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$5 CV Adder - DIY Eurorack Modular Synthesizer


背景

自作モジュラーシンセの59作品目。
シンセサイザーに限らず、メロディを演奏する楽器には表現力が求められる。表現力の代表例のひとつが、ビブラートだ。
バイオリンや、ロータリースピーカーを使ったハモンドオルガンなど、常にピッチを揺らしている楽器は多い。

モジュラーシンセのVCOでビブラートをするにはどうすればいいか?
VCOに「FM」というINPUTがあれば、そこにLFOを入力すればビブラートができる。
VCOに「FM」INPUTがない場合は、V/OCTのCVにLFOを加算すればよい。

ビブラートで表現力の幅を広げるべく、今回のモジュールの作成を企画した。

制作物のスペック

ユーロラック規格 3U 6HPサイズ
電源:30mA ( +12V ) , 30mA ( -12V )

3つのINPUT、1つのOUTPUTの高精度加算回路を3個搭載する。
CVの使用を想定しているが、Audio信号を加算することもできる。

高精度
加算回路には誤差0.1%の高精度抵抗を使用することで、V/octの信号でも高い精度で加算ができる。
全てのINPUTにボルテージフォロワー回路があるので、CV sourceの出力抵抗による誤差も発生しない。

製作費

総額約600円
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フロントパネル 100円
ジャック 8円*12
TL074 50円*4
金属皮膜抵抗 3円*30個
他(汎用部品は下記リンク先参照)

誤差0.1%の抵抗を複数準備する必要がある。
0.1%抵抗は10本で250円と高額であるが、1%抵抗は100本で250円だ。
今回、100kオームの1%抵抗100本セットを購入し、テスターで抵抗値を測定して選別を行った。

100.0kオームが25個、99.9kオームが24個、99.8kオームが25個、それぞれそろえることができた。

ハードウェア

0.1%精度の抵抗は、加算回路の増幅率に影響する赤枠の箇所だけに使えばよい。
入力回路直後の100kオーム抵抗や、出力回路の220オーム抵抗は、誤差の大きな部品でも問題ない。

入力回路直後の100kオーム抵抗は、オペアンプの過電流を防ぐ制限抵抗だ。
それぞれの入力回路にあるオペアンプはボルテージフォロワーだ。CV sourceとなるモジュールのアウトプット回路の出力抵抗の影響を無くすため、インピーダンスを分離している。
出力回路の220オームは、オペアンプの過電流による破壊を防ぐための制限抵抗だ。

INPUTのjack switchはGNDに接続する。
プラグが挿入されていないときに、電位をGNDにすることで、ノイズの影響を無くすためだ。

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