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札幌移住から1年経って感じたこと

昨年の1月下旬に札幌に移住してきてから、丸一年が経過した。あっという間である。

今回は一年の区切りとして、札幌に引っ越してきてから感じていることを記録に残しておこう。

雪国での生活

一年前に札幌にやってきたときも雪が降っていた。道端には雪が20〜30センチ積もっていた。一面、白の世界を目の当たりにして、いよいよ北海道で暮らすのか、と一気に実感が湧いてきたのを覚えている。

ところが、今年は昨年とは少々景色が異なる。降り積もった雪の量が2倍どころか、3〜4倍ほど多く感じる。歩道と車道の間には除雪された雪がうず高く積まれ、大人でも歩道から車が見えない箇所がある。

道端も極端に狭くなっている。一年前は幹線道路に雪が残っていることはあまりなかったが、昨年の年末からは除雪が追いつかず、路面が姿をあらわすことがほとんどない。

さぞかし生活するには不便だろうと思うかもしれない。そして、寒いだろうと。

だが、雪国での冬も2回目となると、すっかり慣れるものである。

たしかに、交通機関は乱れるし、一軒家に住んで雪かきをする必要がある人などは、大変な苦労している。だが、雪については折り込み済みであった。そのために、地下鉄の沿線に住まいを求め、雪かきの必要がないマンションを選んだ。

路面の凍結で転倒することも想定していた。だが、自分でも驚いているが、まだ雪道で転倒したことがない。何度も足を取られて、ヒヤリとしたことはあるが、転ぶには至っていない。転倒は靴と歩き方しだいだと思うが、これは嬉しい誤算である。

雪遊びに夢中な娘

冬の寒さにもかなり慣れた。外は氷点下が当たり前の世界だ。防寒着をフル装備しても、10分も外を歩いていれば、寒さが骨身に染みる。

それでも、部屋に入ってしまえば二重サッシになっているので半袖で過ごせるほど暖かいし、そもそも外を長時間ふらつく機会もない。

移住する前は寒さが苦手だったが、今では0度なら暖かいとさえ思っている自分がいる。人間は思いの外、環境に慣れる生き物だ。よく聞く「住めば都」いう言葉にも今は実感がともなう。

むしろ今は札幌の雪を楽しめている。その大きな要因は娘だ。もともと、この移住は娘といっしょにもっと自然が豊かな場所に住みたいという思いが出発点であったが、娘は雪国での生活を楽しんでくれているようだ。寒さも気にせず、毎日のように「外に遊びに行こう」と言ってくる。今はソリ遊びに夢中だ。

東京の公園で小さな滑り台を順番待ちで遊んでいたのが懐かしく感じるほどに、のびのびと遊んでいる。その姿を見ているだけでも、移住してよかったと思える。

娘ほどではないが、私自身も雪国での生活を楽しんでいる。もちろん、不便を感じることもなくはないが、そういう状況も含めて愉しめている。雪がしんしんと降り積もる風景や、積雪の消音効果で静まりかえった光景も神秘的に感じられる。

もちろん、今はまだ物珍しさも加味されているので、長く住むことで印象も変わるかもしれないが、環境面で札幌への移住を後悔することは今のところなさそうだ。

東京に一度も行かなかった一年

想定外だったこともある。なんと、札幌に移住してから一度も東京に行っていない。地方の温泉地には足を運んだが、仕事の拠点である東京には一度も行く機会がなかった。

東京の仕事がなかったわけではなく、結果的にリモートですべて完結したからだ。移住前は打ち合わせや取材で年に何度か東京に行くことになると踏んでいたが、とうとうその機会はなかった。

移動や面会が憚られる事情ももちろんあったが、相手がわざわざ札幌から来てもらうのも……と気を遣ってくれた結果でもあると思う。

そのぶん陰では、「遠いから仕事を頼むのはやめよう」と判断され、流れてしまった仕事もあると想像できる。にしても、すべてリモートで完結できたのは、これから仕事をする上でプラスの材料となる。なぜなら、どこにいても仕事ができるということが証明できたからだ。

もちろん、執筆・編集という特殊な仕事であるから成立したともいえるが、想像以上に世の中のリモート化が進んでいることを実感する一年となった。

肝心の温泉については、旅行や移動が制限され、思う存分に楽しめたとは言い難いが、合間を見て北海道の温泉にも足を運んだ。

豊平峡温泉のような名湯に日帰りで気軽に入れるのは札幌在住の大きなメリットといえる。今年は後半から旅行も積極的にできると予想されるので、北海道の各地の温泉を訪ねようと考えている。

さて、移住2年目の北海道生活はどうなるだろうか。私自身楽しみである。

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