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ソフトウェア開発に役立つ思考法・マネジメント法① [デザイン思考]

対象の読者

・これからソフトウェアを開発しようと考えている人
・ソフトウェア開発について基礎的な勉強したい人
・ソフトウェアを製品として開発するためのアイディアのまとめ方や思考法に興味がある人

このチャンネルを初めてご覧の方は以下の記事を一読いただけると幸いです。

はじめに

ここでは、物事の課題を解決するための思考法の一つである『デザイン思考』について概要を紹介します。

ものづくりでは、実際に開発を始める前の段階で『アイディアから具体的な解決策を見つける』という工程が非常に重要になってきます。
実際に開発したものが、ユーザが求めていないものでは意味がないからです。

デザイン思考をはじめとする思考法やマネジメント法は、ソフトウェア開発に関わらず、正しい解決策へのアプローチの一つとして有効なツールです。この記事をきっかけにぜひ勉強してみてください。

デザイン思考(デザインシンキング)

『デザイン思考』とは、問題解決のための思考法(考え方)です

デザイン思考の歴史は古く、元々は商品設計の分野で生み出された思考法ですが、近年ではビジネスにも広く応用されています。

デザイン思考は、いくつかの意味で分類されていたり、モデリングされているため、誤解を生んでしまう危険性を考慮し、これから先は「プロダクト開発やビジネスにおける問題解決のためのデザイン思考」という前提で考えます。
(僕の感覚ではこのような意味で使われることが一番多い印象です。)

デザイン思考は、IDEOという米国のデザインコンサルタント会社から世の中に広まったと言われています。
ビジネス的な観点から多くの企業で取り上げられており、教育的な観点でも大学のカリキュラムでデザイン思考が採用されるなど注目されています。
日本でもワークショップが頻繁に開催されるなど知名度が上がっている印象です。

デザイン思考の目的

デザイン思考の目的は、「複雑な問題に対しての適切な解決方法を見つける」ための思考法だと認識しています。

世の中のテクノロジーは日々進歩しており、数年前まで当たり前だった常識が今では陳腐化されてしまうほど速いサイクルで人々の生活は変化し続けています。

そんな中で発生する人々の課題は、複雑に絡み合っており、机の上で考えられるような単純な解決方法では解決できなくなっています。

こうした複雑の課題の本質を見極め、適切なアプローチで解決策を見つけ出し、課題解決のプロダクト開発へ繋げるための思考法やそれに基づくツールがデザイン思考なのです。

デザイン思考のプロセス

デザイン思考はいくつかの代表的なプロセスに分かれています。

課題を見つける
「ユーザーを観察する」「ユーザーの行動を体験する」「ユーザーに直接聞いてみる」などユーザーを深く理解することで、「本質的な課題は何なのか?」を探し出すプロセスです。

ユーザーの思考になりきることで本質的な事実が見えてくるというのがこのプロセスの狙いです。

解決策を見つける
見つかった課題に対して、解決策を考えます。
これは主にチームでアイディアを出して考えます。デザイン思考のプロセスの中では様々なツールが使われますが、代表的なものとしてはみんなでアイディアを出し合うための「ブレインストーミング」などがあります。
ブレーンストーミングをはじめとするツールを利用し、問題解決の仮説を抽出して、解決策につなげていきます。

プロトタイプを作成する
解決方法を見つけたらいきなり商品にはせず、本質的な問題を解決することに注力した『プロトタイプ』を作成します。
プロトタイプは自分たちの仮説が正しかったか素早く検証することを目的としているため、コストをかけずに速さを重視します

テストする
作成したプロトタイプを実際にユーザーに体験してもらうプロセスです。
今まで考えてきた仮説を検証し、結果をチームでレビューします。
フィードバックから有効な検証結果が得られれば、実際の製品の製造へと進めます。もし問題の本質が間違っていた場合は、再び解決策を見つけるところからやり直すなど、修正を繰り返します。

このように、ユーザーを中心とした段階的なプロセスを踏むことで、最も深い本質的な課題を見つけることができます。

デザイン思考のプロセスモデル

デザイン思考はいくつかの形でモデリングされており、本格的な勉強をする場合には有名なモデルから学ぶとよいでしょう。

例としては、スタンフォード大学のd.school(Hasso Plattner Institute of Design)というデザイン思考を学べる機関が有名です。
ここで考案されたモデルや関連する書籍が数多くあります。

日本でも日本語の書籍やワークショップが開催されていますので、まずは体験してみるのが良いかもしれません。

まとめ

ユーザーを深く理解することができるデザイン思考は、ユーザー自身が問題に気付いていないような複雑課題を解決するプロダクト開発に特に適しています。
スタートアップをはじめとした新しいビジネスをつくリ出そうしているチームは、一度勉強しておくと役に立つかもしれません。

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