『鬼滅の刃』アニメ2期決まったけど宇髄天元そこまで人気ない説(1万字超)
私を10年ぶりにガチオタク(属性:同人女)に出戻りさせた『鬼滅の刃』のアニメ2期が決まった。
コロナ禍のステイホーム中、誌面連載の最終回直前からどっぷり鬼滅沼に浸かりまもなく1年。何より待ち侘びていたアニメ2期だったけれど、正直今の気持ちとしてはとても複雑である。
なぜなら、私の最推しは宇髄天元だからだ。
俺の最推し宇髄天元、ぶっちゃけそこまで人気はなかった
本当にマイナーなキャラを推している人には、さながら無惨と相対した時の炭治郎のような表情(原作21巻参照)で「お前何を言ってるんだ?」と言われる話かもしれない。
だけど世間一般の認知として間違いないのは、歴としたアラサーの一大人女性を10年ぶりにオタクの道に引き摺り戻した私の最推し宇髄天元、正直そこまで人気キャラではなかった。2期が決まるまでは。
あれだけデカデカとド派手なメインビジュアルに据えられておきながら何を言うか、と皆さんはお思いだろう。けれど俺たち宇髄の女は第二回人気投票13位という辛酸を嘗めたあの出来事をいつまでも忘れねえからな!!!!!!!!!!!
単純換算してください。『鬼滅の刃』のメインキャラクターって、炭治郎を初めとしたいわゆる同期組+禰󠄀豆子の6人、あと柱の9人で構成されてますよね。その15人がいる中での13位って、これはもう明らかにメインキャラの中では下位組な訳です。
全国いろんな箇所に展開されるグッズ売り場において、大体柱の売れ残りって事実このランキングで柱下位2人だった宇髄と悲鳴嶼さんが圧倒的な気がしている。その辺りは実感している諸姉も多いと思います。
メ○カリとかのグッズの値段相場なんかを見ても、2期決定前まではそこまで相場の高いキャラではなかった。確実に。
確かにアニメだけ見ると「派手な事に異常にこだわるなんか規格外にデカくてヤバいやつ」という印象が強烈だろう。
とはいえこの宇髄天元という男、実は作中でも他キャラが妬むほどの色男として描写されている。さらにファンブックでは原作者の吾峠呼世晴先生を以て、「柱の中で一番モテる人、噂によるとお話がすごく上手とのこと」と言わしめているイケメンキャラなのである。
公式の学園パロディ『キメツ学園』でも、バレンタインでは生徒からチョコレートを57個(ぶっちぎり1位)も貰う美術教師だ。
古今東西様々なジャンルに於いて、公式イケメンと言えばそれはもう各所から引っ張りだこになること受け合いのキャラ特性である。
それなのに、なぜ彼はこんなにも人気がないのか?我々はその真相を確かめるべく、アマゾンの奥地へと向かった。
(以降原作最終巻までとファンブックの内容程度のネタバレを含みます。)
人気のない理由その1:物語の早期退場者
しかも最初に退場した人に比べると圧倒的にインパクトが少ないやつ。
200人の乗客、そして主人公たちをたった独りで守り切ってその命を散らした300億の男に比べてしまうと、そりゃ〜どうしたってインパクトに欠けますわね。
人間という生き物(特にオタクという存在)はどうしても、こういった物語においては儚い命に俗にいうクソデカ感情を抱きがちである。
死闘を潜り抜けなんとか生き抜いた人より、大勢の人々や自身の誇りを最後まで守り抜いて命を落としたキャラクターの方が。その印象も強い上とかく存在を神格化しがちだったり、「彼はどうして死なねばならなかったのか」というたらればの哲学がより捗るのである。
私も煉獄杏寿郎は大好きです。映画は結局10回ぐらい見に行った。
事実原作の遊郭編で行くと、何より最後に鬼殺隊と鬼側の100年以上に渡る膠着状態を打ち破ったのは誰あろう主人公の炭治郎たち3人である。上司として彼らと共闘した宇髄は、徹底的にサポート役でしかないのだ。
確かに遊郭編の物語で、宇髄の活躍なしにあの結末を迎えることはなかった。
けれどその世紀の決戦で、言ってしまえば彼は何か決定的な行動を起こしたり成果を残した訳でもなく。挙句の果てに腕と目を失ったもののきちんと最後まで生き残った。とはいえ大きな怪我で柱としては引退せざるを得なくなり、今後戦いの前線に出ることもできなくなってしまった。
