う根拠のない願望が、SNSの投稿を通して次第に明らかになっていくという物語。

主人公の考えに「まあ、確かになぁ」なんて思いながら読んでいたら、ラストで主人公が滅多刺しにされる展開が!主人公に共感していたこっちまでグッサグサに刺されるという、これまでにない読書体験でした。つくづく、自分の就活が本格化する前に読めてよかった!!

映画もキャストが豪華で良かったですが、小説の方がより「うわっ!」ってなると思う。

この作品以来、朝井リョウさんの作品は新刊が出るたび必ず読んでいます。

カズオイシグロ 『わたしを離さないで』

大学一年生の時に取った英語の授業でこの作品の映画を観て、あまりにも良かったので調子に乗って英語版を購入。

しばらく放置していたのですが、購入から3年くらい経ってようやく読み終わり、あまりにも良かったので日本語版も購入しました笑

臓器移植のためのクローンとしてこの世に生まれてきた子どもたちが成長し、友情や愛を育んでいく中で、人間を人間たらしめるものは何かが問いかけられます。

とにかく、登場人物の性格や心情の描写が凄すぎる。「こんな友だち、実際にいたよね?!」「こんなエピソード、自分の子ども時代にも実際にあったよね?!」と思うくらいのリアルさです。大人になった主人公・キャシーの回想という形で描かれていることにより、全編に漂うエモさも最高。

小説を読むまでは映画も大好きでしたが、映画では私が大好きなシーンがカットされていて、今では「小説最高!」となっています笑

アチェべ 『崩れゆく絆』

大学生(外国語学部でした)の時にとったアフリカ文学の授業で出会った、アフリカ文学の最高峰と言われるこの作品。

独立前のナイジェリアの伝統的な集落を舞台に、ヨーロッパの宣教師たちが持ち込んだキリスト教を受け入れて変容していく社会の様子と、伝統の崩壊に抗おうとする主人公・オコンクォの苦悩が描かれます。

これはストーリーもさることながら、文章表現の工夫がすごいです。と言ってもそれは解説を読んで知ったことなので自分で気付いたわけではなかったのですが笑、
「文学ってこういうことなんだ!」と衝撃的でした。

これはアフリカ文学の傑作というだけでなく、世界文学の中でも傑作だと思う!

固有名詞が全部ナイジェリアのイボ語(!)なので、カタカナアレルギーの人には読みにくいかなと思いつつ、読書慣れしている人に対しては布教しまくってます笑(そして大好評)

社会人以降

カズオイシグロ『日の名残り』

『わたしを離さないで』を読んで以来「カズオ・イシグロさん天才!」と思っていた私が、その思いをさらに深めることになった一冊。

ベテランの執事・スティーブンスが主人から休暇をもらい、一人旅の道中で過去のことをあれこれ回想するという物語。

旅の道中で大事件が起こるということは全くなく、物語は淡々と進んでいくのですが、スティーブンスが執事という仕事に捧げてきた人生、その一方で犠牲にしてきたもの、目をつぶってきたものが浮かび上がってきます。

最後、スティーブンスが夕暮れの桟橋で涙を流すシーンがあるのですが、ここでは思わずもらい泣き。

このシーン、もしスティーブンスが泣いてなかったら私も泣かなかったと思うんですよね。

小説の悲しいシーンや感動的なシーンで泣くことはあっても、登場人物にもらい泣きするのはこれがはじめての経験でした。

これは年を重ねてからまた読み返したい一冊です。

小川洋子『博士の愛した数式』

これはわりと最近読んで、「人生トップ10に入るわ!!」と思うくらい感動した作品。

本屋大賞も受賞して映画化もされているのでご存知の方も多いと思いますが、記憶が80分しか持たない数学博士と、彼のお屋敷に仕えることになった家政婦の女性とその息子のあたたかな交流の物語です。

どれだけ思い出を積み重ねても、次に会う時は博士にとって初対面の相手。それが悲しくないはずはないのに、博士を気遣ってなんてことはないように接する親子の優しさに、後半は涙が止まりませんでした。

そして、小川洋子さんの文章が美しすぎる。ただの数字が友人のように、ただの数式が美しい詩のように思えてきます。

もっと早く読んでいれば、中高校時代の数学の授業がもっと楽しめていた気がする…(無理なものは無理な気もしますが笑)。

この作品を読んで以来、小川洋子さんの作品を読みまくってますが、今のところベストはこれかな(でもどれもいいんだよな〜)。

おわりに

今までの読書歴を振り返り、「私の人生の中で強い影響を受けた!」と思う作品を10作品選んで紹介してみました。

良かった作品はまだまだたくさんあるのですが、特に思い出深いのはこのあたりかな〜。

同世代の方は「同じ時期に同じ作品を読んだよ!」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

Instagramのアカウントではあらすじ重視で紹介しているので、noteでは自分の感想や読んだ当時の思い出を交えながらゆる〜く書いていけたらと思っています。

ご自身の思い出も振り返りつつ、楽しんでいただけたら嬉しいです。それでは!

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