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5点【感想】格差固定 下流社会10年後調査から見える実態(三浦展)

オススメ度 5/10 (調査結果をまとめただけで、社会への提言が無い)

衝撃のベストセラー『下流社会』から10年――
日本は新しい「身分社会」に突入していた!

・下流43%。昭和35年並みになった日本
・上流は自民党、下流は無投票
・選挙権年齢引き下げは自民党の策略か?
・下流はテレビすら見なくなった!
・公務員は現代のお代官様
・タイムマシンで行きたい時代は「バブル時代」

出版社HPより)

▷基本データ

(かくさこてい かりゅうしゃかい10ねんごちょうさからみえるじったい)

【著者等】
 三浦展
(みうらあつし)

【出版社・レーベル】
 光文社

【読む前の独断と偏見によるジャンル】
 格差社会から階級社会への変動を証明する本

【その本を選んだ理由】
 比較的新しい格差に関する本やから

【貸出日・購入日】
 2020/12/5

▷感想

 この本は、『下流社会 新たな階層集団の出現』という本を2005年に書いた著者が、その10年後に日本が下流社会に向かったかどうかを次の2つの調査の結果を使い、検証したものやねん。


三菱総合研究所「生活者市場予測システム」
調査地域:全国47都道府県
調査対象者:20歳以上69歳以下の男女インターネット利用者
有効サンプル数:30,000
調査方法:WEB調査
調査時期:毎年6月
設問数:約2,000問
調査項目
◎生活構造
 〇個人属性、世帯属性
 〇所得(個人、世帯)
 〇資産・負債(個人、世帯)
 〇所属団体・友人
◎生活意識
 〇社会・経済・技術環境の認識
 〇政策評価
 〇生活価値観・暮らし向き
 〇分野別生活時間
 〇分野別ライフスタイル(食、飲酒、ソフトドリンクなどの飲料、ファッション、住、家事・家電、健康、美容、余暇・レジャー、教育・学習、仕事、家族、恋愛・結婚、老後〈リタイア〉、情報リテラシー・通信、エコ、金融〈銀行、保険、証券等〉、老後行動、ギフトの19分野)
 〇生活満足度
 〇メディア接触(ネット、テレビ、新聞、雑誌)
◎消費行動
 〇買い物行動
 〇分野別消費行動・イノベータ・オピニオンリーダー度
 〇商品・サービスの保有・利用
 〇新商品・新サービスの購入意向
カルチャースタディーズ研究所+三菱総合研究所「下流社会10年後調査」
上記「生活者市場予測システム」2014年度調査回答者を対象に、追加質問として実施。
有効サンプル数:1,000(20代~60代、男女各年代100)
調査方法:WEB調査
調査時期:2015年2月末~3月上旬

 と、まあ、こういった大規模な調査を基にしているから集まってるデータは有用な物やと思うねん。
 せやけど、この本の中身は、それをクロス集計したりとかで、概要を割と淡々と書いているだけで、分かったことからより良い未来を作るためにはどうすべきかってことはほぼ書かれてへんから個人的には期待外れやった。
 著者自身は格差が固定されていることが問題とは思っていないぽいし、提言があったとしても、こんな社会でも儲けるには上流になってきている公務員をターゲットにした商品・サービス開発が必要とかの企業の立場からのものばっかりやった。
 あと、調査票が掲載されてないから絶対かどうかはわからへんけど、自由筆記の回答というのが無い感じの調査で、個々人の実態とかには一切触れてないから、格差固定というインパクトがあるワードの割には、その問題を実感しにくいのも微妙な本やった。

 なんで、ザーッと流し読みするだけの本でいいような気がします。

以上、簡単に感想文でした。

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