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やる!

甲子園でプレイをしてる面々。
どれだけの辛苦をなめたら辿り着けるんだろう。

高校野球の季節になると賛否両論、色んな意見が飛び交う。読むといつも苦しくなる。
選手たちの意見が身近にあるんだろうか。

我が子は高校球児だ。
この数ヶ月、彼の価値観が変わる程に悩んできたのを見てる。大人になっても自分を改める事、自分の悪い所を認めるのは辛い事だ。
でも、17歳、ただの野球好きの息子が、ただ野球が好きだと言うだけで乗り越えた。

一年の秋からずっと背番号をもらい、先輩について試合に行っていたメイ。自分の代の新体制ではキャプテンを諦め、副キャプテンも却下され、新体制最初の練習試合では、2試合目の途中出場がスタートだった。それでも、腐らず、精一杯声を出し、丁寧に野球をした。

今まで天狗だった自分を、そのせいで仲間を顧みなかった自分を、そのせいで監督からの助言も聞かず自分の世界観だけで野球をしてきた自分を、全て受け入れて進化しようと決めた姿。
中学までの真面目さと優しさを取り戻して、高校で手に入れた技術を駆使してプレイしていた。

「久しぶりに母さんの好きなキャッチャーだった」とLINEした。「楽しかったー」と返ってきた。

7月後半、どん底から始まった新体制だと周りには見えたかもしれない、でも、メイにとっては自分らしさを取り戻せた意味のあるスタートになったんじゃないかと想像する。

9月秋の大会ではスタメンだった。
強豪私立と当たり3回戦で負けたが、皆で泣いたと聞いた。

甲子園が高校野球だと思ってきた。
でも、甲子園の前に沢山の高校球児たちの高校野球は終わっている。甲子園で闘う前に直面する自分との葛藤と成長、それこそが甲子園を目指す意味だと感じる。
その上で、甲子園の土を踏めた選手たち。
どれだけの辛苦を舐めてきたんだろう。

強豪私立でも、名のある公立でも、弱小と呼ばれる高校でも、やる!と決めた球児たちにとって、甲子園前後に語り合れる話はどんなふうに響いているんだろう。

ただ、やる!と決めること。
それが、どれだけの覚悟が必要なのか。
私は息子に教えてもらった。

#高校野球を語ろう

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