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絶対に染まってはいけない

京大卒元メガバンカーの総一郎です。

今日は、今思えばメガバンクを辞めることは、あの日「絶対に染まってはいけない」と思っていた時から、必然だったんだろうなぁというお話をしたいと思う。

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▼絶対に染まってはいけない
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メガバンクだけかもしれないが、新入行員は入社早々3・4週間程度泊まり込みの研修「新人研修」が有る。
#銀行員は社員ではなく行員 (こういん)
#ちなみに御社や弊社ではなく御行や弊行

ちなみに、聞くところによれば、コロナ禍のこのご時世はオンラインに変更され、当然泊まり込みの研修は行っていないようだ。

当時は、入行日4月1日の前日の3月31日には、各自段ボール1・2箱とスーツと鞄を携えて社員寮に入り、翌日から始まる「新人研修」に備える。

部屋割り・クラス割等の発表を受け入寮の点呼時、女性は髪色が明るすぎないか?、男性は髪色が明るすぎないか?に加えてもみあげが長すぎないか?等のチェックが入り、必要に応じて近所の美容室に髪を切ったり染めたりしに行くことを要求された。

僕は幸いそこそこ長いもみあげだったにもかかわらずこの頭髪検査をパスした。

が、正直「いや、高校生の生活指導かよ」「なんて気持ちの悪い会社なんだ」と思った。

ただ、驚くべきは、ブーブー文句を言ったり僕のように違和感を覚える人の方が少なそうだったことだ。

あるいは、違和感を飲み込んでうまく忘れることに成功しているようだった。

この日僕は「この会社には絶対に染まってはいけない」と固く決意した。
#まさかの入行前日からの退社の決意


これを聞いて一般企業のみなさんがどう思うかは分からない。
同じく「気持ち悪い」と思われるかもしれない。

ただ、これも実は「気持ち悪い」一方で「合理的」でもあったのだ。


”ハロー効果” というものがある。


一番目に付く特徴に「イメージ」が引っ張られるというものだ。

白衣を着て喋ると、それだけでお医者さんのように見えるから、何を話していても何となく説得力が有るように聞こえる。

とか。

学歴が良いと聞いただけで、仕事もできるようなイメージを持ってしまう。

とか、そんな感じだ。

「銀行員」と聞くと世間の人は当然「黒髪でビシッとヨレの無いスーツを着た清潔感の有る真面目そうな人」をイメージする。
お金を扱うという性質上、だらしないイメージは致命的なのだ。

だらしない服装や外見は ”ハロー効果” が働いて「お金にもだらしないんだろうな」と思われてしまう。
銀行窓口でそう思われたら接客の仕事も仕事にならない。

「お客さま」が求めているのだから、「黒髪でビシッとヨレの無いスーツを着た清潔感の有る真面目そうな人」であらねばならないのだ。


…とまぁこれも7・8年も前の話だ。

今は「働き方改革」だ「ダイバーシティ」だと叫ばれているおかげでずいぶんルールもゆるくなってきている。
銀行員の私服やビジネスカジュアルも当たり前になっている。

ただ、きっと、トップダウンで高圧的に兵隊たちを「右向け右」させる軍隊のような、あの社風はしばらく変わらないのだろう。


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