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運動会で足が速くなりたい子どもに教えるコツと遊び

こんにちは!幼稚園で副園長をしているそういちろう先生です。

秋に向かって、運動会を控え、リレーや徒競走が運動会の花形競技となっているお子様がいるご家庭も多いのではないでしょうか?
子どもの足の速さはそれぞれ。
速いのが正義!!ではなく、自分のクラスが勝つために自分なりに頑張る気持ちや経験が子どもの成長には大切です。
でも、せっかくなら速くなってほしい…
そんなママさんパパさんのために、そういちろう先生が運動会シーズンに子ども達によく伝えている「走ることが速くなるコツと遊び」を紹介します。


ココがよく出来ている子は走るのが早い!

幼稚園の子ども達を見ていると、3点ができている子供は走るのが速いです。

①手を良く振っている
②コーナーリングの時にカーブの内側に上半身が倒れている
③前(走る目標)を見ている

それではどこを鍛えれば足が速くなるのでしょうか。

もちろん走ることが速い・遅いは筋力も関係していきますが、それ以上に「平衡感覚・固有覚の発達」と「感覚機能の連動」が大切だと思っています。
何やら聞き慣れない言葉が出てきましたが、まずは「平衡感覚(へいこうかんかく)・固有覚(こゆうかく)」、「感覚機能の連動」とは具体的に何か説明します。

足が速くなる体の機能を知ろう

感覚の一つである平衡感覚と固有覚
まず感覚とは自分が周りから受ける情報刺激を受信、脳に伝達して、その刺激を認識することです。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の「五感」という言葉は聞いたことがあると思います。
実はそれら五感の他に、あと2つの感覚があるのです。
それが「平衡感覚」と「固有覚」です。

体のバランスを保つ「平衡感覚」
平衡感覚とは、色々な動きをする中で身体が倒れないよう身体のバランスをとる機能です。
例えば、自転車に乗って左右どちらかに曲がったりカーブする際に、曲がる方向の内側に体を少し倒す動作もそれにあたります。
これは重力や加速に対して、吹き飛ばされることを防ぐために自然に行っている平衡感覚のお陰なのです。


体の動きや位置を感じる「固有覚」
固有覚とは自分の体の動きや位置を感じる機能です。
ボディーイメージなんて言い方もします。
そう言われると、あまり普段はあまり使っていない機能だと思われがちですが、実はそうでもないのです。
例えば、食器を洗って台に戻す時、割れないようにゆっくり戻すと思います。この力加減の調整も無意識ですが、固有覚が発達しているこそなんです。
また、ダンスの見本を見て踊る時のことを思い出してください。
真正面に立つお手本の人を真似して、鏡の前に立っているわけでは無いのに同じ動きを真似できると思います。
これも固有覚の機能があるからなのです。

いろんな感覚を連動させることが大事
難しい話が続いてしまいましたが、こうした色々な感覚は連動しています。
「前を見て走る」は視覚と平衡感覚と固有覚が連動させることで、自分の向かいたい目標を認識。
その目標に合せて自分の体をコントロールすることでより高いパフォーマンスを出せるのです。
また、ダンスをまねる例では視覚、聴覚、固有覚が連動して踊ることが出来ています。手本を視覚で見て、音楽を耳で聞いて、手本の動き、音楽のタイミングに合せて自分の体を動かしているのです。
この様に諸感覚は連動しています。
自分が走って辿り着きたい目標や走るルートの状態を目で認識して、それに合わせて体を動かす事が速く走るために大切になります。


足が速くなる遊びをやってみよう!

では、速く走るために大切な「平衡感覚」と「固有覚」を鍛える家庭でも出来る遊びを紹介します。


①スキップとケンケンパ
 私の経験ではスキップとケンケンパが得意な子は大体、足が速いです。
 腕を良く振ると、それと連動して足も速く動いてきます。スキップは腕と足の連動が出来ていないとうまくできません。
逆を言うとスキップは腕と足の連動を感じることに適しています。
また、ケンケンパは上半身で倒れないようにバランスをとることと、丸がある場所に自分の体をコントロールしないとうまくできません。カーブ時の内角姿勢をとる時に必要な機能が鍛えられます。
 
②バランスボールとトランポリン
バランスボールとトランポリンは「平衡感覚」と「固有覚」を鍛える王道です。
道具が必要ですが、お家でもできると思いますので是非やってみてください。


③「鬼ごっこ」と「だるまさんが転んだ」
鬼ごっこは視覚と平衡感覚と固有覚を連動して行っています。
鬼を目で認識して捕まらないように動く。その中で上体でバランスを取りながら色々な方向転換をして逃げ切ること。
また、だるまさんが転んだは、視覚、聴覚、平衡感覚と固有覚を連動させて、鬼が振り向いたタイミングで自分の体の動きをコントロールします。

最後に

走るためには足で地面を強く蹴って前に進まなければなりません。
また、その蹴る力をたくさん地面に伝えるためには「体のバネ」が必要です。
バネを使うためには、手と足をタイミングよく振って足の裏で地面を強く押す感覚を感じることが必要です。
そのために、ここで話をした平衡感覚と固有覚の連動を意識した遊びをぜひ取り入れてみてください。


ただ子どもは生まれながらに筋肉量や運動が好きな気質が違います。
ママさんパパさんはお子さんが運動会で一番速く走るという結果だけを意識し子供に指摘すると、体を動かすこと自体が嫌いになってしまう恐れがあります。
それよりも「前の自分より速くなったこと」や「速く走るために頑張って練習する姿勢」をほめてあげてくださいね!

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