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ヒロシのソロキャンプ〜発信すれば道が拓ける〜

流行語トップ10入り

「ソロキャンプ」が今年の流行語トップ10入りし、芸人のヒロシさんが受賞されました。

17年前、ムーディーなBGMと哀愁漂う「ヒロシです……」から始まる自虐ネタで時の人となったヒロシさん。CMでもバラエティでも、とにかくテレビで見ない日はないってくらい売れに売れていました。
当時女子高生だった自分の周りでも、あの特徴的な台詞を真似る子がたくさんいたっけ。(ミカです…とか、マユミです…とか汎用性が高いのもいいよね)

しかし、物事には終わりがあるもの。
短期間で爆発的に売れた芸人さんの法則に則り、第一次ヒロシさんブームは去り、さらに数年後には「一発屋」とすら言われなくなりました。諸行無常栄枯盛衰。

そもそもヒロシさんは極度のあがり症。売れてしまったものの、多くのキャストやスタッフに囲まれるテレビ出演は、精神的な負担が大きかったらしい。
決して目立ちたがり屋ではない、繊細な性格も芸人としてのヒロシさんを追い詰めた。レンズ越しにいる何万人もの視聴者の存在を意識しては苦しみ、一時はパニック障害の診断を受けるまでに心身のバランスを崩してしまったそう。
ブームが続いていても、ヒロシさんの心が持たなかったのではないかと思う。

以前、林修先生の講演会にいったとき「成功する仕事の見つけ方」について言及されていた。
仕事を決める上では「できること・できないこと」「好きなこと・好きではないこと」のバランスがすごく重要。一番いいのは「できることで、好きなこと」。これはどこまでも努力できるし、自分も周囲も幸せにすることができる。ただ、林先生にとって塾講師は好きな仕事ではなかったそう。ただ、その才があることは早々に理解できたため『抜群にできるけど、好きではないこと』として、総合点で考えて塾講師という職業を選んだ。

この理論で考えると、きっとヒロシさんにとって芸人は『できちゃったけど、実は好きではなかった(あっていなかった)』のかな、と。

しかし、第一次ブームから数年。

今度はかねてからの趣味であるキャンプを楽しむ様子をアップしたところ、キャンプファンの心を掴んだ。
今度は無理なく心からやりたいと思える「好きなこと」で二度目のブームを引き寄せたのだ。人生ってホント面白い!

実はヒロシさん、第一次ブームの「ヒロシです…」時代ですら流行語入りしたことはありません。だからソロキャンプでの受賞は「今なの!?」という感じだったそうな。

キャンプ好きでない自分でも、ヒロシさんの変化は素敵だと思う。
何がいいって、前の「ヒロシです…」のときより今の方が自然体な感じがすること。笑いをとるぞ!とか爪痕残すぞ!ってギラギラした感じがなくて。それがすごく、いい。

ただのラッキー?

キャンプ動画がここまでヒットしたのは、コロナ禍での屋外レジャーの需要の増加や、密を回避できる「ソロ」というワードが、今の時代にマッチした
という社会背景もあるでしょう。

それに加えて、キャンプを純粋に趣味として楽しむヒロシさんの様子に、お笑い好きとはキャンプ好きだとかの枠を超えて癒される人が続出した。
何かを楽しむ自分の姿が、誰かを楽しませるって、なんて素敵な現象だろう。すごく対等な感じがする。

おそらくヒロシさん本人も、狙ってブームを起こしたわけではないと思う。
だからといってただのラッキーとも言えない。
だってヒロシさんが発信してくれたから、私たちは見つけることができたんだもの。

今回ほどでなくても、趣味に関するブログや動画をアップしたのがきっかけでヒットした事例はたくさんある。好きでやってたことがたまたまバズった、なんて言うとものすごくツイてるように聞こえる。
一部には戦略的にヒットを出した人もいるだろうけど、それ以外は本当にただラッキーなだけなのか。

いや、そんなことないでしょ。(倒置法)

発信し続けることの大切さ

発信する。これはすごく大きな一歩で、無数の可能性がここから始まっている。
わかっちゃいるけど、私自身も発信が苦手。SNSだってろくにやっていないし、インプット過多でアウトプットから逃げています。

でも、ライターになりたい!幅を広げたい!と思ったとき、1年間だけ「とにかくなんでも挑戦する」と決めた。

人見知りかつ出不精という社会生活には最悪の性質をぶら下げつつ、勉強になりそうだと思った場にはとりあえず参加した。
恥ずかしさや情けなさでうまく喋れないこともあったけど、とにかく会う人会う人に「ライターやってます」と自分の口で発信した。

すると数名からポツポツお声掛けいただき、お仕事を任せていただいた。
そこからは仕事が仕事を呼ぶ不思議なループに入り、憧れていた出版社の地域紙に記事を載せることが叶った。
「〇〇出版さんの本、大好きなんですねぇ」という私のつぶやきを聞いていた、クライアントが繋いでくれた仕事だった。
世界はけっこう優しくできている。

発信すること=未熟な自分を見せる強さ

「100%にしてから始めようとするヤツは、未完成な自分を見せたくない臆病者だ」

こう言われたことあったなぁ。今ならよくわかる。
「まだ人に言える段階じゃない」「もうちょっと形になってから」そんなセリフで武装するうちはツキは回ってこないらしい。

すべては発信すること。自分を知ってもらうことから始まる。なにもかも。

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