第三話 本をめぐる旅へ
こんにちは。ジョージです。
今日は本をめぐる人たちの話をしたいと思います。
最近は旅に行けていないなぁ。と思いながら。
前回までの話はこちらから。
隣の青い芝生を見て
前回から、僕はそれほど本を読む人ではなかったことは話していますが、そんな僕にでも本が素敵に見えた瞬間は結構あるわけで。
なんかこう、日記をつけることに憧れて、3日目で筆を置いてしまうような感覚に近いですね。
素人目には、なんか本を読んでいる人って、少し素敵なイメージ。
楽しそうに本を追いかけている人たちをみて、僕も興味が出てきた。というのが結構実感としてありました。
そんな出来事を今日は書いてみます。
湖のほとりで
本好きの皆さんはきっとピンとくるでしょう。
そう。ALPS BOOK CAMP。
木崎湖という長野県の北部にある小さな湖のキャンプサイトを借り切って行われるブックフェス(ブックキャンプ)
ALPS BOOK CAMP (アルプスブックキャンプ) ー長野県 木崎湖ー
https://alpsbookcamp.jp/
このイベントを訪れたのは2018年。同僚に誘われて、イベント偵察に行ったのが始まり。(この時誘ってくれたぽんちゃんに感謝。)
会場に着くと、素敵なゲートが僕たちを迎え入れてくれる。
このイベントに流れていた時間や空気感は忘れられない。
訪れた人が、本当に自由に幸せそうにそれぞれの時間を過ごしていた。
本が気になれば手にとって、鳥のさえずりが聞こえれば木々を見上げて。
お腹が空いたらご飯を食べ。
音楽に体を揺らして、眠くなったらハンモックで昼寝をして。
本屋で流すBGMのこととか色々普段考えているのですが、この会場にはBGMなんてなかったんですよね。
これもまた、一つ、空間づくりのヒントというか。原始的な感じですよね。人間だって生き物ですし。
このイベントの会場は2カ所に分かれていて。
対岸の会場まではボートで送ってくれる。という。
この辺も本当にすごい。
こんなにも本と過ごす時間が、自由で気持ちいいものだとは知らなかった。
昔の自分が、本というものを少し難しく考えすぎていたような気がしました。
栞日を訪ねて
いいまちにいい本屋あり。
とは、まさに松本のことだと思う。
栞日 (しおりび) ー長野 松本ー
https://sioribi.jp/
そもそも前述のALPS BOOK CAMPを主催されているのが、この栞日のオーナーの菊池さん。
栞日は、リトルプレスやZINE、アートブックを中心とした本屋で、喫茶やギャラリーなどもあります。
色々な本が、それぞれいろんな場所で佇んでいて、その姿は本当に色々と目移りしてしまう感じでした。
ここの空間を設計されたのはリビルディングセンタージャパンの東野さん。
リビルディングセンタージャパンの話をし始めると止まりませんが、建物解体で出た廃材を「レスキュー」して再利用するという活動をされている方です。廃材の使われ方や、既存の建物の活かし方など、同業でありながらとても尊敬しています。
リビルディングセンタージャパン ー長野 諏訪ー
http://rebuildingcenter.jp/
入ると突然大きな機械があって。1Fのカフェでコーヒーを注文して、2Fに上がると本に囲まれた大きな空間があって。のんびり座りながら自分の時間を過ごせる。そんな本屋です。
最近は栞日分室も新しくオープンされて。そこで出会った古道具商の「燕」さんも本当に魅力的な方でした。この話はまた別の機会に。
古道具 燕 (つばくろ) ー長野ー
http://zubakuro.com/
最近結構移住してお店を始めるもしくは住み開きをする人が増えている気がします。特に知人が多く。そんな人たちを横目に見ながら、僕は都内で本屋をやっているわけです。
本屋の本当を知る機会
もうひとつ本屋に関して大きなイベントとの出会いは、
「二子玉川 本屋博2020」でした。
二子玉川本屋博2020
https://store.tsite.jp/futakotamagawa/bookshop-expo/
二子玉川の蔦屋家電さんの企画で、日本全国から名だたる古本屋さんが一箇所に集まる。というイベントでした。
「あー 本屋のフェスね!!なるほど!ちょっと見ておくか。」
くらいの気持ちで向かっていたことを覚えています。
この頃から「本屋」に興味を持ち始めていたので、このイベントは押さえておきたかったんです。
溢れ出る個性的な世界観
何がすごいかの理由は、すぐにわかりました。
(あっ。。。流れてきた本を並べて売っているだけではないんだ。。。)
本や素人過ぎて、目に入るものすべてが勉強でした。
H.A. BOOKSTORE ー昔蔵前にありました。ー
https://www.habookstore.com/
※店舗営業は昨年やめられています。
ここでは、今までに見たことも聞いたこともないような本たちがたくさん並んでいます。本屋さんの個性がすごい。すごすぎる。
本という商品を売っている。以上に世界観がすごいんです。
色々なアイデアを実験的にやっている出版社から、書店など本当に盛りだくさん。この写真は、本をラッピングして売るもので、「Blind Date with a Book」というSNOW SHOVELINGさんのもので、同じような形は色々な書店さんが取り組んでいますよね。
SNOW SHOVELING (スノウショベリング) ー駒沢公園のあたりー
https://www.instagram.com/snow_shoveling/
正直この頃はそんなこともわからず、
「おもしろい! へー! すごい! なんだこれ!」
のループで、書店初心者の僕にとっては情報過多すぎる状態でした。
押し寄せる人たち
そして何より凄かったのが「来場者数」
本を求めてこれだけの人が一気に集まるのか。。。
とにかく、コミケみたいな混雑具合で(行ったことないですけどw)
お店にすら近づくことができないくらい。
色々な本屋さんを知り、この時から「はじめまして、本屋はじめました。」と言っていました。
人に触れる機会
このイベントはただのMARKETではなかった。
ものを売る。ということなのか。それとも人に出会うということなのか。
その出会った人を通して本を見る。そんな機会みたいで。
この公式本がイベント会場に並んでいるということは、だいぶ前からしたためて、製本して、販売して。。。ということだ。
二子玉川 本屋博の公式ガイドブック
『本屋の本当 -二子玉川 本屋博2020 OFFICIAL ZINE』
※現在ネットではおそらく販売していません。ブクアパにあるのでぜひ。
この本にはいろいろな人の本屋を始めたエピソードや思いなどが事細かにインタビュー記事にされていて、本当に胸がいっぱいになります。
その内容は時々見せますね。
みなさんきっかけも思いもそれぞれなのだが、苦労ある中でも、皆さんが本当に楽しんでいるかのように魅力的に語られている様が、なんとも印象的で。
それこそ、隣の芝生が青く見えた瞬間だったのかもしれない。
また、長くなってしまいましたが、今回はこのへんで。
次回は、僕が普段まちなかの本屋さんとして。いろいろと考えてみていることなどを。
ではでは。