【読書メモ】転職の思考法

転職の啓発本に書かれていることはたいてい似てくるのですが、本書の特徴は、転職者側だけでなく、企業側の思惑を細かく記述している点です。

転職を考えるのであれば、読んでおいて損はない知識が書かれています。

以下、私が本から学んだことのトピックです。

年齢ごとの面接時の戦略

日本の(日本に限らずだとは思いますが)転職市場は、「年齢」をまず面談の評価指標として見られることが多いです。

いや、年齢じゃなくて実力を見られるでしょ。

という意見は最もですが、日々何十人と採用面接をする企業の採用担当は、限られた時間で本当の実力を見出すのは難しいです。

得られる情報としてぱっと判断しやすい(足きりしやすい)のは経歴と年齢です。

第二新卒なんて言葉もあるくらい、年齢で見られてしまうのです。

したがって、「ある程度」年齢に応じた戦略も立てる必要があります。

書籍では以下のようなアピールをうたっています。

20代は専門性でアピール
職場での経験は乏しいので、大学や専門学校で得た専門知識をアピールして面接に挑みます。ポテンシャル採用で見てくれる年齢です。

30代は経験をアピール
ある程度経歴が充実してきた30代は、自らの経験から転職企業へいかに役に立つ人材かをアピールするストーリーを作ります。

40代は人脈をアピール
マネージャとして仕事を作り出すことを期待される40代は、こういうコネクションがあって貢献できるということをアピールします。

上記はあくまで基準ですが、企業がどの年齢の人材にどういった活躍をしてほしいかから導きだした、求職者視点の戦略になります。

面接の逆質問

面接の逆質問は、自分がこの会社で活躍できそうか確認できる格好の機会です。

「今、どんな人物を求めていてどんな活躍をしていますか?」

「今一番社内で活躍し評価されてるのはどんな人で、なぜ活躍していますか?」

「自分と同じ中途入社で今活躍してる人は、どんな部署を経てどんな業務を担当していますか?」

これを聞いて自分が社内で活躍しているイメージを持つことができたら問題ありません。

逆に、イメージが持てなかったり、具体的な回答が来ない場合は、その会社で働くというギャンブル性は増します。

「求人」を掘り下げる

会社としてはいい企業と転職先としていい企業は別です。

なぜ募集しているかという理由を考えるべきなのです。

既にある、またはこれから生じる業務に人材が足りないから募集しているわけですが、なぜ人材が足りていないかを掘り下げて考えなければなりません。

単純に新規事業に乗り出すのに、必要な知見を持つ人材がいないから欲しているのか、

過酷な職場で人が辞めていくから人材を欲しているのか。

もし後者だとわかっていて入るのであればそれでも大丈夫ですが、わからず入社してしまうと思てたんと違う、になりかねません。

また、求人のチャネルを企業は使い分けています。

ほっておいても応募がくる人気の職種に、わざわざ大々的な宣伝の費用をかけたりはしません。

優秀な人材が欲しいのであれば、ヘッドハンティング等を利用して確実に探します。

宣伝の費用がかかるチャネルを使っている場合や、色々な場所で見るような求人は、人気のない業種を宣伝していることが多いです。

本当に自分に合う企業や職種を見つけるのであれば、企業側がどういう思考をしているのかを把握しておかなければ、入社してみて後悔、ということになりかねません。

「自分」を掘り下げる

では、自分に合う好きな企業や職種を見つけるにはどうすればいいのか。

選ぶべき好きなことは、他の人から上手と言われるが自分はあまりピンと来ないことと、普段の仕事の中でまったくストレスを感じないことから探すと良い、とあります。

あとは見つけたそのラベルをどうやったら強くできるかを軸に探せばよいということになります。

このあたりは「「いつでも転職できる」を武器にする」でも同様のことを記述しています。

むしろこの辺りは上記の書籍のほうが実践しやすいように思います。

再度冒頭と同じことを言いますが、本書は企業側の考え方の一端を知って、手掛かりを得るのに非常に有効でした。

この記事が参加している募集

読書感想文

サポート頂けたことは、巡り巡って必ず、あなたに届きます!