結果として彼は物語の主流から早々に退場する事になり、その後活躍する面々や主人公の炭治郎に遺志を託した人々に比べると。どうしたって最終的にはインパクトにイマイチ欠けるような、そんなキャラとなってしまった訳である。
事実彼は原作11巻を最後に大きな出番はその後ほぼなく、さらに言えば先述の人気投票が行われた時期は確か無限城での最終決戦真っ最中だったはず。ランキング上位に食い込んだ面々が自身の誇りと命を賭けて激闘し、人によっては敢えなくその戦いの中で散って逝ったりしていた頃だった。
そりゃリアルタイムで大活躍していた彼らに比べると、余計に見劣りしてしまうよな、というのは十分に理解のできる話ではあるのだ。
人気のない理由その2:少年漫画にとって非常に稀有な存在、公式の妻帯者
個人的には如何せんイケメンであるにも拘らず(特にオタク女性陣やお子様から)人気のない理由の一番デカい部分がここだと思ってる。
原作読者勢であればご存知の通り、宇髄には3人の嫁が居る。彼のことを最推しだと語るにあたってまず避けて通れない話ではあるのだけど、この話をすると彼の事を知らない人10人中9.7人くらいが「ああ〜そういう感じのキャラね」とにやにや笑いながら何かを察したような顔をする。
きっとこの文章をお読みの諸君も、一瞬そんな顔をした方が大半だろう。大方その表情が物語るのは「女好きなチャラいイケメンキャラなんでしょ?」という旨の内容だ。うるせえフグ刺しぶつけんぞ。
その点の弁明に関しては後述するとして、この公式妻帯者というキャラ特性、なかなか厄介なやつである。
なんせ子供たちには一切の共感を得られないステータスな上に、さらに二次創作をメイン活動とするオタク界隈においても、その特性はかなりマイナスの意味で大きな効力を発揮している気がする。
二次創作は基本的に物語の見えない部分を補完するものなので、明らかに「いやそれ原作と大いに矛盾してねえか?」という設定はかなりやり辛い。その意味で彼の揺るぎない妻帯者設定は、例えば彼が嫁以外の誰かと恋愛感情が絡む組み合わせになる、という選択肢を根こそぎ奪っていく事にもなりかねないのだ。
『鬼滅の刃』でいくと宇髄夫婦と同じ男女の組み合わせでも、柱同士の伊黒と甘露寺や、善逸と禰󠄀豆子。
これらの男女間にあるような「くっつくのはなんとなくわかってるけど2人がこれからどうなるかわからない、こちらが応援したくなるときめき感」みたいなものも皆無である。
だってもうくっついてるもんな!しかも8年目の夫婦だもんな!ワッハッハ!
そうでなくたって、基本的に誰かを推している人たちは「推しを幸せにしたい」という欲が強い。
自分が幸せにするまでもなく嫁という揺るぎない理解者が3人もいる男なんて自分が放っといても幸せじゃねえか、と思ってしまうことも十分に理解に難くない感情ではあるのだ。
それでも私は宇髄天元を全身全霊で推して参る
と、ここまでつらつらと彼に人気がない理由を考察して述べてきた。他にも髪を布で纏めてるせいで坊主みたい、とか、原作で善逸辺りが言ってたようにガタイ良すぎて筋肉ダルマじゃんよ、とか。諸々人気のない理由はあるかもしれん。
が、結論から言えばこの宇髄天元、それらを補って余りあるほどの魅力がある男である。
だが後生なので、私をアニメ2期が決まって突如SNSに大量に湧いて出てきた宇髄ファンとは一緒にしないで欲しい。
お前ら今までマジでどこに居た。なーにが「うずてんしか勝たん♡」じゃい。こちとらAbemaTVで2期決定の発表時に40分間咽び泣いて呼吸困難になり家族にドン引きされた女やぞ。ファンブック2で明らかになった彼の重すぎる過去に情緒を粉砕されてからが真の宇髄推しの始まりです。
誤解して欲しくないのだが、私は決して同担拒否ではない。同じフェーズまで上がってきた人とは全力で宇髄愛を語り合いたい。おめでとう(コングラーチュレーション)、超親友(ブラザー)。(ジャンルが違うしnoteはルビが振れなかった、残念!切腹!)
