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Q.ボランティアで参加する地域住民へ、コミュニティ・スクールへの参加のメリットをどのように説明しますか?

ボランティアで参加する地域住民へ、コミュニティ・スクールへの参加のメリットをどのように説明しますか?

40代の社会教育委員の方からいただいた質問です。

コミュニティ・スクールに参画していく場合、ボランティアを募ることがあります。

その時に「学校を手伝ってください!」「学校を支えてください!」と言うと、

「なんで俺らがそんなことやらなきゃいけねぇんだ?
もういっぱいやってるよね」

と言われてしまうのです。


この時、どう説明したら良いか回答に詰まってしまうことはあるかなと思います。


コミュニティ・スクールはすでにあるものを活かす

すでにできているじゃないかという声

そもそも、「うちではもう十分すぎるくらいやってるよ」「仕組みはあるよ」と言う方がいます。

そうなんです。すでに仕組みはあるんです。

今まで地域が一生懸命やってきた。


その取組があるからこそ、地域は成り立っているし、学校も存続できている。

「すでにできているじゃないか」という言葉は地域でも言うし、学校でも言ったりします。


新しい組織を作らなければ…という思い込み

でも、逆に言うと、この「すでにできているじゃないか」という言葉は全く新しい組織を作って、新しい事業を始めなければいけないんじゃないかという思い込んでいる言葉でもあるのです。

すでにあるものを活かす。

それだけでも十分大きな成果を挙げられるのに、新しい組織にしなければいけない!すごく大変なことをしなければいけない!って思い込んでいる。


でも、今までの地域の取り組みなどを壊そうだなんてとんでもないこと。

まず、声をかける側がものすごく大きな事業にしよう!ってことにしなくても良いと解釈しておいて良いのではないかと思うのです。


ボランティアに関わる人たちに伝えたほうが良いこと

学校のため【だけ】ではないことを伝える

地域の人たちが勘違いしているのは、

  • 「学校の困りごとを解決しなきゃならないの?」

  • 「子供を健全に育成することでしょ?」

たしかにそれも含まれています。

でも、それだけじゃないってことを伝える努力はしなきゃいけない。


だって、今までだってPTAとか、教職員組合とか、○○子供会とか学校の先生の困りごと解決や、子供の健全育成なんていっぱいやってきた。

今まででもやれてきたのに、また新しい制度ができた…ということはそれだけじゃない仕組みなんだってことを理解して進めなきゃいけない。


事業の本質は地域づくりにある

課題の次にコミュニティ・スクールの狙いを伝えていくことが大切。

結局、この事業が目指していることは【地域づくり】にあるんです。

学校運営や、子どもたちに関わることでいろんなイベント、プロジェクトに参画したり、協力したりすることを通じて、地域の人々の繋がりを創出すること。

つまり、地域行事の担い手の減少や、高齢化などによって、地域文化そのものの維持が難しくなってきている。

そうすると、地域はなくなる。そして、同時に学校もなくなる。

そして、住んでいる地域の未来も消えてしまう。


こうして、「あなたたちにも大いに関係あることなんですよ」という認識を芽生えさせる。

「やって欲しい」だけでは、やらされ感になってしまう。

自分にも関係あることなんだって認識するお手伝いはこちらからできるのです。


自分たちの理想の未来

そして、最後に大事になるのは、【この学校のコミュニティ・スクール】の未来像を伝えることです。

どんな地域を目指すかはどこでも似たり寄ったりになりますが、どんな言葉を紡いで、どんな人達と創り上げていくかは変わってきます。


こんな風な地域になったら良いな。子どもたちがこうなったら良いなと伝えて、「だからあなたたちが必要なんです!」と言わなければ、心は動かない。


いかにエモく(感情が動くように)できるかが本当に伝えなきゃいけないところです。


メリットだけでは人は動かない

人間は感情の生き物と言われています。


実は、参加のメリットだけを伝えても人はきません。

誰のために?
何のために?
なぜ私たちが?

ということを自分の気持ち、心で訴えかける


メリットでは動かない心の揺れ動きが、参加の動機になると僕は思います。

ぜひ伝えてみてください。

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