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離職を止めない、責任者との関わり方【情熱社長倶楽部】VOL.212

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【今週のご相談内容】

うちは不動産事業をしているのですが、
営業部の新卒5年目以下の離職が多くなっています。

離職が多いことも課題なのですが、
私がもうひとつ課題を感じていることは、
営業部の“責任者の対応”です。

組織の役割上、営業部のメンバーは
離職を考えている旨を、
営業部の責任者に伝えるのですが、

この責任者は、この離職を
すべて容認してしまうのです。

さらに、新卒が離職したいと言っている理由も
「他にやりたいことが見つかった」
「この仕事が向いていないと思った」など、
表面的なものが多く、

“離職をしたい一番の理由”を把握することが
できていない状態
です。

責任者であれば、若手から離職の声があがったら、
しっかり話をして、簡単に離職を認めないように
してほしいなと思います。

その旨を、改めて営業部の責任者と話をし、
リクエスト出そうと思っているのですが、

この責任者と話をする際に意識するべきこと、
話をするべき項目には
どのようなことがありますでしょうか。

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【今週の回答】組織人事コンサルタント 永坂 紗希

ご相談いただき、ありがとうございます。

原因が掴めないまま離職者が出ることに対する
不安やもどかしさだけでなく、

営業部の責任者様に対する
不信感を感じられているのではと
想像させていただきました。

まず、責任者様とこの問題に対して
お話しをする際に前提として
意識していただきたいことは、

「責任者様自身も、退職を希望する部下に対して、
 どう対応をしてよいか、分からない可能性が高い」

ということです。

実は、回答している私は、現在新卒4年目の26歳で、
恐らく貴社において、退職を選択する社員様と
同年代かと思います。

私達の世代は、幼いころからソーシャルメディアと
共に育ってきたことで、良くも悪くも、
様々な情報や多様な生き方・働き方をする人に
触れている世代です。

さらに、社会に出た時点で不景気ムードが漂い、
もう終身雇用制度はないと言われている中で、
自分の将来を考えれば、

選択肢の多い20代の内に、
次のキャリア選択をする傾向が高まることも
自然の流れだと感じていただけるかと思います。

これは“社会の変化”であり、
貴社に限った話ではありません。

そんな背景を元に考えると、責任者様が
「離職を容認してしまうこと」
を問題視するのではなく、

度々発生する退職希望に対して、
「どう対応すべきか」を
考えるべきではないでしょうか。

責任者様とお話しする際は、

・離職の話が出たら、どう対応すべきか
・会社として何が課題なのか

を“共に”見つけよう、という考え方で
望んでいただけたらと思います。

では、「話をするべき項目」に関してですが、
離職の理由は、大きく分けて

①働きやすさの欠如
(労働時間、休日、給与、勤務地、
人間関係などへの不安や不満 など)

②働きがいの欠如
(成長実感が持てない、貢献が出来ていないと感じる、
業務のマンネリ化、評価に対する納得感の欠如 など)

の2つがあります。

このどちらか、または両方が
欠如することをきっかけに、

「別のことに挑戦してみたい」
と次のキャリア希望に繋がる、と考えられます。

責任者様とお話をする際は、この2項目を軸に、

・直近の離職は、この2項目のどちらが原因か
・正しい退職の原因を聞くために、
 責任者が必要な関わり方は何か
・離職原因を改善するために、
 会社として出来ることは何か

をお話ししてみてください。

「社員の離職」は、さまざまな原因が絡み、
正確な情報を掴みづらいため、
誰も正しい解が分からない課題です。

誰が悪いではなく、お二人で会社の課題と向き合い、
最善の解決策を見つける時間になることを
願っております!

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

株式会社ソリューション
組織人事コンサルタント
永坂 紗希


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