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500円で作るVC Switch-モジュラーシンセ自作

アナログスイッチICを使ってモジュラーシンセサイザー のVCS(Voltage controlled switch)を自作したので、その備忘録。

背景

自作モジュラーシンセの40作品目。
私はモジュラーシンセの演奏が下手だ。いつも下手糞なワンパターンのシーケンスを鳴らして、たまにkickをミュートしてるだけだ。
「展開」や「フィルイン」みたいな、音楽的要素を演奏に取り入れたいと思った。
電圧制御ができるスイッチがあれば、音色やメロディー、リズムを瞬時に切り替えることができ、演奏の幅も広がると思ったのだ。

電圧制御スイッチモジュールは、種類こそ少ないがラインナップはある。
WMD sl3kt (select)や、Doepfer A-150-1 DUAL VCSなどの、双方向スイッチと呼ばれるモジュールだ。

今回、初めてアナログスイッチというICを使用するので、その勉強も兼ねる。

制作物のスペック

ユーロラック規格 3U 6HPサイズ
電源:15mA 以下( at +12V ) / 15mA以下 ( at -12V )
±12V両電源が必要。
消費電流は正確な測定をしていないが、安定化電源が示していた消費電流から、おおよその値を推測している。

1:2の双方向スイッチを、AチャンネルとBチャンネルの2基搭載。
AチャンネルはCV閾値をPOTで変更可能。
LEDでスイッチ切り替え状況が視認できる。
モーメンタリのプッシュスイッチも備え、CVの状態によらず、任意のタイミングでスイッチ切り替えができる。

TH_A:AチャンネルのCV閾値の制御。
SW_A/B:マニュアルでの切り替えモーメンタリスイッチ
CV_A/B:スイッチ切り替え制御用のCV
I/O_1/2:Aチャンネルの入出力源(どちらかが選択される)
I/O_A:Aチャンネルの入出力源
I/O_3/4:Bチャンネルの入出力源(どちらかが選択される)
I/O_B:Bチャンネルの入出力源

製作費

総額約500円
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NJU211 バイポーラアナログスイッチ 180円
フロントパネル 100円
オペアンプ 30円
プッシュスイッチ 40円(20円*2pcs)
ジャック 64円(8円*8pcs)
他、下記リンク参照

アナログスイッチはDG211で代用可能と思われる。(未検証)
オーディオ信号を扱うため、バイポーラ(両電源)のICを選択する。

ハードウェア

CV入力回路

オペアンプはコンパレータ用。CV入力が閾値を上回ったら12Vを出力、下回ったら-12Vを出力する。
オペアンプ直後のダイオードによって、オペアンプの-12Vの出力を遮る。これにより、アナログスイッチのINには、12V又は0Vが印加されることになる。
トランジスタによりNOT回路が構成される。IN1がhighの場合、IN4はlowになる。

双方向入出力回路

470ohmは制限抵抗だ。アナログスイッチの定常定格電流が20mAなので、電流を制限する必要がある。
ゲート、CV、音声のいずれの信号も扱えるよう、ACカップリングコンデンサは使っていない。

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