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中国ショートムービーは好機到来(1)

この文章のまとめ

・中国ショートムービーは成長期前夜で今が参入のタイミング
・スマホ4G・5GやAIなど技術進化がメディアのトレンドを作る鍵
 ・中国展開を目指す日本企業も、日本国内のメディア展開を模索する日本企業も、中国ショートムービー市場には注目すべき

はじめに

中国のモバイルインターネット市場の発展に伴い、前回お伝えしたとおりショートムービーが新たな盛り上がりを見せている。

消費者にとっても、ショートムービーによってこれまでとは時間の使い方が大きく変わってきている。ショートムービーコンテンツおよびDOUYINや快手といったプラットフォームがAIによってキュレーションされる「モデルインチャイナ」と呼ばれる時代になり、人と人とをつなぐ役割として始まったソーシャルメディアは、そのあり方を大きく変えようとしている。 

10年前のWeibo到来時のように、中国におけるショートムービープラットフォームを軸としたSNS新時代がまさに今、生まれようとしている。

2011年~2019年ショートムービー業界まとめ

2011年3月、快手(KUAISHOU)はショートムービーの前身である「GIF快手(KUAISHOU)」を発売し、GIFの特徴である無音声のショートムービー作成アプリ「GIF快手(KUAISHOU)」を開発した。これが中国国内で初のショートムービーアプリとなる。
2012年11月、「GIF快手KUAISHOU」は、GIF作成アプリからユーザー同士のコミュニティ機能を強化し、コミュニティプラットフォームへと進化。
2013年、Weiboは秒拍、テンセントは微視という名のショートムービーアプリを相次いで発表し、中国IT大手が一斉にショートムービーアプリ市場に参入することとなった。
2014年以前は、モバイルITの波を受けて主要なプラットフォームはショートムービーアプリを模索し始めた段階であったが、まだ市場も整備されておらずユーザーニーズにマッチし切れてはいない状況であった。
2014年、スマホの4G回線が中国国内で広く普及し始め、ユーザーが不自由なく動画コンテンツを制作、配信、視聴できるようになった。この段階でユーザーのショートムービーコンテンツ制作がにわかにブームとなった。
2014年5月8日、「美拍(写真加工アプリの老舗である美図が開発)」がiOS版にてローンチされ、App Storeの無料アプリランキングのトップに躍り出た。
2015年1月、美拍のユーザー数が1億人を突破。
2016年、ショートムービーアプリ市場がブレイク。抖音(DOUYIN)、火山小视频、好看视频、梨视频が一斉にローンチ。
2017年、土豆、西瓜视频が相次ぎショートムービー市場に参入し競争が激化。
2018年、DOUYINや快手といったベンチャー系アプリが市場を牽引し、美拍や秒拍といった老舗や大手企業が後を追う形となる。この段階で中国IT大手にとってショートムービー市場は重要な市場であることが再確認され、また競争の仕方にも変化が現れる。
2019年、テンセントは20億ドルを出資して快手を傘下に入れ、中国版TikTokとなるDOUYINを開発したバイトダンス社は香港株の上場。現在の中国ショートムービー市場はこの2つのアプリによる対立が激化している。

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なぜ10年近く経った、今がチャンスなのか。

はじめに
(1)2011年~2019年ショートムービー業界まとめ
(2)なぜ10年近く経った、今がチャンスなのか。
    モバイルテクノロジー進化がもたらすメディアトレンドの変化
    AIによる技術革新がトレンドの核心
    ショートムービー市場規模と一日あたりの利用時間
    ユーザーの動態変化によるスキマ時間の取り合い
(3)日本企業が考えるべき点について
    ショートムービーのルールとユーザー特性を理解する
    ブランディングとROI
    広告もコンテンツ配信もAIをベースに高精度化
おわりに

つづく


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