見出し画像

超簡潔に解説!ニューアース~その2 ペインボディ~

2回目はペインボディについて解説したいと思います。エゴと並び、本書の重要なキーワードになります。


1.ペインボディとは?



ペインボディとは、ネガティブな感情が集積した、苦痛のエネルギー場です。

経験したネガティブな感情に向き合い、受け入れることをしなかった場合、それらはエネルギー場に蓄積され、痛みという形として、人生に影響を及ぼし続けます。

(1)半自立的なパラサイト

ペインボディは自己のように振る舞いつつ、それ自身も半自立的に活動する、生物の様でもあります。

生物ですから、糧を必要とします。
ペインボディが必要とする糧は、自身と同じエネルギー、つまりはネガティブな感情と思考です。

その為、糧を得ようとして、悪意に満ちたトラップを仕掛けてきます。

恐怖、不安、羞恥、怒り。それらを誘発する要素を内面から、外部からどんどん引き寄せます。

「どうせまた失敗する」等、もはやお馴染みになっている思考はありませんか?

または、上司に叱られたり、恋人にフラレたり、何か嫌な出来事が起きたとき、「ほら見たことか!お前はやっぱり無価値なんだ!」とでも言いたげなエネルギーを感じたことはありませんか?(私は日常茶飯事でした…)

それはペインボディの囁きです。その思考を鵜呑みにして、落ち込んだ私達からエネルギーを吸い上げたいのです。

その意味で、ペインボディは精神的なパラサイトと呼べるかもしれません。

(2)個人のペインボディ

さて、ペインボディは個人のものと集団のものがあります。

先ず、わかりやすいのは個人のペインボディでしょう。個人が経験した辛い経験、その時生じたネガティブな感情。それらは長い時間引きずり続けてしまう傾向にあります。

ペインボディを引きずり続ける期間が長い程、それはムクムクと成長し、ネガティブな事象を誘発することで更に肥え太ります。

そのまま本人が気付かなければ、負のループに落ち込み、破滅的な人生へと闇堕ちするでしょう。

(3)集団のペインボディ

ペインボディのもうひとつの在り方として、集団のものがあります。

人類が長い歴史の中で体験してきた痛み(差別、虐待、戦争、蹂躙、集団リンチ等)。

それらのペインボディは、私達人類が集団意識として共有しているというのです。

私は本書を初めて読んだとき、
「私のペインボディは私が何とか責任取るけど、先祖や赤の他人のペインボディを引き継ぐなんざまっぴらごめんだ!」と思いました。

でも、そうはいかないのです。
二律背反的ですが、個人と全体とは不可分です。そして人である以上、その負の分け前を「私は結構です!」と断ることはできないのです。

2.ペインボディ対策

(1)気付く力

ペインボディへの対応としては、やはりエゴと同様に気付くことが最適解といえるでしょう。

しかし、思考とペインボディが掛け合わされた強烈なエゴの状態で、気付きを持ち込むことことは正直難しいです。

ただ、ポイントはそこにあります。

思考とペインボディ、この二つは一心同体、共依存の関係にあります。その依存関係を理解し、見抜く力が必要です。

片方だけにでも同一化すると、両者は互いにエネルギーを供給し合って、ますます同一化から脱け出せなくなるのです。これをペインボディは狙っています。

なので、一方の同一化を緩和できれば、もう一方も力を失います。

私の感覚でいいますと、両者が強烈な時、思考をペインボディに提供しないというスタンスが有効な気がします。

あらゆる負の思考が湧き上がっても、それに真実性を持たせないといいますか、ペインボディに裏打ちされただけのでたらめな内容であると観察することです。(思考は基本でたらめです)

そして、思考に同一化したらペインボディが活性化する(逆もまた然り)という、一連の様子、事実を洞察するのです。

その洞察が、今に在ることを容易にします。

(2)やっぱり瞑想!

上記した気付くことを日常の中で実践するのはやはり難しいですよね。

だから、瞑想や一人で静かな時間を作ることが大切だと思います。

瞑想をしていると、思考とペインボディのやりとりがよく見えます。
目を閉じているとそれらが余計に色濃く見え、苦しく感じるかもしれませんが、直視している分、確実に距離がとれて、同一化が緩和されています。

(3)ペインボディが目覚めへ導く?

一見すると、ペインボディはこの世の諸悪の根源のように思えますが、やはり全ての事物には悪い面があれば良い面もあるようです。

ペインボディが人を無意識に引きずり込むのではなくて、逆に目覚めのきっかけに、「いまに在る状態」へと赴かざるを得なくなる決定的な要因になる。

エックハルト・トール『ニューアース』P197

あまりにもペインボディが強大になると、エゴがじたばたもがくことすらできなくなり、エゴが強化されるどころか収縮してしまうようです。

皮肉な話ですが、そうすると「禍を転じて福と為す」の如く、目覚めに転じるケースが多々あると本書で述べられています。


ペインボディに支配されていると、本当に人生がしんどいと思います。

でも、慰め言葉ではないですが、その苦しみが深いほど、それを転じて、今に在る光に変えることが誰しも可能なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?