ジャガー横田さんのお子さんの受験を振り返る(インター→普通の中学受験戦略)

海外生活が長かったこともあり、最近になってジャガー横田さんの息子さんの受験がテレビで特集され、話題になってたことをしりました。

実際の映像も見たわけではありませんが、お子さんの希望を尊重して受験を応援してあげて、本人も頑張り、最後にお父さんが「成功体験を」と滑り止めを受けさせるなど、親としても考えさせられるテーマでした。

息子さんが2歳から小4までインタースクール、と私の子供も似たような経路を辿っていたので、「どんな学校」受けたのかなーと興味深く調べていました。第一志望が「広尾学園」。ふむふむ。インターナショナルコースもあるし、当然だろうなー。と思っていましたら、受験科目は国算理社。。。

なんで、一番の武器である英語を生かさずに受験したんや、、

最終的にはすべり止めの学校で英語を使ったようですが、非常に戦略としてもったいなかったなと思います。第2志望の開智日本橋も国内インター生なら帰国枠で英語受験できたし。。

そしてもう一つ。

医者になりたいという理由で、なぜ2歳から積み上げてきたインター教育を捨ててしまったんだ。(海外大の医学部でよいのでは)インターに8年入れた覚悟はあったのでしょうか。

とモヤモヤした気持ちが残りました。

とくに人様の受験戦略について、とやかくいうつもりもないですし、おそらく国内の私立医学部のどこかに入れる算段はついているんだろうと思います。が、今後、インターから日本の小学校に転校して、の中学受験での選択肢としてここに記載しておきます。

まず、受験科目問題ですが、国内インター生でも英語で渋谷学園や広尾学園も含め、それなりの学校に受験することができます。帰国枠と同じ扱いの学校もあります。第一志望の広尾学園も英語で勝負すれば、もっと合格に近づくことができたと思います。

言い方はあれですが、算数では合格偏差値と差がつきすぎて、チャレンジ校以上に難しい挑戦となっていました。あえて難しい科目で受験させた意味が分かりません。

そして第2志望校であった開智日本橋。こちらも帰国子女入試でも「国内インターも可」とあります。一般受験でも英語を使えます。

国内インターに残らせてあげたほうが、確率は高まったのは間違いありません。

中堅どころでも東京都市大付、都市大等々力なども一般受験でも英語受験や英語算数受験が可能です。ジャガー横田さんの息子さんが最終的に合格された学校よりもはるかに国公立私立医学部への実績はあります。

東大合格者を出している、かえつ有明も一般で英語のみ受験があります。

自分の子供は海外インターから小5で帰国しましたが、もちろん帰国生入試を使いました。普通に受験していたは国語が太刀打ちできませんし、帰国生入試は、入りやすさも難易度も落としてますから、お得です。

その分、国語がおろそかになるのも確かですので、横田家では今後のことも考えて、英語という誘惑を断っていたのかもしれませんが、私は英語受験のほうがよかったかなと考えます。というか戦略としては非常に不思議です。子供の夢を尊重してあげるのが親の役割ですが、道筋、戦略を見つけてあげるのも、大切な役割ではないでしょうか。竹槍で突進しても通過できないのが受験です。そのあたりを関係者が見落としていたとすれば、とても残念です。

2点目については、①海外医学部でもいいんじゃないか。②関連して、算数のインターから日本への切り替えは大変だよ③インターのもっとも大きな利点である自己肯定感を下げてしまったのでは。

と思いました。

海外医学部ももちろん難関に代わりませんが、最近ではチェコ、ハンガリーの医学部を卒業して日本のお医者さんになることが厚労省も認めるルートとなっていますし、もちろん米英など世界の英語圏には医学部があります。(日本の医師免許への切り替えは簡単ではありませんが)。そのあたりを精査したのか非常に気になります。

在席していた国内インターもおそらく中高年代まであったでしょうから、インター教育を続けても何ら医師の夢を阻害することはありません。


②そして算数です。インターから日本の受験算数への切り替えは本当に大変です。わが子もインターでは算数はいつも優秀で、ほぼクラストップで神童のごとく崇められてきましたが、帰国した四谷大塚の模試で偏差値34をたたき出して、青くなったのを覚えています。結果的に50を超えたあたりで終わったのですが、それでも大人がお手上げする問題もあったりして、日本の子供たちのレベルに驚いたものです。(英語帰国枠のおかげで50よりも高い学校に合格できました。なので、算数は相当気合い入れて中学に行っていますが。。)

インターの算数の進度は非常に遅く、レベルが上がっていくは中高の年代です。そして、一定のひとたちは日本の高校生のレベルにも追いついてきます。インターの教育はもう少し成熟した年代(中高生)が、算数も面白さに目覚めて、日本の中高生以上のモチベーションで大学になることに追いついてくるモデルです。

もちろん、途中下車する子たちも多くいます。余談ですが、私が大学院(Timesの100位以内)入学前に算数の補習があったのですが、X-7=3 みたいな式があり、-7が=の右側に行くと+7になるのがわからないという欧米の生徒がいて驚きました。

話もどりますが、インターから受験算数の適合は非常に大変です。ただでさえ国語が受験科目になって四苦八苦しているところに算数の負担もかかりダブルで苦しくなってしまったと思われ、残念にも思えます。しかし、息子さんもそんなハンデがあっても、前向きに頑張られていたとうことで、本当によく頑張ったなーと思いますし、(戦略は間違いつつも、)御父母のサポートがあったのだろうと思います。同じ状態かわかりませんが、うちの子も漢字や難解な算数でヒーヒーいっていたので。。。

そしてこれが③に関わってくるのですが、私はインター校の一番の利点は自己肯定感が高まることだと考えています。肯定感を高めて、中高と本当に伸びる時期に自信をもって自分のやりたいことをやりきるのができる環境があると考えます。その点は日本に足らない点として、開成の元?校長先生も指摘されています

比較されずに、褒められて伸びる世界から、いきなり比較される世界に。当時の特集のレビューなどをみると、息子さんも自己主張が強く、親御さんも非常によく褒めるという意味ではインター校らしさが残っていそうなのは救いですが、この受験で何か間違った方向にいってなければと思います。

(その後の息子さんの様子を拝見しましたところ、中学でも自己主張をして自信をもって過ごされているようで安心しました。中学入試での頑張りを親御さんが認め、褒めてあげていた結果かなと思います。これはなかなかできることじゃないです。素晴らしいことだと思います。)

先ほど、申し上げた英語で受けられる中学校には広尾学園のようにインター校らしさと日本の学校らしさをミックスさせた学校も多くありますから、英語受験にそのような学校に入学させて、ソフトランディングさせるほうを私は勧めます。財力があるなら国内インターを続けるのもありです。

とまあ、好き勝手に記載しました。繰り返しますが、人様のことをとやかくいう資格はありませんし、お医様、有名人の家庭でしたら、勉強を続けて国内私立に入れ込むこともありえますし、その道筋があられると思っています。

他方、非常に影響力のある方の受験体験ですので、今後、他の方々が安易にインター校を選んでほしくないですし、(その逆も然り。長年インターで育った方が安易に公立小を選んでほしくないです。)中受するなら、様々選択肢あるよと思い、ここに残しておきます。






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