何かを始める動機は「逃げたい」でも良い

京大卒元メガバンカーの総一郎です。
今日は「逃げなきゃダメだ」という話です。
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「逃げる」という言葉はすごくネガティブな印象を受ける。

まるで自分がダメ人間なんじゃないかという気がしてくる。

「逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、…」という碇シンジ君の声が頭の中で繰り返される。

かくいう僕も、「逃げちゃ駄目だ」の呪いに知らず知らずのうちにかかっていた一人だが、有るYouTubeの動画を見てその呪縛から解放され、銀行退職を決意した。

同じように「『逃げちゃ駄目だ』の呪い」に縛られている人もたくさんいらっしゃるのではないだろうか。

先日、同じ呪いにかかっていたのか、「ビジネスを始めた理由が『看護師を辞めたい』だった」ということを悩んでいた方からご相談をいただいた。

そのときにお話しした内容をシェアしたいと思う。

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▼何かを始める動機は「逃げたい」でも良い
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もうタイトルで結論は出ているのだが、何かを始める動機は「逃げたい」でも良い。


①まず第一に、「逃げる」は「選択肢を絞る」ことだ。

僕の場合でいえば、メガバンクという会社から逃げたわけだが、世の中に何百万とある企業のうち、少なくとも１社は選択肢から外すことが出来ているわけだ。

逃げた理由が、「この銀行は嫌だ」ならば１社、「メガバンクは嫌だ」なら３社、「銀行が嫌だ」や「金融機関が嫌だ」ならばもっと、何十社も何百社も選択肢から外すことが出来ている。

そうすれば次にどこかの企業に就職するときの選択肢は確実に絞られている。

もし「サラリーマンという働き方が嫌だ」であればもっと選択肢から外すことが出来ている。

いずれにしても、確実に前に進んでいる。

ただ、この「逃げる理由」が明確でなければ選択肢は狭まらない。

「ただ何となくやる気が起きないから」という理由だとしたら、それはその職場その企業だから起きたのか？どんな企業でも起きてしまうのか？分からないからだ。

だから、「なぜ逃げたいと思うのか？」はなるべく正確に把握しておくと良い。

今回相談くださった女性は、「現在訪問看護は楽しくやれている」と言っていた。
つまり、嫌いだったのは「看護師業」ではなく「病院勤務」だったということだ。
これは次の職業選択において大きなヒントだ。

病院勤務が嫌いな理由は

「病院の理念に共感できなかったから」なのか？
「病院の人間関係が嫌だったから」なのか？
「病院の勤務体系が嫌だったから」なのか？

もっと深堀するとより多くのヒントが得られる。

もし「逃げた結果始めたもの」からまた逃げたくなったとしたら、その理由を深堀すると良い。
本当は何から逃げたいのか気づくことが出来るかもしれない。
あるいはまた逃げた方が良いのかもしれない。


②次に、「逃げる」は「戦略的撤退だ」ということだ。

「『逃げたい』と思いながらイヤイヤ働いている自分」と、「全く嫌悪感を感じずに楽しく働いている同僚」や「すっぱり割り切って働いている同僚」。

どちらが成果が出るかは明らかだ。

もちろん働いている以上、評価や報酬は良い方が良いに決まっている。
にも拘らず、「逃げたい」と思っている時点で、もう「負け戦」であることが確定しているのだ。

であれば、自分がワクワク楽しく働ける戦場を探して、そこで闘う方が合理的だ。

僕はコレに気づいた瞬間、迷わず戦略的撤退を決意した。

ただ、もちろん、「ワクワク楽しく楽しめないか？」という工夫を一度は考えたうえで戦略的撤退をした方が良い。


③最後に、「逃げる」は「健康上不可欠だ」ということだ。

「逃げたい」のに我慢をしていると、シンプルにストレスが溜まる。

自分のため、家族のために働いていたはずなのに、自分の身体を壊してしまっては本末転倒にもほどが有る。

自分の健康以上に優先すべきものなどこの世の中に無いのだ。


以上、長々と語ってしまったが、お伝えしたかったのはタイトルの通り「何かを始める動機は『逃げたい』でも良い」ということと、「なぜ逃げたいのか？」を明確にした方が良いということだ。

死地から脱したものの、全く見当違いなところに逃げてもっとひどい死地にたどり着いてしまうということが無いように、誰かフェアに意見をしてくれる信頼できる人に相談すると良い。

きっといつか必ず自分の戦場にたどり着ける。

PS（追伸）   
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