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△コミュニティ・スクールって先生の負担が増えるの?どうしたら減らせる?

昨日のコミュニティ・スクールまとめ、なかなか長文になってしまったけど、自分的にはかなり勉強になりました。


その中で現場の先生からコメントもいただきました。ありがとう!

最新の情報勉強になりました!ありがとうございます👏 👏 👏
ただ現場にいるものとしては「また増えるのか・・」という思いです。
もちろん今でも学校運営協議会を開き「コミュニティ・スクール」としての働きは「形」としてはやってきたつもりです。
が、実際は「形」 であり、実のある物にするのはかなりたいへんだという実感です。
しかも、この「形」ですら、
・参加者の日程連絡・調整
・資料準備
・会議のまとめ・報告文書作成
など、たくさんあり、
細かいところでは、
・スリッパを並べたり
・コーヒー出したり
と、ほかの激務からなんとか時間を捻出している状態です。
しかも100%勤務時間外での開催です。

いやいや、本当に先生、お疲れ様です。
そんなに細かいところに丁寧に気配り・目配り・心配り…。

サービス業の鑑です。


でも、これって本当は先生の仕事じゃないんです。

先生は学習支援業なので、サービス業じゃないのです。
だから、無理してここに力を入れなくても良いんですよ。できないならできないって言っていいんです。


今回はいろんな学校や、教育委員会でコミュニティ・スクールを活性化させて、教育以外にもいろんなコミュニティを渡り歩いてきた僕自身の経験則から、今日は話をしていきます。


大事なのは変化を起こす時には負担は少し増えると知る

まず、知っておいて欲しいのは変化を起こす時、負担は少し増えちゃうよということです。

まぁ、掃除をするのと一緒ですね。掃除が勝手にやってくれたりはしません。全部【大事なもの】って思い込んでいるのですから、どれを捨てようか…って悩む。だからエネルギーがものすごくかかる。

これはアカデミアで、教員の働き方改革が進まない理由をインタビューした時に分かっています。

この仕事を一定水準以下にしようってのが働き方の精選じゃないですか、行事とか、仕事の精選ね。減らすとか、なくすっていう。

でも、この学校の仕事とか、行事とか負担を減らそうと思ったら、一回負担が大きく増えるんですよ。分かります?

そう、一回山があって、それから減るんですよ。
なんでか?っていうと、この仕事を減らしますっていう提案をしたり、この同意をもらうのにたくさんの先生方に根回ししたり、もしかすると地域の人たちとも協議しなきゃいけないかもしれないし…。
コレ(山)がかなりの負担になるんですよ。

うん、「おっしゃー、オッケー!」ってなって減っていきます。

でもね、先生たちって大体7年とかで異動するでしょ。下手したら校務分掌とか1年で変わるんですよね。

「1年で変わるの分かってて大きな負担かけて働き方改革やりますか?」って言われたらどうですか?やりたいですか?

やらないでしょ?(笑)だって、それやらなかったらいつも通りで済むんですから(笑)

やろうと思ったらコレ(山)なんですから。さらに減らそうと思ったら自分が割を食うというか。

教員の働き方改革が進まないのはなぜ?どこから時短を進めるべきかを江澤隆輔先生に聞く - アカデミア

そうなんです。一担任や、一講師が学校の働き方改革を進めようと思うと、相当な覚悟を持たないと進まない。

だから、一人では大きくは変わらないのです。


でも、目の前の小さなことは変えられることは分かっています。
例えばクラスの整理整頓、自分が担当している業務、自分の机の整理、自分自身のタイムマネジメントなど…。

自分がどのように生きたいか?どのように働きたいか?がここは問われるところで、それによってエッセンシャル思考を用いて、やりたくないことは捨てるというのが教員個人としてできる限界な気がします。

この辺りは漫画でよく分かるエッセンシャル思考を見るとグサグサ教員は刺さると思うのでぜひ読んでもらいたい!


エッセンシャル思考の本


チラ見できます↓ 先生の気持ちになると共感しかない。


どうやって変化を起こすのか?

