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通訳に徹する=忍耐

今日は通訳としての初仕事でした!が!出来なかった…!私通訳じゃなかった…!頭の使い方以前に、立場をわきまえず、使うべきスキルの切替えも出来ていなかった自分を反省しました。あぁ、色んな意味でリピート受注は無いかもしんない…。

今回のお仕事は、クライアントのオンライン打合せに同席しての逐次通訳でした。事前にトピックも共有していただき、先方についての予習もしたし、それほど難しい話にはならないと予想していたのですが。

そもそもアポイントの15分前になっても接続先の情報が来ない!アプリこそダウンロード不要のものと分かってはいたものの、初めて使うアプリだし、初仕事だし、その為に今日は本業を時差出勤までして余裕を作っていたのにこれは焦った。

3分前にやっと「こちらです。入れますか?」と情報が送られてきた。いや、ずっと待っていたから入れるけども。カメラは反対向きだし(WFHで仕事掛け持ち中の机は常にカオス)、マイクテストもしたかったし…とか思っている内につながってしまい、先に先方に話しかけられ、また焦る。

クライアントと先方もメール以外で話すのは初めてなので、「えーっと」とお見合い状態で。もうこの時点で、いつもの仕事の方のスイッチが入ってしまったのです。私が何とかしなければ!みたいな。今日の私はクライアントの陰に隠れる人のはずだったのに。

相手先の担当者がまずは、と話し始めたはいいけれど、いきなり聞いていたトピックと大分ずれている。しかもすごい早口英語だし、恐らく通訳有りの会議に慣れていないのか一気に沢山お話になる。ちょっと待って。話が全然見えないのですが。

とりあえず聞いたままを訳してみるが、当然クライアントも困惑。何ターンかを経て、今日話すトピックはそもそも先方に伝わっておらず、この人はその担当者でもないことが判明。何だそりゃー!!どうやってアポまで漕ぎつけたのか逆に疑問!

もうこれGoogle翻訳の功罪だと思う。本来は人の助けがなかったら来られないステージまで来てしまってから実は意思疎通ができていない事に気づくという。誰でもボタン一つで英語を理解できるようになった裏で、こういう混乱は増えていそう。

そのやり取りの中で、無意識に自分が質問や発言をしてしまったし(昨日、通訳は黒子だから聞き返さない、って言ったのは私です)、クライアントが有利になるようにセールスしてしまった。私はクライアントの営業マンじゃなかったのに。あぁあああダメダメだぁあああ。

私の本業が、クライアントの課題解決が最短距離で出来るようサポートする、というお仕事なので、視点は常に「クライアントの最終的な課題」に置かれているし、解決までクライアントと二人三脚なのです。でも、今日は通訳だったので、視点はもっと手前の「言葉の壁を取り除く」という所にしか置くべきではなかったはず。そこから先はどうなろうがクライアントが主体。まだ信頼関係があるわけでもないのに出しゃばってしまった…

だって、すごーく噛み合ってなかったんだもん。私だけが早い段階でこの打合せの行く末に気づいてたんだもん。でも、こうだったな、通訳って。と、また少し思い出しました。ずれている議論をただ見守りながら、どちらかが軌道修正してくれるのを待つしかないんだよな…。そこに通訳自身の思いを挟んではいけないのです。もどかしい!忍耐が必要なお仕事です。

次回また呼んでもらえることがあれば、今回の反省を胸に通訳したいと思います。


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