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創詩 9

広大なる生命の大地にわけ入り

その体軀たいくより発せしところの、相通あいつうずる尊厳の光は、

友と友とを結ぶ原点のありかが何処いずこにあるかを示す

家々の灯火は、その営みの平穏へいおんなるを願う祈り

ああ今日も、その顔にまじりけなき輝きをたたえ、友好と励ましの労作業は歓喜の躍動となって続きゆく

小窓よりもれた笑い声に安堵あんどし、平和を願って進める一歩一歩は、ささやかなるも黄金おうごんなる人道じんどうの歩み

心の扉を旧知きゅうちの親しさでたたき、開くも開かざるも笑顔に包んで、友の間口に見えざる贈り物を残す

花々のかすかな香りに導かれる日がある

雨のしずくが頬をつたう夜がある

暑さに足を止め、しばし天をあおぐときもある

葉々の彩りが鮮やかに肩に舞降る午後がある

寒さに襟を立て、道急ぐ季節もある

白銀の風に、窓の外を見つめ、腕を組む朝がある

その背中には、知らずのうちに春夏秋冬の年輪が刻まれている

行き交う幾筋いくすじもの道を、結び合わせるように人と人とをつなぎ、その心と心のす生命の結合と連帯は、老若男女を超えて、いつしか国土を友情という名の大輪たいりんで飾り、無力に泣いた一人をして勇気と希望のもとに立ち上がらせ、不屈の前進あらしめんとする

今日も心で君を待っている人がいる

心ない言葉のつぶてなど恐れることはない

会えなかった君は、今日は笑顔であった

その至誠しせいの連鎖と拡大が、歴史の潮流ちょうりゅうに語りかけ、時のしからしむる必然にいたるとき

万波ばんぱが時代を動かす

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