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天与呪縛の文脈ギフテッドだったかもしれない

呪術廻戦を見ていると、「縛り」という概念がたびたび登場する。

自らに「縛り」を課して特定のデメリットを受け入れることで、同等のメリットを得て能力を上げるという戦い方があるらしい。

たとえば脱サラ呪術師の七海には、「時間外労働」という時間による縛りがある。定時までは呪力(簡単に言えば、強さ)を90%程度に抑える代わりに、定時を過ぎると呪力が120%程度にアップするのだ。

なにかと引き換えになにかを得る。とてもシンプルで受け入れやすいルールだ。

ところで、私は自分自身のとある弱点に最近になって初めて気がついた。それは、聴覚認知力が異常なまでに低いということだ。

聴覚的認知とは
耳で聞いた情報を処理・理解する能力のことで、「音を聞く」、「音の違いがわかる」、「多くの音の中から音を聞き分ける」、「言葉がわかる」、「話を聞きながら要点をまとめる」ことを言います。

「認知機能の見える化プロジェクト」より引用(https://cogniscale.jp/function/auditory-perception/#:~:text=耳で聞いた情報,まとめる」ことを言います%E3%80%82)


私はとくに音の違いの判別や多くの音のなかからの聞き分けが苦手で、よくよく考えてみるとたぶん本当になにも聞き分けられていないのだと思う。

1単語のみ放送されるリスニングテストでは、"my"を"fa"と聴き取った。まるでなにも合っていない。

曲を聴いていても、ボーカル以外の音はよくわからない。音楽に詳しい人は「ここのギターのカッティングがいいよね!」なんて言ったりするけど、私には渾然一体となった音の塊にしか聴こえないので、なんの音の話をしているのかまったくわからなくて悲しい。

それでも、自分の聴覚認知力が低いことに今までは気づいていなかった。実際的に困る場面があまりなかったからだ。センター試験やTOEICのリスニングテストは満点だった。


聴覚認知力の低さに気がついたきっかけは、同僚と電車で一緒になったことだった。

この電車の走行音がかなりうるさくて相手の声がかき消されてしまい、同僚の話が8割くらい聴き取れなかった。ただ、会話はちゃんと成立したのだ。

あれ、そういえば、ぜんぜん聴こえなかったのになんでわかったんだろう。

同僚と別れてからふと気づいた。考えた結果、発覚した。

私は、聴覚認知力を極限まで下げるという縛りを自分に課すことで(課した覚えはないけど)(ということは天与呪縛か)、文脈による推測力を格段に強化していたのだ。

今までの人生で実は人の話がぜんぜん聴こえていなかったからこそ、人と話すことが毎回「文脈から判断して会話の見当をつけるトレーニング」に自然となっていて、文脈による推測力が爆上がりしていたのである。

だから文脈のない単語だけのリスニングテストは解けなくても、センター試験やTOEICのリスニングテストは文脈があるから解ける。

私は突然話しかけられるのが苦手なのだが、これもきっと文脈がないからだ。せっかく話しかけてくれた人に対して何度も聞き返してしまい、イライラさせてしまったことが今までに何度もある。

語学に関しては、リスニングは文脈で乗り切れるけど発音はそうもいかない。認識すらできてない音を口から出せるようになるのか。たぶんならない。

まずは音を認識することからだと思って、数年前にこの本を買った。この『英語耳』のおかげで私の英語の発音はたぶん少しだけマシになり、なんとか理解してもらえるようになった。

楽器をやってみたいと思ったこともあるが、それはたぶん無理だろう。



みなさんは、どんな縛りでなにを強化していますか?

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