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450円で作るダイオードラダーVCF-モジュラーシンセ自作

モジュラーシンセサイザー のダイオードラダーVCFを自作したので、その備忘録。

背景

自作モジュラーシンセの39作品目。
部屋の掃除をしてたら、mini moogのサービスマニュアルのコピーが見つかった。印刷した当時は全く分からなかった回路も、今なら少しは理解できる。

前々から、moogで使われているトランジスタラダーVCFを作ってみたかったのだが、いざ回路を見てみると部品点数が多い。
なので、まずは部品点数が少ないダイオードラダーVCFを作成して、それからトランジスタラダーに挑戦しようと思ったのだ。

制作物のスペック

ユーロラック規格 3U 6HPサイズ
電源:15mA 以下( at +12V ) / 15mA以下 ( at -12V )
±12V両電源が必要。
消費電流は正確な測定をしていないが、安定化電源が示していた消費電流から、おおよその値を推測している。

FREQ POT:カットオフ周波数
RES POT:レゾナンス
ATTN POT:入力オーディオ信号のアッテネータ、入力が大きいと歪む
FREQ CV:カットオフ周波数のCV(0~5V想定)

オリジナルのmoog トランジスタラダーVCFと同じく、レゾナンスレベルを上げると低音が小さくなる特徴がある。これを良いと捉えるか、悪いと捉えるかは人次第だ。この問題について議論しているスレッドもあるので、興味のある人は覗いてみると知見を得られる。

オーディオのインプットレベルが大きいと、いい感じに歪んでくれる。音が太くなり、温かみがある。当初の計画ではインプットレベルを調整するATTNツマミは搭載しない予定だったが、この歪の良さを実験中に見つけて、ATTNを追加した。
柔らかいストリングスサウンドや、暖かいブラスサウンドを作りやすい。

製作費

総額約450円
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ポリプロピレンフィルムコンデンサ 120円 (30円*4pcs)
フロントパネル 100円
他(汎用部品は下記リンク先参照)

トランジスタとダイオードは特性を合わせるため、同一LOTの部品の使用が推奨されている。

ポリプロピレンフィルムコンデンサは共立エレショップから購入。秋月よりも多様な容量のコンデンサの品ぞろえがある。

ハードウェア

ダイオードラダーの回路は、webで検索すると多彩な回路図が見つかる。HPF/BPFを含んだマルチモードフィルター回路や、レゾナンスをCV制御できる回路など、様々だ。大いに参考にさせて貰った。
今回、私が作成した回路は、入手しやすい部品を取り入れつつ、可能な限り少ない部品の構成を目指した。ダイオードは1N4148、オペアンプはTL072、トランジスタは2SC1815といった具合だ。

本来ならば、部品の特性を合わせたり、温度補償の事を考えたりしなくてはいけないのだが、そこは目をつぶった。
部品点数も少なくしたので、6HPサイズのユニバーサル基板に実装できる。

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