癇癪を望んでいる食卓
前回の記事からの続き。
まず、自閉症児の親が見落としがちな点から。
私が仕事を通して出会った家族の大半に言えるのが、
現在の子どもの能力、所謂、できる事を見誤って認識してしまっているという点。
そんなこと?と思われるかもしれないが、これはとてつもなく多い。
ほとんどの家族が過大評価、もしくは過小評価のどちらかに当てはまる。
リアルな家庭内において、これを知っておかないと親子共々疲弊の毎日に陥るのは確実な上、実はこれは子どもの肯定感に直結するほど、大きな基本となるものである。
なぜ、能力の見誤りが疲弊と肯定感に繋がるのか。
前回紹介した動画の家族に少し脚色を加えて説明してみようと思う。
自閉症男児(推定5歳、発達年齢は約2歳半だとする)は、机の大皿料理や妹のお皿に興味をもち、あれがほしい、これがほしいと癇癪をおこしている。
その上、自分よりも先におかずに手をつけた父親に対して、「先にたべたー」と文句を言って席から立って暴れ回り、近くにあったおもちゃを投げて苛立ちを発散している状況だ。
この、誰も楽しくないカオスな食卓の状況は、まさしく、能力の見誤りが招いた結果である。
そもそも、みんなで食卓を囲むというものにはかなり高レベルな能力が必要である。
・自分の皿とその他の皿の役割の認識。
・個々で食べるもの、家族みんなで食べるものの違いの判別。
・食事をする際の最低限のルールの理解等。
・そして、集団行動をする上での状況理解。
はっきりいうと、この男児には、このレベルの能力はまだ備わっていないのだ。
本人からすれば、能力以上のものを必要とされ、それができないと注意され、理解できない説明をうけているのだ。
癇癪を起こして当然の結果である。
むしろ、癇癪を望んでおこしている状況である。。
しかし、この能力がまだ備わっていないからと言って、好きにさせるは当然大きな間違いである。
では、ここで、どうすればいいかの紹介になるのだが、長くなってしまったので次回の記事で詳しくお話させていただければ。
中途半端になってしまいすいません。
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