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$4 Envelope Follower module-DIY Eurorack Modular Synthesizer
モジュラーシンセサイザー のエンベロープフォロワーモジュールを自作したので、その備忘録。
背景
自作モジュラーシンセの43作品目。
エンベロープフォロワーは地味なモジュールだ。システムに組み込んでいないモジュラーシンセプレイヤーも多い事だろう。
エンベロープフォロワーの使い道は大きく分けて2種類ある。
1つ目は、サイドチェインだ。キックのエンベロープカーブに合わせて、他の楽器の音量を下げることで、曲全体の音圧を均一化させ、キックの存在感を上げることが出来る。
2つ目は、アコースティック楽器と組み合わせて使用し、エンベロープカーブに合わせてエフェクトを掛けることだ。エンベロープフォロワーはワウやコンプレッサーといった、ギター定番のエフェクトに組み込まれている。
モジュラーシンセ単体のシステムで演奏する場合、エンベロープフォロワーは必要ない。なぜなら、エンベロープジェネレーターを使用することが多いからだ。
私のDIYモジュールの中には、PCMやFM音源の様に、エンベロープジェネレーターを用いず、音量の減衰をさせるモジュールがあるたり、エンベロープフォロワーの使い道があると考え、今回のモジュールを企画した。
![](https://assets.st-note.com/img/1643297119031-WouWydXQaJ.jpg?width=1200)
制作物のスペック
ユーロラック規格 3U 12HPサイズ+α
電源:30mA 以下( at +12V ) / 25mA以下 ( at -12V )
±12V両電源が必要。
消費電流は正確な測定をしていないが、安定化電源が示していた消費電流から、おおよその値を推測している。
GAIN:入力電圧を1~10倍の範囲で設定
ATTACK:エンベロープカーブのアタックを設定
RELEASE:エンベロープカーブのリリースを設定
OFFSET:CV出力のオフセットを設定
IN:オーディオ入力
OUT:エンベロープカーブCVの出力
INV OUT:OUTの反転出力
LED:エンベロープCVに合わせて点灯する
サイドチェインでの使用を想定していたため、INV OUTとOFFSETの機能を織り込んだ。
エレキギター等のアコースティック楽器を使用する場合は、GAINの倍率を100倍にすると使いやすいかもしれない。私の場合はLINEレベルの信号が扱えればよかったので10倍とした。
RELEASEの設定を小さくしすぎると、CV出力が0になる場合がある。それなりに設定値は大きくする事を推奨する。
![](https://assets.st-note.com/img/1643297138196-io70maoxny.jpg?width=1200)
製作費
総額約450円
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フロントパネル 100円
オペアンプ 90円
可変抵抗 100円(25円*4pcs)
ジャック 24円(8円*3pcs)
他、下記リンク参照
オペアンプ、抵抗、コンデンサ、LEDという非常にシンプルな構成。
抵抗値はE6系から採用することで、部品の入手性の良さも意識した。
ハードウェア
![](https://assets.st-note.com/img/1642957220667-18yuM6QcDU.jpg?width=1200)
基本構成
シンプルな機能の回路の組み合わせで出来ている。
入力直後のオペアンプで信号を増幅する。
次のオペアンプは全波整流回路で、負電位の信号を折りたたんで正電位に変換する。
次のオペアンプはバッファ、全波整流回路のインピーダンスを無効にする。
次のオペアンプはピークホールド回路で、エンベロープカーブを作り出す。
残りの2つのオペアンプはINV OUT(反転出力)と、LEDの点灯に使用する。
LEDの点灯はオペアンプを使用しなくても実現できるが、オペアンプが余っていたため使用した。
![](https://assets.st-note.com/img/1643297233299-rUwfL9DXTb.jpg?width=1200)
ピークホールド回路
アタックとリリースの制御でエンベロープカーブを作り出す。
CRのローパスフィルタの抵抗値を変えることで、アタックを制御している。
ローパスフィルタのコンデンサの電荷を抜く抵抗値を変えることで、リリースを制御している。
1N4148のダイオードは、ローパスフィルタの電荷が抜ける経路を遮断するために設置した。
1kohmの抵抗は、ATTACKの抵抗値が0の時に電流を制限し、オペアンプの過負荷を防いでいる。
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