小噺 香水という標本
香水、という曲が流行っている。
別にその曲についてではなく、普通に香水の話をしたいと思っているのだが、
触れたら気になってしまったので、いつからあんなに流行り出したのか調べてみた。
どうやらこの曲、リリースされてから1年ほどは全く認知されておらず、2020年の4月(緊急事態宣言下)にTik Tokを起爆剤に流行り出したようだ。
(出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/shibatomonori/20200629-00185128/)
筆者はTik Tokをあまり知らないのだが、確かに踊りやすそうなビート+ドルチェ&ガッバーナのキャッチーなフレーズで動画を投稿するにはもってこいな曲だったのかもしれない。
そしてこの曲の歌詞の通り、香りには「記憶を想起させる」ことが出来る力があると思う。
あなたにとって記憶が蘇ってくるような香りはあるだろうか。
身近なものだと筆者は以下の香りを嗅ぐと、懐かしい気持ちになる。
・薬用石鹸ミューズ
・でんぷんのり
・針葉樹林の落ち葉の香り
これらは私にとって、幼稚園時代の標本のようなものだ。
その時期にしか使用しない物だったり、経験しない体験の香りは、殊に強く記憶を想起させることがある。(石鹸については廃盤になっていないので今も使えるのだが、年を経てキレイキレイ派になってしまった。どうでもいい話だが。)
あとは、柔軟剤の香りで、色気を纏ってくる男子がいる。(個人的に柔軟剤男子と呼んでいる。)
特に筆者の場合は以下の香りである。
・レノアハピネス 森林浴の香り(めっちゃ使う人)
・ランドリン クラシックフローラル
分かってやってるのか、そうでないのかは分からないが(多分、分かって多めに入れていると思うが)職場で大森林に誘ってくれるため、レノアのこの香りがワイシャツからする人は、周りに絶大な癒しを与えてくれる。
そして何より、筆者も同じ柔軟剤をごく少量で使っているので、この方と会話をしていると家にいるようなリラックスした気分で、仕事ができる。家の標本だ。
ランドリンのこの香りはもう大人の標本です。この香りする男子危ない。(自論)ちなみにこの記事を書くために調べたところクロエのオードパルファムに似た香りらしいです。
....より危ない奴だ。(偏見です)
他にも制汗剤、シャンプーなど、日用品の香りは身近で、比較的すぐ記憶を呼び起こしてくれるが、ふとした時に思い出せるよう、飾っておくには少し適さない。
また、製品改良で香りが変わってしまうこともしばしばある。
そこで、節目ごとに異なる香水をつけることにした。
元々そんなに香水のきつい香りが好きではないので滅多に着けてはおらず、
(オーガニックの香水はふんわり香るので比較的高頻度でつけてはいる)
小さいタオルなどにつけて、鞄から出した時や、お手洗い時にふと香るぐらいにしているが、以下のような節目で変えている。
・中学 (雑貨屋で小さな瓶が出始めた頃で、流行っていた)
・高校
・大学
・社会人
・彼氏がいた時期
・向かう物が変わった時期
そして、これを部屋に飾っているのだが、
根本のノートは変わらないが、少し鮮度は落ちているその香りを嗅ぐことで、
これまでの自分の感情をタイムスリップして感じられる、そんな標本が、
綺麗なガラス瓶に飾られているような気持ちになる。
初めは身だしなみの一部としてつけ始めた香水だが、
記憶に残したい瞬間のために、香水をつけるのも、自分を豊かにする点でよいのかなと思う。
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