見出し画像

「温泉オタク」のススメ

ソロ温泉に何度も出かける人、一度きりでやめてしまう人。その差はどこにあるのだろうか。

ソロ温泉にハマる人、ハマらない人

ソロ温泉(=ひとりでの温泉旅)にどっぷりハマる人は、温泉に入浴するだけでなく、こだわりのテーマを見つけている。

これまであらゆる角度からソロ温泉の魅力を伝えてきた。「ソロ温泉を一度実行してみようか」と前向きな気持ちになってもらえたならうれしい。

だが、その半面、「温泉は好きなほうだけど、マニアなわけではないから、やっぱり温泉だけでは暇をもてあますのではないか」という疑念をぬぐい切れない人もいるかもしれない。

だが、そもそも暇を暇として受け入れるのがソロ温泉である。退屈に感じたとしても、後ろめたく思う必要はない。

まずはむずかしいことを考えず、とにかく一度体験してみてほしい。ソロ温泉の世界にどっぷりハマるかもしれない。反対に「ちょっと微妙だったな」「やはり温泉だけでは物足りない」という感想をもつかもしれない。

それでも、ソロ温泉を続けてみたいと思うのであれば、「専門ジャンルをもつこと」をおすすめする。

「オタク」のすすめ

鉄道の世界では、「電車が好き」とひと口で言っても、それぞれ好きのツボが異なり、鉄道に乗る「乗り鉄」、鉄道の写真を撮る「撮り鉄」、鉄道に関する音を録音する「音鉄」などとこだわるジャンルが違う。

温泉にもさまざまなジャンルが存在する。私は温泉そのものの泉質にこだわる「泉質オタ」。だから、温泉に入浴するたびに泉質やその状態をチェックするという楽しみがある。めずらしい泉質に出会えたときは、湯船の中で静かにガッツポーズをするくらいテンションが上がる。

また、これまで全国3600を超える温泉をまわっているように、温泉の「入浴数」にもこだわりがある。だから、旅先でまだ入浴していない温泉があれば、ついでに立ち寄って、入浴数に加えるのも楽しみのひとつだ。

さらには、温泉地や温泉街の歴史にも興味がある。だから、入浴の合間に温泉街を散策し、歴史を感じられるスポットを見学したり、その土地の歴史館などがあれば必ず立ち寄ったりする。一時期、東北の温泉地の土産の定番であるこけし収集に凝っていたこともあった。

最近では、地質にも関心が向いている。温泉は、地表に湧出されるまでの長い時間を地中で過ごす。まさに地質とは切ってもきれない関係にある。温泉ができるメカニズムや源泉の特徴にも地質が大きく関わっている。火山活動を含めて地中で起きていることを知るのは、温泉をより深く知ることにもつながるのである。

深掘りすれば興味が広がる

温泉に関連することで、何か興味をもてるジャンルが見つかると、ソロ温泉はもっと楽しくなる。

何事に当てはまるが、ひとつのテーマや知識を縦に深掘りしていくと、興味の範囲が自然と横に広がっていく。知識が深化することで、「これはどうして? あれも知りたい」と好奇心が湧いてくるのである。

もちろん、興味の対象は温泉そのものから始めてもいい。泉質などは知れば知るほど奥が深いので、ハマればこれほど面白いものはない。「ぬる湯」や「足元湧出泉」にこだわって旅をしてもいいだろう。

温泉ではなく、料理を専門にしてもいい。シンプルに料理が抜群においしい宿を探し歩くのもいいし、地元の郷土料理や地酒、ワインに絞るのも楽しいだろう。

山登りが好きなら登山でしか行けない宿に絞ってもいい。絶景好きなら絶景の露天風呂めぐりに特化するのも楽しい。

まずはソロ温泉に行って、じっくり温泉と向き合ってみる。すると、自分が興味をもてそうなテーマが見つかるかもしれない。

サポートいただけたら大変ありがたいです。サポートは温泉めぐりの資金とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。