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未経験業界への転職で業界知識を得るためにやるべきこと

これまで3回転職しているが、そのうち2回は未経験業界だ。
この経験を振り返りつつ、業界知識ゼロの段階から、どのように知識を獲得していく方法を備忘録的に残していく。
企画系の職種や営業経験のある方には役立つかもしれない。


業界知識ゼロからの立ち上げ期

まずは転職の選考プロセスの段階で「入社までに勉強しておいた方が良いことはなんですか?」と聞いておくとよい。
面接官として入社後の配属先の上長が出てきたタイミングで聞けるとベストだが、オファー面談を設定してもらって、そこで聞くのもいいかもしれない。
「業界知識」と一口に言っても、その内容には種類があり、だいたい3つくらいに分けられる。

  1. 業界知識

  2. 企業知識

  3. 業務知識

情報の入手しやすさは1>2>3の順だ。
それぞれについて獲得方法を述べる。

業界知識

転職活動中はインターネットで検索したり、YouTubeで関連知識を仕入れる程度にしておいて、内定が出てから書籍等で本格的に業界の全体感を掴む。
おすすめなの書籍は秀和システム社の『図解入門業界研究 最新○○業界(※任意の業界)の動向とカラクリがよ~くわかる本』のシリーズだ。

業界の概観を掴む際に必ず入手している。
古本ではなく最新版を買うことをおすすめする。

また、業界によっては監督省庁が出しているレポートに目を通した方がいいだろう。
私自身は現職がバリバリの規制産業なので、当該省庁が出しているレポートの最新版を読んだ。

企業知識

社風が合わない企業を避けるため、選考プロセス中に会社概要の把握を一度はやっておきたい。
上場企業と非上場企業では情報収集の難易度が大いに異なる。
上場企業の場合はIR資料がWebサイトに掲載されていたり、採用ピッチ資料があったりで情報源には事欠かない。
一方で、IR資料を出している非上場企業は非常に稀である。
そもそも、ささやかな組成のWebサイトしかないこともある。
そういった場合は「企業名 社長の名前」や「企業名 社長の名前 インタビュー」などで検索すると地方新聞や業界紙の記事がヒットする。
最近はYouTubeに動画を上げていたり、SNSに企業アカウントを開設している会社多いので、合わせて確認しておくと良い。
社長や経営幹部がSNSを活用しているパターンもある。
彼ら/彼女らの投稿内容を見て意気投合できそうにないと思ったのであれば、選考を辞退するのも手である。

openworkのクチコミもチェックしたほうが良いだろう。
最も参考になるのは時系列が直近1年以内のものだ。
特に勤務形態に関する記述は企業の法令遵守意識を測る指標になる。
気になるコメントがあったら面接の中で質問するか、エージェント経由で企業に確認しよう。
クチコミの中には精度の低い情報もあるため、必ず裏どりをしたほうが良い。

入社後に獲得すべき企業知識は「ググっても出ないこと」だ。
組織図、部署ごとのキーマン(≠役職者)、経営陣の力関係、上司や同僚の経歴、社内の人間関係が広くて顔が利く人などなど。
中途入社者は仕事を進めていく上で最も重要な「人間関係」という資産がゼロの状態からスタートする。
新入社員のように特段目をかけてもらえることもない。
情報は自分で取りに行くものだ。

歓迎会の機会があればぜひ参加しよう。
飲みニケーションは意外と侮れない。
お酒が飲めなくても、「同じ釜の飯を食った」という事実が重要だ。
仕事の場以外のコミュニケーション回路を開いておくことで、話の通しやすさが格段に変わってくる。

入社して3ヶ月までのハネムーン期間でとにかく質問重ね、人間観察をしよう。
takerになりがちな時期なので、giveできるチャンスがあれば積極的にgiveをして信頼貯金を貯めていこう。
なにより、依頼された仕事は誠実にこなしていくことが一番重要だ。
のちのち有休の(精神的な)取りやすさなどに響いてくる。

業務知識

業務知識にも、ググれば出てくる情報と調べても出てこない情報がある。
調べても出てこない情報とは、会社特有の業務プロセスであったり、ジャーゴンであったり、書類の書き方であったりする。
分からない点が出てきたら、早急に同僚に質問するしかない。
引っ込み思案とか言っている場合ではないのだ(自戒を込めて)。
質問する際は徒手空拳で挑むのではなく、「○○ということについて調べたが、これで合っているか」という聞き方をすると回答の精度が上がる。
質問されること自体に慣れていない方もいるので、上記のような尋ね方が必ずしも正解になるわけではない。
教えたがりの同僚がいたらそれは僥倖だ。
遠慮なく聞いて、たくさん感謝しよう。

なんだかんだで人間関係が一番大事

「組織は人なり」とはよく言ったものだが、会社という形態が人の集まりでできている以上、同僚と関係構築をするのが継続的な業界知識の更新のために最も役に立つ。
人脈や社内政治なしで仕事が成り立つことはない。
ググってわかる知識だけでは片手落ちで、クローズドな情報こそが獲得難易度が高く、価値がある。

ただし、調べればわかる情報を調べない人は圧倒的に多い。
相手の知らない情報と引き換えにこちらが知りたい情報を得ることができればWin-Winの関係になれる。
現実的に新人という立場ですぐに活躍することは難しい。
だからこそ、検索すればわかる情報を一通り頭に入れておくことは仕事の立ち上がりの早さや情報を教えてくれた人へのお返しとして役に立つのだと言えよう。


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