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幸せの国フィンランドの「幸せの正体」を現地から感じてみて①

フィンランドで暮らしながら、日々感じたフィンランドの「幸せの正体」、それを忘れないうちにばばーっと、書き溜めるノート。

9月後半、今年は例年より秋の進行がゆっくりなヘルシンキ。

やっと木々の上の方が紅葉してきた。

しかし、気温はまだ17度前後。薄手の長袖ごしにあたる外気がなんとも心地良い。

そんな中、今日は仕事でクーシヤルヴィ(Kuusijärvi)付近の公園をハイキング。

公園の奥の方のファイヤープレイス(自由に使えるBBQ場)で、フィン人のおじ様と出会った。

そこで「あ、これがフィンランドの幸せの一つだ。」と勝手に、妙に納得した時の話。

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国立公園のファイヤープレイスは大体自分で薪を用意すれば、誰でもいつでもBBQができる。(乾燥による森林火災注意報は要チェック!)

このKuusijärviの公園は、ある程度の大きさの木が薪小屋に用意されていて、それを自分で裁断し、斧で割れば、お気軽にBBQができる。私はツアーのお客様といつものように薪を作って、ファイヤープレイスまでは運ぼうと階段を登っていた。

そこで上から1人おじ様が降りてきて、「あなたたちもBBQ?私も薪を持ってくるからまた後で^^」と。

おじ様は、いかにもハイキングです!というよりも、普段着なんだなとわかるくらいに馴染んだ襟付きシャツをチノパンに合わせたおしゃれおじ様。

それはさておき、私たちが準備をしていると、あっという間に薪を作って戻ってきたおじ様は、これまたあっという間にファイヤープレイスで火を起こしてくれた。良い炎になるまで、みんなで火を見学しながらおしゃべり。

車で20分ほどのところに住んでいて、フィンランドのどの辺のご出身で、お子さんがヘルシンキで勉強されていて、、、などたくさん話してくれた。

そうこうしているうちに炎が良くなってきたので、フィンランドBBQの定番「makkara(マッカラ)」という大きなソーセージを準備する。

待っている間に来たもう1人のフィン人お兄さんも一緒に準備。カバンから、それぞれみんな自分のマッカラを準備する姿にほっこり^^

マッカラを焼くには、それ用のグリルスティックを使う者もいれば、その辺の枝を削って炙ってそれ用のスティックを作る者も。もちろんおじ様は即興でスティックを作ってた。

ファイヤープレイスは土管を半分に割ったような大きさの丸い台で、その周りで、マッカラ片手にみんなで火を囲む。

ちょっと高台にあるファイヤープレイスからは、Bisajärviという湖のナイスビュー。

炎を見ると出るなんとか波の影響なのか、マッカラを焼いている間はみんな無言。薪の燃えるパチパチ音とマッカラから出る肉汁のジューっという音が、屋根に響く。

あちっ、あちっ。と言いながらそれぞれのタイミングで熱々のマッカラをたべる。

マッカラの後、おじ様はカバンから小ぶりのシナモンロールやその他のパンをつめたタッパーを取り出し、一口シナモンロールを食べた。

お兄さんは缶ビールをプシュッと。私たちはカレリヤパイをパクリ。

一つの火を囲みながら、好きなものを好きなタイミングで食べる。

もうちょっと火を大きくしたければ「薪を足すね」と言って薪を足す。

炎で手を温めたければ手をかざす。

その場を離れるタイミングも自由。最後まで炎(ファイヤープレイス)を使用した人が消火処理をする。それだけ。

「じゃ、私はまだハイキングを続けるから、後の時間も楽しんで。」と言っておじ様は去り、「Kuusijärviのスモークサウナは僕も好きだよ、楽しんで。」とお兄さんも去っていった。

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…これだな、となんだか自分で妙に納得。

「自然に自然を楽しむ」。

なんというか、自然を楽しむことが「作られた楽しみ」ではないということ。

これはきっと、私が東京23区出身だから特に感じることなんだろう。日本では、BBQするのには大体予約がいるし、隣のグループに音や匂いを配慮したり、また施設からのそういう注意事項もたっくさん読まなきゃいけない。ハイキング行こうと思っても、紅葉の時期じゃないしとか、ちゃんとしたハイキングの靴やバッグ持ってないし、1人でこんな格好で行ったらちょっと違うかな、、、とか考えたり。

ここで言いたいことは、日本のディスりではない。上記のことが日本の気候や土地柄に沿って考えられた安全策だということは承知しているし、利用する際はもちろん従う。

言いたいのは、フィンランドの自然の楽しみ方は、本当に、息をするように自然を楽しんでいるということ。

おじ様のように、休日を1日丸っとつかって国立公園に1人。襟付きシャツでリュックにはマッカラとマスタード。紅葉が始まりかけの森でハイキングの合間に1人でBBQをしながら、見ず知らずの日本人とおしゃべり。この公園にはよく1人でくるのだそうだ。

その他にも、この時期になると、きのこ狩りのために木のかごを持って公園のそばを歩いているフィンランド人をよく見かける。夏の時期はベリーを積むためのバケツを持ったおばさま、釣り道具を持って自転車に乗る青年、冬はスキー板を乗せた車、ソリで移動する親子。

首都ヘルシンキでさえ、トラムでちょっといけばヘルシンキ中央公園という大きな公園で大自然を味わえる。(野性の鹿の目撃情報も。)

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こんな感じで、自然が身近にあるフィンランド。生まれた時からそれが当たり前の環境だけど、それを当たり前で片付けず、文化として日常的に楽しんで、自分の幸せの時間として捉えられているフィンランドが素敵だなと思う。

「自然」

これは間違いなく、幸せの国フィンランドの「幸せの正体」のひとつだな。

そんなことを思った、とある1日でした。

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そして、もしよければ、私のやらせてもらっているツアーはこちらからご覧になれます。「フィンランドの休日」をテーマに現地1日ツアーをやっています。ヘルシンキにいらっしゃる際はぜひ^^


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