ああだこうだ言うが、自分の推しが脚光を浴びるのは単純に本当に嬉しい。今まで前述のように不遇な扱いを受けてきたことも多かったので、喜びもやはりひとしおである。でも突如湧いてきた自称宇髄ファンにイラッとすることも大いにある。
2期発表がついに来た今、以前から宇髄推しの淑女はいわゆる「インディーズで応援してたバンドがメジャーに行った途端ちやほやされてモヤる現象」に皆一様に苦しんでいるんですよ…私調べですけど。今後待ち受けるであろう多くのグッズ展開に想いを馳せて全員震え上がっています。まんじゅう怖い。
そんなふうに、今まさに一部の界隈の女性陣を苦悩させている色男・宇髄天元。
一体彼の何が、そんなに彼女らを熱狂させるのか?
それをここからは解説させてもらいましょう。言っておくが「顔がいい」みたいなチンケな話は一切しませんよ。世界の常識なので。
魅力その1:公式妻帯者=誰かを愛する姿の解像度がダンチ
先述の通り、彼は3人の妻を持つ既婚者である。しかし彼に関して私が最も声を大にして主張したいポイントは、3人の嫁持ち≠女好き、である。
公式でも柱の中で一番モテる男、との明言はあるが、一番モテるからといって彼自身が女好きである、と言う記載はどこにもない。
むしろ彼自身は任務に行くことを渋る下級の女性隊士をまあまあ雑に扱ったり、同僚の女性柱2人に対して「安産型の尻」と宣ったり、どちらかといえばデリカシーはそこそこない方である。
ツラが良いのはあるが、それにしたってじゃあなぜ彼が3人も嫁を娶っているのか。掻い摘んで言えば彼と3人の嫁は恋愛結婚ではない。親の言いつけに従った結果の言わば政略結婚、許嫁婚なのだ。
それでも彼は、充てがわれた女性3人をきちんと嫁として愛し、事実8年もの間、紆余曲折ありながらも共に連れ添っている。
この紆余曲折の部分にも、夫婦にとっては本っっっっっっ当に暗い陰と呼べるような出来事も多々あったに違いない。それを知ればなお彼が、宇髄夫妻が好きになるのだけどそれは一旦ここではおいておこう。
そんな彼の愛妻家っぷりを語るに当たっては、原作10巻冒頭のセリフを用いられることが非常に多い。
彼は鬼殺隊の柱でありながらも、「一般人の命より共に任務に当たる嫁3人の命を優先すること」をはっきりと明言している。実際任務の中で嫁を助けるために判断を誤った、と自供した事もあったり、戦闘の中で危険に晒された嫁を助けようともした。
鬼殺隊として、柱として如何なもんか、という部分も無きにしも非ず。けれど望んだ形でないにも拘らず一緒になった女を全員平等に嫁として愛し続け、自分を夫として慕う3人の妻を綺麗事でなく守り抜こうとするその姿勢。うわっ…宇髄天元の懐、深すぎ…?(某広告の画像)
とまあ、ここまでで宇髄天元と言う男がどれだけ嫁を愛しているかが分かったと思う。肝心なのはここからで、つまり彼は原作の中でも「誰かを愛する時にどんな行動を取り、どんな言動をするかが分かる」非常に非常に希少なキャラクターなのだ。
特に想像力豊かなオタクという人種に対して、この情報は妄想を拡げるに当たって恐ろしく強力なブーストとなる。ありがとう公式、ありがとう妻帯者設定。
確かに彼は3人の嫁がいるイケメンのモテ男だ。けれど誰にでもいい顔をする訳ではない一方で、自分の懐に入れた人間に対してはどこまでも深い愛情を傾ける男なのである。
彼が女性からモテる、というのは、普段の所作からそういった部分がきっと滲み出ているのだろう。は?そんなん一億総国民宇髄の女になるしかないやろ(半ギレ)
あとここからは各々の解釈にお任せする部分でもあるのだけれど、前述のように彼の場合嫁たちとの馴れ初めは恋愛結婚ではない。それはつまりひっくり返せば、彼が誰かと想い想われになっていた可能性もゼロではない、という事ではないだろうか。
もちろん宇髄と嫁たちが仲良くしている姿もずっと見ていたい。けれど私を始めとした宇髄と嫁以外の誰かのあれこれに想いを馳せている人々は、そんな揚げ足取りのような屁理屈を捏ねて日々オタク活動に邁進しているというわけです。
