社会的人格と人間関係構築のはじまり

画像1

人の社会的人格形成は生育環境によって左右し、生れてから幼少期までの成長過程が特に関わる。という理論がフロイト派です。

その観点からわたし自身の幼少期を振り返ると、確かに当てはまる点があります。ピンポイントな出来事ばかりでなく、生れた時からそこにいた親や兄たち、親族と接する中で、呼吸のように自分の立ち位置を学習し、人格は育成されていったように思います。

幼少期の環境が人間の情緒に深く関わり、親やその他周囲の人々から愛情あるケアを受け自分の満足を満たしてもらえたかによって、健やかな愛着関係の構築が可能となり、豊かな自己愛や自己肯定感を持ち合わせた人格へと成長し、その頃より培われた家族との関係性が後の社会的役割や社会的人間関係の構築の土台となるとも理論づけられています。

またこれはユング心理学においての下層無意識層の話ですが、その過程での経験やその時の感情が著しくネガティブなもので、それらが自分を不安定にさせたり生きることへの脅威となる場合、自分を守るために潜在意識にしまい込みます。

先日自分の家族のひとりをテーマに創造療法でセルフワークを行った時、嫌悪感や怒り、殺意を含んだ憎悪などが現れました。そういったネガティブな感情を抱いている自分を許してこなかったからこそ、また外に出すこともしてこなかったからこそ、滞留し煮込まれた感情がマグマのように噴出したように思います。まずはその感情とその感情を抱いている自分自身をそのありのままに認め、受容しました。そしてそのように感じている自分と描画を通して対話し内省を続けました。

この時、なぜ?の分析や解決しようとする必要もなく、紙の上でクレヨンで気の済むまで感情や想いを表現することで、心は軽くなっていきました。発散ですね。また向き合う中で、内在するネガティブな感情や記憶は身体の痛みなどで現れることもありました。(ユング心理学では、下層無意識層は身体と密接に関わっているとされています)

わかっている自分という人間の範囲は想像以上に狭く、覚えていない記憶や感情が潜んでいて、理解の範疇を超えたそれらの影響も「わたし」を形作り人間関係にも関わっているのを感じます。

それらを感覚的に知ることで自己理解は深まり、自己理解が深まるほどに、自分を愛するということもよりできるように思います。

容易に問題視が可能となる家庭環境で育ってはいなかったとしても、家庭内や祖父母などの周りの人間関係による様々な影響を幼児の頃よりダイレクトに受け、それらの影響に沿って情緒が育ち、人格は形成され、自身の立ち位置や他者との接し方や繋がりの仕方を学習していきます。

大人になった私たちが自分の人格や人間関係の構築において変化を求める時、幼少期の記憶や経験と向き合うタイミングはいつか必要になると言えます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?