赤飯② 【世にもになるまで書いてみた】
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テロップ明け。少し時間が進む。
妻 娘に赤飯を盛る。
夫 大盛の赤飯を前にして何か考えてる。
夫 (心の声で)・・・赤飯? こんな日に??
別に俺の大好物じゃないし、2人とも好物だって言ってたかなぁ・・・
じゃあ何だ? はっ! ・・・まさか今日って何かの記念日なのか??
思い出せ・・・ 思い出せ・・・ えっと・・・
妻 不思議そうな顔で夫を見つめる。
妻 ? パパどうかした? 早く食べよ??
夫 あぁ・・・ ごめん。ちょっと考え事を・・・
じゃ、いただきます。
一家 食べ始める。
夫 食べながら今日が何の日だったかを考えている。
夫 (心の声で)結婚記念日なわけないし、
付き合い始めた日はクリスマスだから違う。
初デートは今月だけど今日じゃなかったはずだし・・・
なら初めて手料理を振る舞った記念日?
でもそんな日覚えてるか?
ええい!こうなったら聞くしかない!
・・・ママ。今日って何かの記念日だったりする??
妻 え? 特にないけど??
夫 あー・・・ そうか。
(心の声で)じゃあ違う理由か・・・ そうなると・・・
夫 娘を見る。
娘 夕食を美味しそうに頬張っている。
夫 (心の声で)マイのことか・・・?
・・・ま、まさか昨日話してた「あの男」!?
○ 自宅・リビング(回想・前日の夜)
夫 何やらご機嫌な様子で娘に話しかける。
夫 ん~? マイまだ起きてたのかー?
娘 ・・・・・・
夫 お? 何書いてんだ~??
娘 手紙を書いていたが夫の声で慌てて隠す。
娘 見ちゃダメ!!
夫 え~ 何でだよ~
夫 何とか見ようとする。
妻 リビングに戻ってくる。娘の様子に気付く。
妻 ダメよパパ!
(耳打ちで)ソラ君っているでしょ? その子に書いてるんだって。
夫 あー・・・ そうか・・・
夫 娘の恋を聞いて複雑な気持ちになる。
○ 自宅・リビング(回想明け)
夫 娘を見ている。悔しさや嬉しさが入り交じり顔がくしゃくしゃに。
夫 (心の声で)そうか。マイの初恋が実ったから今日は赤飯なんだな。
あんなに小さかったマイに彼氏・・・
「大きくなったらパパと結婚する!」って言ってたのにな・・・
おいソラとかいう彼氏!マイを悲しませたら俺は絶対に許さない・・・
妻 心配そうな表情で夫に話しかける。
妻 パパ? 全然手付いてないけど美味しくなかった・・・?
夫 いや! 違うよ! 俺、美味しいものは最後に食べたい派だからさ!
妻 そ、そう? ならいいんだけど・・・
夫 (グラスを持つ)・・・あれ?もう飲んじゃったか。
ビール取ってくる。
妻 (慌てて立ち)あー! 私持ってくるから! パパは待ってて!
夫 いや、大丈夫だよ。ママ疲れてるでしょ?
妻 ううん! いいから座ってて!
妻 冷蔵庫へ向かう。
夫 ? ママ何かあったの?
娘 知らなーい。
夫 そっか・・・ あ、そうだ。
マイ。今日良いことあったろ!
娘 ・・・なかった。
夫 嘘つくなよ~ 昨日あんなに・・・
妻 ビール(ロング缶)を持って戻ってくる。
妻 ソラ君、休んじゃったから渡せなかったんだって。だから・・・
娘 ママ! 何で言うの!
妻 あ! ごめん!つい・・・
娘 も~
娘 頬を膨らませ妻を睨む。
夫 ビールを注ぎ2人の様子を微笑ましく見つめる。
夫 (心の声で)マイじゃなかったか・・・
でも何だろうこの気持ち。嬉しいような悲しいような・・・
マイ! パパはずっとお前を応援してるからな!
夫 ホッとした様子でビールを一気に飲み干す。
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