まあそんな想い想われになった相手ときちんと結ばれるとは誰も一言も言ってねえけどな!一部の面倒なオタクにとってはご都合主義の二次創作だけが全てじゃないぞ!(属性:闇の同人女より)
魅力その2:『鬼滅の刃』キャラの中で随一「人間臭い男」
私が一番たまらん部分はここ。古今東西人間は皆ギャップに弱い。
あんなに色男で体格も良くて豪放磊落な男の癖に、めちゃくちゃ自分の事冷静に客観視してる上に軽いコンプレックス抱えてるって何事…?無理だが…。
確かに彼の場合、柱で2番目にデカい198センチ95キロという恵まれた体格な上に派手さを信条とする言動もあるので、一見イケメンな自信家のようにも見られやすい。
けど一方でこれは多くの鬼滅ファンが考察していたり、何なら宇髄本人も述べているように、彼は柱の中で単身の戦闘能力・強さだけを見ると多分下から数えた方が早い。
なまじ体格は良いのでパワーはあるけれど、戦闘の才に関しては事実柱の中でも一枚落ちる。結果として上弦の陸「程度」にあそこまで苦戦を強いられてるので。上弦の参と単身である程度渡り合った煉獄と比べると、その実力はより一目瞭然かと思います。
けれどそれを当の本人もきちんと正面から受け止めていて、当然自分より強い人たちへの羨望や嫉妬も抱えていて。それでもなお、腐らずに自分ができる限りの事をしようと奮い立ってるんですよね。何その飄々とした見た目に反しての泥臭すぎる精神性…好き…。
まあ、柱の中で実力は下とは言えど彼も悲鳴嶼さんに次いで2番目に柱としての在籍年数が長い男なので、そこそこいろんな戦いを生き抜いてきた実力者ではあるんだけど。
それに単身での能力は低くても、彼の場合は複数人を統率して戦うことができるタイプの戦闘者なので。それはそれで一つの強みなんだよな、一戦士としての才能と指揮官としての才能は別物です。
そんなふうに彼の最たる魅力は、「自身の足るを知る」男であるというところでしょうか。
『鬼滅の刃』という作品は主人公の炭治郎然り大勢を魅了した煉獄然り、やっぱりなんだかんだ「私たちみたいな普通の人間じゃ絶対無理だよな」という事をやってのけるキャラクターが多い。
家族や大切な人を鬼に殺されたけれど、その絶望に打ちひしがれる事なく立ち上がって仇を打つために刀を取ったり。その中で自分の命を投げ打ってでも、少しでも多くの鬼を倒すために必死で奮闘したり。全体として非常に「滅私」の念が強い人たちが多いように思う。
自分なら絶対に無理だ、と思うような事に果敢に挑む彼らに、多くの読者は尊敬の念を抱いたり感動を覚える。私ももちろんその1人。けれどそれと同時に一方で、「とは言え彼らの人格は、人間として完成されすぎている」と思ったことがあるのではないだろうか。
だからこそ、「一般の人間より嫁のが大事」と言ってのける宇髄が、「自分より強い人間なんてごまんといるし、俺は彼らのようには出来ない」と己の弱さを認める宇髄が。
『鬼滅の刃』のキャラクターの中では異質とも呼べる、綺麗事だけではない「人間臭さ」のあるキャラクターで、要するに私はそこが大好きなんだよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜はあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜マジで推せるな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
すごい頑張ってそれっぽいこと言い続けてきたんですけど最後ので台無しになりましたね。マジでフツーのただのガチオタクムーブ決めてしまった。でももう我慢できませんでした。私は宇髄天元をこれからも推す。うずてんしか勝たん。ぴえん。ぱおん。
いかがでしたか。これで人気投票13位の結果に甘んじた宇髄天元という真の男の魅力が少しでも皆さんに伝わったでしょうか。投票結果5位ぐらいには押し上げられましたかね?それならこのnoteを書き殴った意味は十分にありました、ありがとうございました。
そんな私の最推し宇髄天元が活躍する『鬼滅の刃』遊郭編、2021年内には放送開始です!みんな絶対見てくれよな!頼むぞ!お姉さんとの約束だ!