バレエ少女とクレープ屋

自分史を書こうと思い、自分が生まれた時から今までを振り返ってノートに書いている。

文字に起こしてみると、「そういやそうだったなあ」となんだか懐かしく、嬉しい気持ちになるものだ。

今日はその中から一つ、私の小学校1年生の時のお話。



小学校の時に、「自分の将来の夢を書きましょう」的な取り組みがあった。
(結構あるあるだと思う。)

その当時、私は「クレープ屋さんになりたい」の一点張りだった。

どうしてそうなったのか…と考えた時に、私には思い当たる節があった。

私は幼少期にバレエを習っていた。ショッピングモール内にある施設で、毎週土曜日、レッスンに通っていた。

(私が習っていたのは正確には「モダンバレエ」というもので、白鳥の湖…みたいなのとは少し違う。)


レッスンが終わったあと、ショッピングセンターのフードコートでクレープを食べるのが私のルーティーン。


注文をすると、お店の人がすぐにクレープの生地を鉄板に流して、くるくると広げて、ひっくり返して、トッピングをしてくれる。

ガラスの窓からクレープを焼く様子が見れるので、小学生だった私はガラスにへばりついてその様子を眺めていた。

サラッと完璧なクレープを焼いて、たっぷりのトッピングを乗せて、とびきりの笑顔でクレープを渡してくれる。そんなクレープ屋さんが大好きだった。

今思い出しているだけでクレープの焼けたあの良い匂いが香ってくるような気がする。

そんなわけで、私はクレープ屋さんになりたいと思うようになった。



10年以上経って、そのクレープ屋さんはなくなってしまった。
そして私もクレープ屋さんになりたいとは思わなくなってしまった。

けど、クレープ屋さん…か。そんな人生も面白そうかも。

自分史を書きながら、私は甘い記憶に思いを馳せています。

今日のおやつはクレープにしようかな。

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