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「Alive」カンボジアフェスティバル備忘録

こんにちは、カンボジアシアヌークビル在住のそくあんです。


2024年5月3日から4日のゴールデンウィーク期間に、東京代々木公園のイベント会場で、第8回カンボジアフェスティバルが開催されました。実は、私は一時帰国して、Aliveメンバーと一緒に出店しました😀


第8回 カンボジアフェスティバル


Cambodia Festival公式ページ

初めましての方、Aliveとはなんぞや。
Aliveについて書いてますのでよければ一読を。



カンボジアルーツを次世代へ


文化継承と日本社会との独自の文化融合を表現!!

私は日本に長く住んでいましたが、両親が忙しかったこともあり、自国の文化を知る機会や触れるきっかけがほとんどありませんでした。
正直言うと自分の国が嫌いな幼少時期もありました。しかし、カンボジアに移住し8年経ちまして、違う視点から見ると、印象が変わり、今まで感じることのなかったカンボジアの原風景の美しさや文化、音楽、クメール料理の奥深さに触れるたび、心が幸せになります。
カンボジアの魅力を次世代に伝え継承し、個人が持つ最大限の可能性を開花させサポートしたりリードできたらいいですよね。


Aliveの意味



Aliveとは「生きる」という意味ですね。

任意団体[Alive]は2022年に開催されたKimhak「生きるIV」をきっかけに、カンボジアルーツを持つ異なる世代背景の女性3名により結成。日本に住むカンボジアルーツを持つ人々が「自分らしさ」を大事にすること、また難民として移住してきた人々やその家族のウェルビーングについて考え、当事者の視点でサポート活動をリードすることを目的としてます。日本に住むカンボジアルーツを持つ若者が、自らのルーツを誇りに思い自分らしさを最大限に開花できる未来を目指して活動しています。

About us

立ち上げ当初は女性3名でしたがその後は運営活動に新たな3名が加わり6名で活動してます。これを皮切りにカンボジアルーツを持つ次世代が共感し活動に参加してくれたら嬉しいですね。


カンボジアフェスティバル準備


カンボジアフェステイバルの準備から当日の様子を写真で振り返りましょう。
私たちはB-13 2ブースで出店。
はじめての出店なので事前準備に漏れがないか仲間と当日まで取り決めをします。

ブースディスプレイのこと、私たちの活動趣旨の確認、カンボジア舞踊ワークショップ、カンボジアについてのクイズ大会や備品購入の有無の確認や諸々。
みんなが持っているアイディアを全て共有し一つの形にしていきます。


ブースディスプレイはクローマーをクルクル巻いて見たらどうかな?という仲間の提案がドンピシャ可愛くて!!即採用です。
こんなオシャレな使い方があったなんて目から鱗!」
隣には「Alive Diaspora あらいぶ でぃあすぽら さろん」の活動出店名を掲示。ところで、Diasporaという言葉は聞いてことありますか?

[ディアスポラ Diaspora]



特定の民族や文化的集団が故郷を離れて広範囲に散らばることを指します。
現代では様々な民族やコミュニティが政治的、経済的、戦争などの理由で本来の移住地を離れて他の地域に移住する現象を指す用語として使われます。

そして、カンボジアの人々のDiasporaとは、カンボジア人が故郷を離れ、他の国や地域に移住して生活することを指します。
例えば、あるカンボジアの人が日本に移住した場合、彼はカンボジアの出身者でありながら、日本に住んで暮らすことになります。この人はカンボジア人のDiasporaの一部となります。すなわち、当事者の私たちの場合はポル・ポト政権下のクメールルージュによる恐怖政治や内戦から逃れるために1970年代後半から1980年代にかけて世界に移住をしてます。アメリカ、フランス、オーストラリア、カナダ、もちろん日本も含まれます。
もし、このカンボジアの人が日本に移住する理由として、働くために日本に来た場合、例え話で説明すると、彼は日本に行ったことで新しい仕事の機会を得ることができるようになった、と言えます。
Diasporaは人々が故郷を離れ、他の場所で生活することを表していますが、それぞれの人や集団が異なる理由や目的で移住することもあります。移住先で新しい文化や習慣に適応する必要があるため、その過程でさまざまな困難や喜びがあることも理解できるでしょう。カンボジア人のDiasporaも同様で、彼らは異なる国や地域で新しい人生を始めるために、故郷を離れる決断をします。
それが私たち「Alive Diaspora」

仲間の多くはKim Hak氏のAlive写真展プロジェクトで数年ぶりに再開し絆が深まったのですよ。日本にいながらも生活する地域が違うこと、接点がなかったこと、お互いに忙しく自然とコミュニティから遠のき大人になってしまいました。

