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Weibo、Wechat、RED?いやいや、ショートムービーでしょう(3)

↑↑↑↑前回の続き↑↑↑↑↑

ソフト・ハードウェアのバージョンアップがもたらす消費者の行動変化

改革開放前は、中国人にはお金が無く、またITインフラが整っていなかったので、1950~1960年世代はテレビコマーシャルや雑誌書籍が情報取得の源泉であった。1970~1980年世代はインターネットとともに消費行動は変化してきた。ポータルサイトが少しずつニュース類メディアを代替していき、その後に出現したWeiboが紙やテレビといった既存メディアのポジションを奪っていった。

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そして1990年世代は、スマートフォンを中心に生活をしている。彼らがWechat、Bilibili、斗鱼(Douyu)などの主要なユーザーである。情報やコンテンツ量が爆発的に増加し、有名だから○○がほしい、ではなく、「自分にとって」や好みのモノを様々なコンテンツを探して選別し、ニーズが多元化した。コンテンツを探す「ツール」として、それに伴いサービスも多元化したのもこの世代のニーズに合わせての自然な成り行きである。

そして2000年世代は、スマートフォンを中心とした生活を送っているが、彼らが1990年世代と特徴的に違う点は、必要なものやほしい情報を「自分」で探すのではなく、AIによるレコメンドやプラットフォーマーから最適化されたコンテンツを情報の取得源としていることである。彼らにとって、アプリやプラットフォーマーは自分たちで情報を能動的に取得するための単なるツールではなくインフラだ。

極端な話、彼らはSNSのインフルエンサーを見て好きになってアカウントをフォローするというこれまでの行動形態では無く、AIを信頼しAIからレコメンドされ続けたSNSアカウントがたまたまそのインフルエンサーが多かった、ということになってきている。彼らのコミュニケーション相手はインフルエンサーそのものではなくAIがコミュニケーション相手であり、AIというインフラを通したコミュニケーションによってレコメンドされたインフルエンサーのコンテンツを見ているのだ。これがTIKTOK中国版であるDOUYINや快手と2000年世代の特徴であり、「モデルインチャイナ」として世界に流通させているプラットフォームのエッセンスである。

趣味嗜好の多様化による中国SNSの多元化

外国人にとって中国の印象と言ったら「広大な国土をもった国」という印象があると思うが、実はこの「広大」さは、多くの経済問題を引き起こしている。最も典型的なのが、中国改革開放の当初のスローガンである先富論だ。(让一部分人先富起来,先富的人带动后富的人---邓小平)

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実は中国は多数民族国家であり、言語も方言レベルではなく複数あり価値観も当然様々だ。そして、資源配分を均等にできるわけではないため、経済発展も均等ではなく計画的に優先順位をつけて行う必要がある。そのため、中国でビジネスをする際は、エリアマーケティングの概念をWebにおいても持つ必要がある。中国全土すべての国民に喜んでもらえるWeb上のコンテンツなどは存在しえない。

10年前の段階では、ベンチャー経営者は概ねターゲット消費者を北京上海広州など沿海部の大都市ユーザーだと定義していた。しかし、中国の経済が発展し沿海部の経済も落ち着いた成長フェーズに入った2010年代後半の現在は、むしろ沿海部ではなく2級3級都市の消費能力が大幅に上昇し、中国国内企業はマーケットエリアについて深く考え直すタイミングを迎え、その結果限られた地域をターゲットとしてビジネスを展開するパターンが多く増えてきている。

その典型例として快手、拼多多(PDD。新興ECプラットフォーム)があり、彼らは沿海部をターゲットとしているのではなく、今まさに急成長している内陸部の需要にフォーカスを当て、商品・サービス・コミュニケーションを変えてアリババ・テンセントとは違うフィールドで戦っている(既に上場済み)。

なぜ短編動画が消費者を影響する主流となったか? 

あと一ヶ月で2020年に突入するが、今中国において流行しており、かつより長く消費者の可処分時間を占めているメディアプラットフォームといえば、この順である。
第一クラス(AIベースのショートムービーSNS):抖音、快手、淘宝ライブ
第二クラス(文字ベース・従来のSNS):ウェイボー、Bilibili、レッドブック
第三クラス(動画配信・共有プラットフォーム):各動画プラットフォームIQIYI,YOUKU

QuestMobile社が提供したデータによると、2018年6月までに、総可処分時間内のショートムービーの使用時間は昨対比で6.6%上昇し、8.8%にまで上がった。第三クラスのプラットフォームのシェアに急速に接近し、プラットフォーム別使用時間第3位のジャンルとなった。

一方、各ユーザー層の使用時間を占めるTOP5を調べた結果、2017年にはランキング外であったショートムービーは、2018年では一躍2000年世代及び田舎地方の20代に対してTOP2のプラットフォームとなった。30代でも第3位にランクインしている。

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(つづく)

概要
1.日本企業が失ったモメンタム
2.2010年代中国ネットにおけるメディア概論
  Weibo
  Wechat
  BiliBili
  toutiao
  douyin
  kuaishou
3.なぜ中国経済で劇的な変化が生まれているのか? 
4.ソフト・ハードウェアのバージョンアップがもたらす消費者の行動変化
5.趣味嗜好の多様化による中国SNSの多元化
6.なぜ短編動画が消費者を影響する主流となったか? 
7.将来予測および日本企業のメディアチャンス
8.日本企業が中国では太刀打ちできないのか?
まとめ

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