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山本粧子の Hola! ジャガイモ人間      ~ペルーからコンニチワ~┃ 第5回

ブエノスディアス!山本粧子です。

2023年11月6日(月)の20:00にペルーのリマ・ホルヘ・チャベス国際空港に到着しました!
今回からペルーで書いた、正真正銘の「ペルーからコンニチワ」をお届けいたします。

初めてだらけの往路

元々の予定だと、デルタ航空で羽田→アトランタ→リマという旅程でしたが、出発前日にアトランタ空港が凍結され、予定していた飛行機が飛ばないという連絡を受け、急遽、エールフランスの羽田→パリ→リマにという旅程になりました。
経由地の変更によって、フライト時間が予定より10時間(!!)ほど追加されて、なんと合計28時間のフライトとなりました。
また、時節柄、道のりも今まで経験したことのないルートでした。まず、羽田から斜め右に北上して、ベーリング海に向けてひたすら海上を飛びます。カナダを通り、北極海、グリーンランド、ノルウェー海、アイスランドの横を通り、イギリス上空でターンして、パリに到着しました。

このように海上ばかりを飛ぶルートでした。

こんなに海の上ばかり飛ぶフライトは初めてでした。
以前は、フランスへはユーラシア大陸の上空を飛行しながら向かっていたような気がしますが、最近は今回のルートが主流だそうです。

シャルル・ド・ゴール空港での待機時間は本当に楽しくて、少しだけでしたがフランスを楽しむことができました。
パン屋PAUL(ポール)で、長いフランスパンにハムとチーズとバターがたっぷり挟まれた大好きなサンドイッチを食べられましたし、マカロンで有名なラデュレの可愛い店舗を見ただけでもテンションが上がりました。

短時間のフランスを満喫❤️

さらに今回すごかったのは、1日の間に、アジア大陸、ヨーロッパ大陸、南米大陸と3大陸をはしごしちゃったことです。
こんなことは生まれてはじめてで、もう2度とないかもしれません。

2023年11月6日(月)AM1:00 (JST)に日本を出発し、15時間後、11月6日(月) AM7:55 (WFT) にフランスに到着。同日PM1:15 (WFT) にフランスを出発し、13時間後に11月6日(月)PM8:00 (PET) にペルーに到着。

……とこのように、どんなに移動しても、行く先々で日付が変わっていないのです。11月6日(月)という日に全ての移動を終えてしまいました。
時間は24時間以上進んでいるはずなのに。

なんだかふしぎな感じですが、こうして私はペルーへ無事に入国しました。
最初の5日間はホテルで暮らしながらJICAの研修を受け、これを書いている本日(11/10)からホームステイに切り替わり、語学学校での学習が始まりました。

El Sol(=太陽)という語学学校で20日間の語学研修を受けます!

マーケットのジャガイモ事情

とうとうペルーにやってきたので、到着した次の日からさっそくジャガイモを探しに行きました!

スーパーマーケットでも市場でも、想像以上にたくさんの種類のジャガイモが陳列されていました。とにかくジャガイモのエリア面積が広い。「一体どこまで続くんですかジャガイモエリア!」という感じです。
日本では男爵とメークイン、たまにちょっと珍しい品種が加わる程度だと思いますが、リマではどのお店もつねに7~10種類のジャガイモが、大量に積んであるのです!

リマ中心エリアにあるエクスポジション公園での屋外市場のジャガイモ専門店。
このようにどっさりと1種類ずつ袋に入ったジャガイモが、
1キロあたりいくらというように量り売りで販売されています。

リマ市内でも特に大きく、なおかつ地元民からも信頼されているスルキリョ市場の八百屋のお兄さんに聞いたところ、そのお店で一番高級なのは1キロあたり8.50S/(約340円)のPAPA AMARILLA(パパ・アマリージャ、「黄色ジャガイモ」の意)。
そして一番安いのは、1キロあたり3.50S/(約140円)のPAPA BLANCA(パパ・ブランカ、「白ジャガイモ」)だと教えてくれました。

スルキリョ市場では値札がなく、一つずつ値段を聞くスタイルです。店員さんとの会話も市場での買い物の醍醐味ですね。
パパ・アマリージャは、ペルーの伝統的な種類のジャガイモのひとつです。皮を剥くと濃い黄色で、パパ・ア・ラ・ワンカイーナというペルー料理によく使います。

パパ ブランカは、実が白っぽく、フライドポテトにはたいていこのジャガイモを使用するそうです。
ジャガイモの種類が豊富なペルーは、この料理にはこの種類のジャガイモを使うとハッキリ決まっているそうです。ペルーの家庭料理はジャガイモを学ぶことから始まるといっても過言ではありません。

ジャガイモについてあれこれ聞く私に親切に教えてくれた八百屋の亭主。
ご兄妹とお店を切り盛りされているそうです。

じっさい、ジャガイモの消費量もかなりのものです。
ランチは語学学校の周辺にある食堂でMenú(メヌー)という定食を食べるのですが、ほぼ毎日何かしらの形でジャガイモを食べます。

Menú(メヌー)は、Entrada (前菜)から1種類、Segundo(メイン)から1種類の2皿とドリンク(店によって異なりますが、パイナップルジュースやチチャモラーダという紫トウモロコシのジュースなど)がついてきます。
エリアによって多少値段は前後しますが、400円くらいから800円くらいの間でボリューミーな昼食をとることができます。
ペルーに来てから、毎日このMenúを食べに行くことが楽しくて仕方がありません。
ペルーでは、昼食を一番がっつり召し上がる方が多いそうです。

ある日の昼食 前菜にパパ・ア・ラ・ワンカイーナ、メインにアヒデガジーナを選んだため、
黄色一色ジャガイモパラダイスの昼食になってしまいました。

しかも、イモの味が濃い!
しっかりとジャガイモの味が主張してくるのです。
なぜ、ペルーのジャガイモの味は濃いのか? 日本と何か違うのでしょうか。
それについてもこれから探っていきたいと思います。

それでは、この辺りでアディオス!

~編集Oが選ぶ、今週の一枚~

〈プロフィール〉
山本粧子(やまもと・しょうこ)
神戸市生まれ。大阪教育大学教育学部教養学科芸術専攻芸術学コース卒業。卒業後、国境の街に興味があったことと、中学生の頃から目指していた宝塚歌劇団の演出家になる夢を叶える修行のため、フランスのストラスブールに2年ほど滞在しながら、ヨーロッパの美術館や劇場を巡る。残念ながら宝塚歌劇団の演出家試験には落ち、イベントデザイン会社で7年半、ディレクターとして国内外のイベントに携わる。また、大学時代より人の顔をモチーフに油絵を描いており「人間とはなんだ」というタイトルで兵庫県立美術館原田の森ギャラリーや神戸アートビレッジセンターにて個展を開催。趣味は、旅行の計画を立てること。2016年からは韓国ドラマも欠かさず見ている。2023年秋より南米ペルーのイカ州パラカスに海外協力隊として滞在し、ペルーとジャガイモと人間について発信していく予定。