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#10 「面会謝絶」

まだ車椅子以外での移動は禁止ですが
ようやく、病室から出る許可を得たので彼女に車椅子を押してもらいながら2週間ぶりに病室を出て1階の売店へ買い物に行きました。

久々の2人きりの時間、久々の外出。

売店でお菓子や飲み物を一緒に買って、なんとなくいい時間を過ごしました。

突然の別れにより引き離され、会えなかった時間の分
その時間はとても特別なものでした。

ああ、よかったと思ったのも束の間。

あれよあれよととんでもない悲劇が待ち受けていました。

売店でお菓子や飲み物を買い揃え、記念にと売店に売ってあったスクラッチを購入しました。

ここまで大変な目にあったんだから、当たらんと割に合わんやろくらいの気持ちでスクラッチを購入しました。

退院したら削ろうねと彼女と話しながら病室へと戻ろうとしました。

すると、、

ツーっと額を滴る何かが頭から垂れてきました。

どうも、手術の後縫った傷口が開いてしまったようでそこから液が漏れてきたようです。

血液と脳脊髄液を混ぜたような感じなので、薄めの血液と言った感じでしょうか。

手術の後は、糸で縫うと言うよりもホチキスの針のようなもの10個くらいで傷を閉じられていました。

例えるならフランケンシュタインみたいな感じです。

ああ、まさにこんな感じ。笑

フランケンシュタイン

前回、髄液検査をした時にもう傷口は閉じただろうと言う事で、針も抜いてもらったのですが

どうやら、まだ完璧にはくっついておらず、液が漏れてきたようです。

塞がった後の傷口

皮膚とくっつきにくい素材を使っているのか、意外と針を抜く時は痛くはありませんでした。

おでこから垂れてくる血液が溢れないように上を向きながら急いでエレベーターに乗り、病室へと帰りました。

また、2週間ぶりに病室の外に出たせいか気圧の変化にやられてしまって酷い寒気に襲われました。

せっかくの久々のデートでしたが、楽しい時間は短時間で幕を閉じ病室に戻ることに。

その後、傷口の塞がっていない所を糸で縫ってもらいましたが、縫うのよりも麻酔の方が痛いんです。笑

傷口の真下に麻酔薬が行き渡るように深く針を刺すのでどちらかと言うとそっちの方が痛い。笑

その翌日、傷口から液が漏れたとの事で病棟の医師達が私の部屋を訪れ、みんなで僕の頭を触って診察していかれました。

まるで、ご利益でもあるかのように何人にも触られたので

結果的にまた出血。笑

最終的には止まりましたが、術後からしばらくは大きなたんこぶみたいになっていました。

まあ、そんなこんなで髄膜炎を乗り切り、
ご飯も買ってきてもらった物で凌ぎながら生きていた訳ですが、ここで悲報が訪れます。

2020年8月、新型コロナが始まって面会規制が緩まったのも束の間、再び面会謝絶となりました。

家族、友人、誰1人として面会はおろか、差し入れも禁止です。

これにより、彼女、家族、友人誰1人として私の病室を訪れることはできなくなりました

直前に県外からホテルを取って会いに来てくれる予定だった友達も、ホテルはキャンセルする羽目になり迷惑をかける結果に終わりました。

これで、完全に私の外部との繋がりは絶たれてしまいましたが

今は、携帯電話が普及しているのが唯一の救いで、彼女、家族、友人達とは連絡を取り、心の支えになってもらいました。

その頃は、彼女に片道1時間かけて週に3回も会いに来てもらっていたので、
面会謝絶になって逆に良かったのかも知れないと今では思います。

さて、ここで一つの問題が発生しました。

そう、食事です。

父からご飯を買ってきてもらう手段を失った今、病院食を食べるしか方法が無くなりました。

ちなみにスクラッチの結果はと言うと、、、




見事にハズレでした笑笑



次回、「病院食について」です。

次回もお楽しみに。

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