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記者の賭け事 麻雀より高校野球を思い出した

黒川高検検事長と朝日産経記者の賭け麻雀が問題になって黒川氏が辞任に追い込まれた。

世間では、けしからん、法律違反だってなってるけど、まあ、新聞社の人たちはまったく反省しないだろうし、朝日産経のひとたちは「まあ、わが社は良くやっとる。事故みたいなもん」ってことになってるでしょう。

しがない記者経験から、検察と記者の関係を紹介します。

まあ、地方も東京も同じだと思うけど、事件事故をあつかう記者クラブの記者たちは日常的に取材でもちろん会う。週に何回か次席検事がレクチャーしてくれるし、裁判でもあったりする。で、記者クラブ記者と定期的に懇親会もあったりして、飲み会のあと、べろべろになってスナックになだれ込んで散々飲んだり、まあ、たいていの記者ならすぐ仲良くなる。

で、地方だと、警察のおじさんも人情あっていいけど、ちょいエリート意識の高い記者とかだと、司法試験も受かって東京からの転勤組である検察官にシンパシーを感じちゃたりするんだよね。でお互い酒を交わしながら、地方都市で天下泰平について語ったりする。検事さんも同じように感じてくれる人も多くいる。

元特捜部で輝かしい実績の人も地検で一番偉い検事正として着たりしていて、官舎も決まってるから日本酒片手に「飲みませんか」と訪問したりもする。

まあ、それくらいやって記者として一人前みたいなところがあるし、実際それでスクープにつながることも多々あり。これは癒着ではなく、王道の取材方法とされているし、上司からは「おお、よくやっとるな」となる。(地方で仲良くなっておくと、東京あがったときに特捜部に入ったりすることもあるから、つながりって大事。それが多層的に積みあがったのが新聞社の取材態勢なのです)

じゃあ、検事さんはなんで記者を相手にするかというと、ある種緊張関係にある地元の府警県警の情報とか、役所の動きとか情報収集にも使ったり。検察も情報勝負の世界だからこれもまっとうな情報収集といえる。検察は役所の不正とかも捜査することもあるだろうし。

なので、記者は今回の麻雀もまっとうな情報収集の一つとしか考えないだろうね。

緊急事態宣言云々も、一般人とは別じゃないかと。だって、安倍ちゃんがなんかやらかしていたら、黒川氏が何か話すかもしれない。その状況で誘いを断る記者はいないだろうね。

で、賭け麻雀だけど、記者に倫理観とか期待しても無駄だろうね。まず新人研修で題材になるのが、情を通じていた、で有名な西山事件。講師たちも表向きは取材倫理について語ろうとするけど、グレーな方法でも国の秘密を暴いた(やや脇の甘い)英雄として褒めておわり。賭け事だろうが、日本酒とか旨い酒もちこもうが、仲良くなれば、OK。自慢の人脈となる。

清廉潔癖な知識人のひとたちは癒着はやめよ。「下らんスクープのために近づくな」。お互いの距離感が大事とか言うだろうけど。

どうだろう。もし検察内部が腐敗したり、安倍ちゃんがなんか検察に圧力かけたり、もしそんなことがあったら、薄っぺらな関係の記者に話そう、公にしようなんて思わないと思う。そんな意味で黒川氏が今回記者とも交流を持っていて、記者側もそういう情報網があったことはほっとしたのが個人的な感想。(もっとも飲み食い麻雀とか、すごくよくしてくるけど、捜査情報まったく話さないひとも多い)

じゃあ、記者はみんな麻雀やるかっていったら、最近は減ったんじゃないかな。麻雀、ゴルフで得点つけることは結構あった気がする。でもそれ以上に記者と賭け事って考えたら、思い出すのが高校野球かな。

夏になると、地方のテレビ局も新聞社もそんな大きな娯楽がないから結構な人数で取材するんだけど、優勝校あてみたいのはよくやるよね。勝った人が総どりだからそこそこの金額になったり、公立校が勝ち進んだら盛り上がったり。今年は大会がないから関係ないけど。そんなことを思い出しました。












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