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無料の創業相談窓口を活用する

皆さん、こんにちは!
中小企業診断士の髙橋 規尊(たかはし のりたか)です。

創業しようか迷った時、創業の進め方が分からない時、創業後の課題に直面した時などに、気軽に相談でき、親身になってアドバイスしてくれる存在は心強いですよね。

そんな時には、無料で利用できる地域内の創業相談窓口から活用することをお勧めしています。

◆地域内の創業相談窓口

日本は海外に比べて、創業する人の割合が低い実状があります。そこで、国や自治体は創業しやすい環境づくりのために、創業支援制度を充実させています。その1つが、創業志願者の個別の相談に応える創業相談窓口です。

例えば、東京都大田区での創業を考えている場合は、次の選択肢があります。
①【大田区】(公財)大田区産業振興協会の創業者支援窓口
大田区の外郭団体であり、区内の中小企業を支援する機関です。その事業の1つが創業支援事業であり、創業者支援窓口では、専門の創業相談員が個別の相談に応えています。

②【東京都】東京創業ステーションのプランコンサルティング
東京都の外郭団体であり、都内の中小企業を支援する(公財)東京都中小企業振興公社が運営する創業支援拠点です。豊富な専門家を配して、多様な創業相談に対応しています。

③【東京都】東京開業ワンストップセンター
国家戦略特区の一環として、国と東京都が共同で運営しています。法人設立や事業開始時に必要な行政手続(定款認証・登記・税務・年金/社会保険・入国管理)を1か所で行うことができ、中小企業診断士による無料の創業相談もあります。

◆自分に合った創業相談窓口を活用する

各機関のサービスは充実していますので、各機関のHPを見てみて、自分が良いなと思った機関から利用していくのが1つの方法です。

一方で、数多くの創業相談に対応した私の経験から申し上げると、人間の個性や人柄が様々であるのと同じで、専門家の個性や人柄も様々です。

誰と一緒に仕事するかを選べることが創業の醍醐味の1つです。それと同じく、信頼できる専門家を選べるようにしていくこともポイントです。

ですので、複数の機関を利用するのも良いでしょう。複数の専門家と会って話すことで、自分に合った専門家が選べますし、専門家ごとに異なった視点からアドバイスをもらえるメリットも得られます。

◆選びきれない時は近くから

それでも、最初に利用する機関を選びきれない場合は、距離的に一番近い創業相談窓口を利用しましょう。大田区であれば「(公財)大田区産業振興協会の創業相談窓口」からです。理由として次の4つが挙げられます。

①距離的な近さ
事業を進める上で、スピードは重要です。それは創業も同じで、距離的に近ければ、移動時間を短縮できますし、何かあれば気軽に相談しにいきやすくなります。
また、専門家の中には、創業したら関係性がなくなるのではなく、創業後も関係性を保ち、お互いに成長したい専門家もいます。距離的に近ければ、頻繁に顔を合わせて話し合うこともしやすくなります。

②地域密着型の創業支援
公私共々、地域内でよく活動する専門家であれば、地域内を良く知っているので、地域性を加味したアドバイスをもらえます。
また、専門家は地域内の事業者ともつながっているので、信頼関係を構築できれば、連携できそうな地域内事業者を紹介してくれるかもしれません。

③混雑度合いによる相談対応の濃密度
一般的に、市区町村よりも都道府県の機関の方がサービスが充実している印象を持たれる方が多いでしょう。だからこそ、東京都の機関に相談者は数多く集まります。
そうなると、専門家が一人の相談者に対応する時間には限界が生じます。話途中でも、次の相談者がいるので次回に持ち越さざるを得ません。
相談時間の相場は1回当たり1時間ですが、創業では様々な話をする必要があるため、時間的に足りずに消化不良するケースがあります。

市区町村の創業相談窓口の混雑度合いは、東京都程ではないので、他の相談予約がなく、お互いの時間と意向さえ折り合えば、たっぷり話し合える可能性が高いです。

④特定創業支援事業の活用
創業する人の割合を高めるため、市区町村は国の認定を受けた「特定創業支援事業」を実施しています。
この特定創業支援事業を利用し、利用した証明書を入手することで、幾つかのメリットを得ることができます。

特定創業支援事業のメリットについては、下記の記事をご参照ください。

各市区町村で特定創業支援事業に該当するサービスは異なり、大田区の場合は、「創業者支援窓口の利用」と「創業塾への参加」が該当します。
特定創業支援事業は、東京都の創業支援拠点では利用できず、市区町村の創業支援拠点でのみ利用できることから、最初に利用する機関を選びきれない場合は、距離的に一番近い市区町村の創業相談窓口を利用することをお勧めしています。

◆創業時の支出はできる限り抑える

世の中には、有料の創業コンサルティングサービスがありますが、どうしてもその有料サービスを利用しなければならない場合を除き、創業時に生じる支出はできる限り抑えることが望ましいです。

国の施策に基づき、市区町村や都道府県の創業支援制度は充実してますし、どの創業相談窓口も無料で利用できますので、活用してみてください。

クリエイター活動を通じて、将来を創り上げる創業者の皆様に貢献し続けるためにも、皆様のサポートを頂ければ幸いです!