詩『宇宙でふたり』
恋愛脳と揶揄される人のロマンスは、
わたしという宇宙では非常にちっぽけで、
したがって、わたしも非常にちっぽけで。
もっともそれでいいと思っているので、
なにも不都合や不具合はない。
たまに憐れみを投げられるのが嫌なだけ。
マカロンはいちどにたくさん頬張れず、
チョコにもビターがあるように、
いろんな人がいていいはずで。
春雨に、けぶる詩情をいだく一方、
食欲を増す人もいるでしょう。
正義を振りかざさねばいいのです。
場違いな妄想に耽ること。たとえば、
宇宙にふたりだけになったらどうする?
それは詩であり恋情であり、
線引きもなく誰にもさわれないところ。
持ち主が育ててゆくだいじな時間。
さまざまなシチュエーションが駆け巡って、
書き留めたくなるのは物書きの性。
そこが愛しい人だらけならそれも健やか。
飛び跳ねているふたりがいる。
渋面の誰かがそれを見ている。
見守る誰かもいる。それはわたし。
宇宙のふたり。それはわたし。
バイ バイ ブラックバード!
白石かずこをさけぶのだ。
20211110
深夜の二時間作詩 第131回「宇宙でふたり」
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