【自選短歌】令和五年の創
三首連作『音楽』を含む今年の自選短歌五首と、それに準ずる自選五首。
これがおれの令和五年です。
どうしても弾きたい曲があったんだそれからでいい死を思うのは
この曲をきちんと弾けたそのときが本当の人生のはじまり
弾いている今は生きてるたとえ明日自死を余儀なくされるとしても
迷いない心のつばさで翔んでゆく私の空はどこまでも澄む
見たことのない大空へ駆けてゆく恋をしているような速さで
物言わず寒きに耐えて澄み渡る優しきみ空に鳥は羽ばたく
踏みにじる土足の目には映らない美しい花ばかり傷つく
こうやって泳げと事も無げに説くあなたは私の海を知らない
明日など来ぬ命かもしれぬから花を手向けよ今あるほどの
晴ればかり続くぼくらの町にほら見えない雪が音もなく降る
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