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「背中で見て覚えろ」が通じない今、経営者にできること【情熱社長倶楽部】VOL.112


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【今週のご相談内容】

若手に営業を教えている責任者から
「若手が全く営業で成長しません」との相談がありました。

具体的に話を聞いてみると、

何度教えてもできるようにならない、
かといって、自分から積極的に勉強をしたり
質問をするといった姿も見られないとのことでした。

右も左も分からない若手が、すぐに結果を出せるわけがないので、
教える側がとことん関わって教えてほしい
ということが私の想いではありますが、

一方で、若手の仕事ぶりを見ていると
教えたことをメモしていなかったり、
仕事のダブルチェックができていなかったり、

社会人としての基本的なことができていないので、
責任者が悩んでしまう理由もわかるなあと思ってしまいます。


かといって「あの子たちには、営業センスがない!」
と決めつけてしまうのは違うなと思いますし、
採用したからには育成する責任が企業にはあります。

教える側と教えられる側、それぞれに
どのような関わりをしていけばよいでしょうか。

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【今週の回答】担当:代表取締役 長友威一郎より

ご相談ありがとうございます。

私自身も昔、「背中で見て覚えろ!」という、
感覚的な育成をしていたときには、

いつまで経っても育成の仕組みは確立しませんでしたし、
営業として育つのは、センスと向上心のある若手のみで、
結果、会社の成長が止まってしまうことがありました。

だからこそ、若手に営業を教える難しさは非常に共感します。

今回の内容が少しでも
質問者様のお役に立てればと思います。


まず“教える側”である若手の方々に
実施していただきたいことを2点お伝えします。


1つ目は「社会人基礎力」をつけるということです。

若手が、社会人として基礎的なことを
知らない・出来ないことは当たり前です。

挨拶をする、メモを取る、確認することなど、
基礎的なことは、今からでも遅くありませんので、
教える時間を設けていただきたいと思います。


何を教えていいかわからない!と思われるかもしれませんが、
おすすめの方法は、先輩や上司の方々に対して

「若手メンバーの基礎的なことで
 気になる点・身に付けて欲しいこと」

に関するアンケートを実施し、
その結果を基に教える内容を決定するということです。


もちろん、教える講師は
アンケートに協力した先輩や上司の方々です。

先輩や上司の方々は、若手の方々に対する気になることを
その場その場で教えていることが多いため、
教える内容が整理されておらず、

若手の方々も、仕事の流れを完璧に把握していないため
教えられたことを断片的にしか理解できないことがよくあります。


だからこそ、教えるためのまとまった時間を取り、
仕事の流れに沿った内容を整理し、
理解しやすい準備をして教えることが重要です。

誰もが会社に貢献したいと思っているからこそ、
しっかりと計画をつくり、どうしたら貢献できるのかを
明確に伝えることが大切です。


2つ目は「考える習慣」を身につけるということです。

多くの若手の方々は社会人として経験が浅いから、
出来ないことが多いからという理由で

「自分たちは教えてもらう立場だ」
という受け身な姿勢を持っています。


だからこそ「自分で考える」習慣をつけるために、
PDCAを回す中で、自分の行動はなぜうまくいかなかったのか
また、他の同期はなぜうまくいっているのかなど、

「C:分析検証」の時間を
しっかりと設けることをおすすめします。

ここは苦手としている方が特に多い項目になるからです。


そして「C:分析検証」に慣れてきた段階で
「PCDA」のすべての項目を任せてみてください。

分析検証ができるようになり「考える」習慣がついた段階で
PDCAを回すことで、より効果的な行動がうまれ、
決めた行動に責任を持つこともできるので、

若手の方々の成長を更に加速させることができます。


最後に“教える側”の方々に
実践していただきたいことをお伝えします。

それは、現場でお忙しいことは重々承知ですが、
毎日10分でもいいので、若手の方々に
フィードバックの時間をつくるということです。

改善点ばかりに目がいってしまいがちになるかもしれませんが
褒めてあげること、出来るようになったことを
伝えあげることも重要です。


そして「関わる先輩や上司によって言っていることが違う」
という状況を防ぐためにも、

具体的なやり方を教えるのは“直属の上司”、
“それ以外の先輩”は、考え方や観点のみを伝えるという
ルールを設けることをおすすめします。


また、ルールを設ける際には、
伝える考え方や観点を

「お客様はどうしたら喜ぶのか」
「お客様は何を求めているのか」

という“顧客視点”で統一することも
合わせて目線合わせをしてください。


社内の先輩や上司から
さまざまな「顧客視点の話」を聴くことで
それは若手メンバーの“考える観点”につながり、

そして観点が増えた若手メンバーは
「考える」ことが楽しくなり、働く姿勢も変化します。

是非、「考える」習慣をつけるために
まずは先輩や上司が目線合わせをすることから
スタートしてみてください。


以上が、本日の私なりの回答となります。

これからも、若手の方々が成長し、
全員でその成長を喜び合える組織を共に目指していきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


長友 威一郎


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