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$3 Diode clip Distortion-DIY Eurorack Modular Synthesizer

モジュラーシンセサイザー のダイオードクリップ ディストーションを自作したので、その備忘録。

背景

自作モジュラーシンセの45作品目。
これまで、DSPエフェクトモジュールはいくつか自作してきたが、アナログのエフェクトモジュールは作っていなかった。
今後、アナログエフェクトモジュールに挑戦してこうと思う。まず初めに、シンプルなディストーションモジュールを作成することにした。

シンセサイザーとディストーションの組み合わせは、テクノミュージックでよく使われる。
ちなみに、私が好きなディストーションサウンドは、YMOの「music plan」で使用したような、Prophet5のストリングスとディストーションの組み合わせだ。

制作物のスペック

ユーロラック規格 3U 6HPサイズ
電源:25mA 以下( at +12V ) / 25mA以下 ( at -12V )
±12V両電源が必要。
消費電流は正確な測定をしていないが、安定化電源が示していた消費電流から、おおよその値を推測している。

ATTN
入力音声を減衰させる。モジュラーシンセの音声信号は±5Vが一般的である。一方、ダイオードクリップのディストーションでは、音声信号が±0.6Vを超えたあたりから効き始める。
そのため、音声信号はダイオードクリップ回路にたどり着く前に、±0.6V以下まで減衰させてやる必要がある。

オペアンプの増幅回路の可変抵抗でも減衰させることは出来るため、必ずしもアッテネーターを用意する必要はない。
私の自作モジュールは、音声信号が±1Vのものから、±5Vのものまで、電圧レンジが広いため、ATTN機能を追加した。

DIST
ディストーションを調整する。ダイオードを使ったシンプルなクリップ回路なので、ディストーションを掛けると波形の山が潰れ、倍音が増加する。

GAIN
出力音声の増幅割合を制御する。ダイオードクリップ回路を通過することで、音声信号は±0.6V以下まで減衰してしまっている。GAINで増幅することで、モジュラーシンセの音声電圧レベルまで増幅する。

製作費

総額約330円
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フロントパネル 100円
可変抵抗 110円
オペアンプ 30円
他、下記リンク参照

オペアンプ、抵抗、コンデンサ、ダイオードという非常にシンプルな構成。

ハードウェア

減衰して(ATTN)、増幅して(DIST)、減衰して(ダイオードクリップ)、増幅する(GAIN)という、そんな回路だ。
エレキギターで使用されるディストーションエフェクターを、モジュラーシンセ用に定数を見直しただけ。モジュラーシンセは-12Vが使用可能で、ギターエフェクターの様な電圧オフセット回路も必要ないので、ギターエフェクターよりシンプルな回路構成となる。

オペアンプ回路にある100pFのコンデンサは、発振対策のもの。これが無いと発振してしまう。
ディストーションの掛かり具合をCVで制御したい場合、DIST回路をLM13700の様なVCAに置き換えればよい。
もしくは、Distortionモジュールの手前にVCAをつなげて置いて、音量を制御してもディストーションの掛かり具合をCVで制御できる。

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