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月に見る【狼男とメルヘン】|人間の狂気と牧歌的な風景

この記事は「シノブラジオ」の覚え書です。本編が気になったら、下記のラジオのほうもご聴取ください。
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臨床心理士・公認心理師の高間しのぶです。志木市のソレア心理カウンセリングセンターでカウンセラーをやっています。私の一日を振り返ると今日は、スムーズにカウンセリングが進んだかなと思います。聴きたいなぁと思ってたら、相談者の方から話題が自然とそちらへ向いていくという、理想的な展開ですね。

■テーマ

月に見る【狼男とメルヘン】|人間の狂気と牧歌的な風景

◇現代人の月イメージは、
・ホラーっぽい、ルナティックっぽいのではないでしょうか。

◇それだと片手落ち、月の一面(裏側)ばかりが目立ちます。それが現代と言ってしまうとそれまでですが、病的な世界がメインになってしまいます。

月には2つの顔があるということを確認しましょう。つまり、
・狂気の側面(The dark side of the moon / ピンクフロイドで有名)
・こころあたたまる Heart Warming な側面(絵のない絵本/アンデルセンなど)

■狂気の月について

月とホラーは現代においては密接な関係ですね。例えば、狼男、吸血鬼。鬼滅の刃も上弦・下弦が出てきて、狂気の世界ですね。

文明が発達すると狂気が出てくるようです。病が出てきます。鬼は狂気で病なんですね。

吸血鬼の起源は古代ローマ、ギリシャ、エジプトにまでさかのぼります。これって文明と関係ありそうな匂いがします。

メモ
・2001年宇宙の旅は狂気の映画ではありません。あれは進化の映画。月でモノリスが発見されるところから物語がスタートします。進化というのはちょっと怖いですね。畏怖ってやつです。狂気ではありません。

■ハートウォーミングな月について

アンデルセンや万葉集など、月の物語があります。

・絵のない絵本(アンデルセン):月が見た地上の人々の話です

・額田王(万葉集)
熟田津(にきたつ)に船乗りせむと月待てば潮(しほ)もかなひぬ今は漕ぎ出(い)でな

彼女は、650年頃、大化の改新の頃、飛鳥時代に生まれています。時代はようやく文明に馴染み始めた頃の歌です。時代を振り返ると、縄文時代ー弥生時代ー古墳時代ー飛鳥時代ー奈良時代 と変遷していきます。文明の黎明期の歌と言ってもいいでしょう。

文明が侵入してこないと、これ程に牧歌的になるのです。

■月の見え方(うさぎの餅つき)

満月をみると、うさぎが餅つきをしているように見えますね。これは仏教の説話から来ているようです。
昔、あるところにウサギとキツネとサルがいました…。

・日本、韓国、中国は、うさぎが何かをしているように見ます。
・他の国では、カニ、犬、ワニ、ロバ、おばあさん、ライオンに見ます。

これは、心理テストのロールシャッハテストみたいです。アフリカ民族は微小反応が多い。微小反応とは、細かな部分に反応する見え方です。ロールシャッハは病的なこころの側面をあぶりだすようなテストですが、牧歌的なロールシャッハがあってもいいのでしょう。心理テストではなく、心理セラピーとして使う方法です。家族でやるコンセンサス・ロールシャッハなどがその例です。

■まとめ:文明を否定しなくてもよいが、元の月へ帰ろう

・帰還
・文明(仕事)とはルナティックなもの
・月のオモテ、ウラ、どちらを選ぶかはあなたしだい


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