んで、もう一歩先に行こうかなって思った時、大事なことはこの4つかなって思っています。

なんとか時間を捻出していると素直に言うから改革が始まる

まず、「なんとか時間を捻出して準備しているんです」ということは分かっています。これを素直に言いましょう。

っていうか、細かいペーパーとか必要じゃないんです。大事なのは議論と共有。


そして、「大変なんです」「苦しいんです」という気持ちをちゃんと吐き出したほうが良いなって思います。

辛い時、苦しい時に「こんなこと言っちゃ変じゃないかな」「先生なのにダメだって思われないかな」って思わなくても良いんです。

一定の割合で「公務員のくせに」とか「税金で生きてんだろ!」みたいなトンデモ野次が飛んでくることがありますが、気にしちゃいけません。

少なくとも学校運営協議会の場ではそれを言って欲しいなって思います。

そうしないと改革の芽が育たないからです。


その作業は本当に必要なのか?その目的から考えなければいけない

学校はいろんなことを続けてきました。伝統を重んじる日本の教育だからこそ、古くからの習わしを大事にしていることは分かります。

でも、本当にその仕事、その行事、そのやり方、その考え方、そのルール…必要ですか?ということを一旦、疑問を持たないといけないのです。

疑問を持ったら捨てるということではなく、目的から考え直して「目指す児童像」ができないんだったら、捨てる。

捨てられないならやり方を変える。

そもそも目指す児童像や、学校のグランドデザインが浸透しきっていないなら、浸透させるところから頑張る。

じゃないと捨てることができないのです。


捨てると覚悟を決めて捨てる。捨てにくいなら一旦試してみてどうだったか体験する

捨てる!と決めると「いやいや、本当に大丈夫?」みたいな人が一人くらい出てきます。

で、それで元に戻ってしまっては結局元通りになります。


そこで【試す】が重要です。

施行期間を設けて、やってみるのです。これでうまく行った学校は本当に多いです。

例えば…

  • 宿題をなくしたい→ドリルがなくなって、自主学習ノートに力を入れた

  • 担任を一人じゃなくしたい→学級担任じゃなくて、学年担任で複数人になった

  • ボランティアチームをつくりたい→ボランティアチームをどこで進めたら良いかが分かった

  • お金を使って人に働かせたほうが良いのでは?→お金は必要じゃないことが分かった。想いを共有することが大切

などなど、やってみたから分かることがあります。まずは試すをやってもらいたいです。


大事な考え方

最後に大事な考え方をシェアしておきます。

荷物をしっかり掴んでたら誰もつかめない

先生って全部大事そうに抱えているんで、「やりますよ!」って言っても渡してくれる範囲がものすごく少ないです。

減らしたい!って言っているので、手伝う!っていうのに渡してくれないんです。そりゃ減るものも減らない。

だから、一旦、大事に大事にかかえている荷物を手放して良いんです。
そうしないと誰も荷物を持てません。

全部が全部先生がやらなくても良いんです。捨てたっていいし、渡したって良いんです。

みんなで教育を作るためには、地域が先生が持っている【教育】を持つ勇気が必要だし、先生も【教育】という荷物を緩めて手渡していくことも必要なのです。


コミュニティ・スクールは勤務中に行うものなのか?

コミュニティ・スクールはできれば勤務中に行いたい…ですが、時間の関係上難しいかなって思っています。なぜかというと、地域の人も勤務があったりして、どうしても平日の夜や、土日に集中するからです。

勤務時間という中で考えたら負担でしかないかなって思います。


でも、それこそ【何のために】が重要かなと。
あ、ここを簡単に「子どもたちのために」とか言わないでください(笑)。

あなたの人生にとってどんな意味があるか?で考えて欲しいのです。


コミュニティ・スクールに関わるのは自分の人生にとって意味や、意義があるんだろうか?という広い視野で見つめる必要はあるかなと思います。(それは先生だけじゃなくて地域も保護者もです)

人生時間という中で考えたら一緒にやってくれる仲間がいる。これほど心強く、充実した教員人生を送れるものはないんじゃないかなって思うし、それを続けることで最終的に時間は減っていくと思ったりします。


ちなみにT-KNITの正会員コミュニティ『ティーチャーズアソシア』ではSlackがメイン。

他の関わっている学校運営協議会もいくつかはLINEや、Messenger、メールでの情報共有の時間を使うことで、動的な時間を使うのではなく、静的な時間をどう使うか?を大切にしています。

会わなくてもスキマ時間を有効活用してできることはたくさんあるのです。

情報を共有して仲間を作ろう

最後なんですが、仲間を作りましょう。人間なんで、相性もあります。合う・合わないなんてのももちろんあります。

だから、自分から自分以外の誰かの時間を増やす手伝いをしたり、自分の持っている情報を提供していきます。

そうすると、周りも協力的になって結果的に自分の時間が増えていったりします。


T-KNITの正会員コミュニティ『ティーチャーズアソシア』の中にいる先生が学校で研修会を開き始めたそうです。

最初は「勤務時間外になんで」みたいな感じで集まり悪かったそうですが、研修会に参加しているメンバーが楽しそうに働く姿や、授業の質が高まり、子どもたちの才能がメキメキ発揮されていく姿を見て、どんどん人数が増えたそうです。

このようなことを繰り返していると、自分以外の誰かが情報をシェアしてくれたり、困った時に手伝ってくれたりということも起こったりするんだなって思います。


変えられるのは自分から。

全力で教員支援の活動を無償で行っています。記事の購入代や、クリエイターサポートで応援していただけると本当に助かります! どうぞ、応援よろしくお願いいたしますm(_ _)m