「Alive」が私たちを再び引き寄せたと信じてます。
難民として移住しこれまでに経験した苦悩や苦難、喜び、言葉はなくとも、多くを語らなくとも、お互いの人生がどれほどの険しい道だったのかわかります。

仲間で一つの活動を継続して行う過程で、各々が抱くイメージを人に伝えることは難しくて大変ですが、このように可視化した図があると共有しやすいね。

こちらは静止画ですが立体的に動く動画も仲間が製作してくれたので、
非常にイメージしやすい。
このブースに集まる方同士の交流の場になるといいよね。


全体ブースのディスプレィはこんな感じ!!
クルクル巻いたクローマーの使い方がオシャレだったのか、行き交う人たちの足を止め、みなさん手に取る姿がちらほら。
購入できますか?と聞かれたので来年は販売してみる?w
そして手前はハヌマーンの衣装を着たゆうとくん。未来への可能性をもつ次世代として大いに活躍してます。
私の両サイドにはAliveをずっとサポートしてくださるRei foundation代表のれいこさんと古き良きカンボジアの原風景や人々を被写体に撮影し物語を紡ぎだす写真家アーティストのKim Hak氏。

左側のブースは美術や建築の展覧会や、美術家・建築家の作品集などのグラフィックを主軸に、広告・シンボル&ロゴタイプ・装丁・エディトリアル・パッケージ・WEB・UI・サイン計画などを手がける林琢真さんがオシャレなクローマーのディスプレをしてくださりました。とても素敵な方でした。
「Alive IV」 の書籍販売と今秋に開催されるKim Hak 氏の写真展「MY BELOVED」のご案内のフライヤーを置いてます。

書籍はこちらで購入可能。

https://images.app.goo.gl/yfeDJbd58nUCTKZVA

林さんのデザイン事務所のURLですね。


「MY BELOVED」写真展

新しい世代が希望と夢を持つ持つことができる大地を巡る写真の旅。

Kim Hak氏が写真家として専念し始める2003年から7年間、旅行業界で働きながらカンボジアの各地を旅しメコン川沿い、トレンサップ湖周辺、首都プノンペン、南部の海へ行き海岸沿いの州も訪れて、様々な風景を記録してます。
カンボジアの変わり続ける風景の中に、自然、人の営み、時の流れによって作られた普遍的で穏やかな美しさをぜひみなさまに観ていただきたいです。

日にち:2024年11月2日-17日まで開催
場所: Bank ART Station 
入場:無料

Bank ART Stationはアートとテクノロジーが融合する最先端のクリエイティブスペースとして次世代のクリエイターが集まる場所でもあるようですね。
気になる!

https://www.bankart1929.com/venue/station/index.html


Gallery+Shop
みなとみらい線 新高島駅地下1階
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5-1
新高島駅地下1F

Kim Hak.com

Kim Hak氏の作品がこちらで見れますので気になった方はぜひ。


SNS経由でAlive活動やカンボジアフェスティバルの出店を知り、立ち寄ってくださった男性の方は書籍を購入し私たちのこれまでの歴史や過去、現在、活動のこと、親身に耳を傾けてくださいました。ありがとうございます!!

カンボジアフェスティバルのもう一つの楽しみ方はステージの催し物ですね。

カンボジア舞踊団や在日カンボジア留学生協会による伝統衣装のファッションショー、クメール文化芸術を継承するためにカンボジア童謡や伝統楽器で音楽を奏でたりとそれぞれの出演者による素敵なパフォーマンスがありました。


そして私たちの仲間でもあるJetSettによるステージを紹介。

カンボジアにルーツを持ち日本で生まれ育ったJetSettはラップや歌を織り交ぜ型に囚われないスタイルで楽曲を製作しています。
主に湘南平塚を拠点に活動中とのこと。
2024年4月20日に最新アルバム「Lagacy of JetLife」がリリース。

次世代の若きアーティスの活躍が楽しみですし、彼の音楽を聴いた人たちに
熱い想いが魂に届くことを祈ってます。


そしてAliveブースでは両日に「カンボジアクイズ大会」も実施しました。
ハヌマーンの衣装をきたゆうと君が定刻まえに会場内のお客様へ声を掛けてクイズ大会に誘導します。みんな、来てくれるかな。

子どもたちのクイズは比較的簡単!!答えられるかな。
答え方式は「⭕️」「❌」のみで、大人向けは3択式でした。

子ども向けのクイズ内容はこんな感じ。

  • カンボジアでは日本と同じ、冬に雪が降る地方があるか。

  • カボチャはカンボジアから持ち込まれたという説がある。

  • カンボジアにはイルカがいるか。

  • 日本とカンボジアには時差があるか。

大人向けのクイズ内容は、

  • 有名なカンボジアレストランの名前にもなっている「アンコールワット」ですが、アンコールワット遺跡群のある都市はどこですか。

  • カンボジアの公用語は何?。

  • プノンペンにある独立記念碑はカンボジアが何から独立した記念に建てられたか。

  • 去年2023年はカンボジアと日本の交友関係樹立何周年でしたか。


それぞれのクイズ難易度はどうでしたか、カンボジアマニアなら簡単だったかな。
会場内のステージから音楽が流れ質問者の声が聞き取れず急遽、紙で作ったスピーカーで拡声します。みなさん、聞こえますかー!?

なんと、クイズ正解者には賞品もご用意してるんですよ。
快くご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。

🔴カンボジアエスニック料理/アンコールトム


住所:東京都町田市原町田6-11-14 菊甚ビル 3F 
営業時間: 11:00-15:00/17:30-21:00
定休日:水曜日(祝日を除く)

国費留学生として来日したものの、祖国の情勢が悪化し帰国できなくなったセタリンさんは難民として日本に残ることに。
1985年に「アンコール・トム」を開店させレストラン経営の傍ら、通訳の仕事や、大学の講師、ご自身が代表を務めるカンボジア支援団体の運営もしてます。

笑顔が可愛いらしい店主のペン・セタリンさん。

カンボジアのお母さん達が愛情込めて作る本格的なクメール料理を提供してます。

🔴YOYOGI TOKYO 1982/Angkor Wat


住所:東京都渋谷区代々木2-11  新宿マインズタワーB1F 
営業時間: 11:00-14:30/17:00-22:00
定休日:日曜日


2024年3月中旬。
所用でプノンペンに滞在した時、偶然にもアンコールワットレストラン経営2代目のタツヒコさんにお会いしましてご挨拶をしました。
カンボジアで胡椒栽培もしているとか。気になりますね〜。

🔴日本一多国籍なお肉屋さん/肉のユーダイ


住所:神奈川県平塚市横内3785-4 
営業時間: 9:30-19:30/日曜日は18:30閉店
定休日:木曜日


肉のユーダイは1977年(昭和52年)創業し湘南平塚地区にお店を構えてます。
取り扱いする商品として、牛・豚・鶏肉はもちろん内臓なども豊富にご用意してます。主に、食肉の小売販売/食肉の加工卸/総菜販売/輸入食材販売も行ってます。
私が日本に住んでた時、週末になると両親とよく来たことを今でも覚えてます。

カンボジア古典伝統舞踊


私たちはカンボジアの古典伝統舞踊ワークショップも行いました。

1975年から4年間続いたポル・ポト政権下で舞踊教師や踊り手は王室に関わるものとしてその九割が殺されてしまったとのこと。政権崩壊後の1980年、生き残った舞踊関係者が芸術学校と政府の芸能局で舞踊復興に取り組み始め,
またアメリカやカナダ、フランス、日本などの諸外国に渡ったクメール系ディアスポラが独自のコミュニティを立ち上げてます。
その中でもアメリカに定住した若者が古典伝統舞踊の復興に取り組んでいるのは世界的にも有名で、
例えば、世界的に著名なロバム・ボラン指導者のソピリン・チアム・シャ ピーロ(Sophiline Cheam Shapiro)、カンボジア初ゲイ男性古典舞踊団創設者 のプルムソドゥン・アオク(Prumsodun Ok)などを挙げることができます。

実はインドシナ難民を多く受け入れた県営いちょう団地近くで古典舞踊の教室を開いている先生がいまして、その中にAliveメンバーもいます。


二日間のカンボジアフェスティバルは無事に終わりまして集合写真を。
改めて遠方よりお越しいただいた皆様に感謝申し上げます!

私たちの活動によって若者世代が自分たちのルーツを誇りに思い、日本でカンボジアの伝統や文化を再生・継承しコミュニティに還元し、
幼少期や適齢期に来日し心の支援が不足していた時代を経験した、世代による日本社会での生きづらさや、文化が異なり親世代とのコンフリクト経験を語り継ぐことで今、自分のルーツによるアイデンティティ揺らぎに悩む若い世代の不安を解消したいですね。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
SOKOEUN




カンボジア、時に日本。 知らない世界を学ぶのが好き。カンボジア南部海辺街のシアヌークビルで暮らしてます。旅行本にはけして載らない情報を発信できるようにします。 珈琲一杯分で結構ですので、皆様の暖かいサポートをお待ちしております。