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Soft Rock Top 30位~26位

皆様、お久しぶりで御座います。
「Soft Rock Top 100」を御読み頂き本当にありがとうございます。100位から31位まで一気に駆け抜けて参りましたが、如何でしたでしょうか?「全曲当たり前の様に知っていた」「意外と見落としていた楽曲があった」「ほとんど未聴の楽曲だらけだった」等々、読者層によって様々な御意見・御感想を持たれたかと存じますが、ここまで皆様が楽しんで頂けていれば幸いに思います。
さて、ここからの記事は有料になります。
ここまでのランキングで選曲された楽曲を全て御存知だった方は、この先に登場する名曲群も十中八九御存知だと思います。逆に新しい発見や知見の広がりを感じられた方は、ここから先に姿を現す最強名曲群との出会いは新鮮に感じられるでしょう。
ランク上位に向けて段々と筆を執る熱量が上がっていき、文字数や情報量が増加傾向にあります。じっくりと堪能したい方は細部まで文章を読むのも良し!!!情報よりランクインされた選曲だけを知りたい方は飛ばし読みで満足するも良し!!!とにかく良い楽曲だけを聴きたい方は試聴サンプルだけ聴くも良し!!どうそ最後までお楽しみ頂ければ無上の喜びで御座います。
では、お楽しみあれ~!!!

30位 Cyrus Erie「Wish You Were Here」1970年

Mod風でもありサイケ感も漂う統一感の無いヴィジュが印象的

 Raspberriesの母体であるCyrus Erieは、後期Raspberriesに参加するドラマー兼シンガーのMichael McBrideと彼の弟でベース担当のBob McBrideにより結成されました。活動は1967年~1970年の4年間。初期のオリジナル・メンバーにはギター担当のTim Manning・キーボード担当のRob Belzerが在籍しており、67年前期に地元Clevelandのスタジオにてオリジナル・ナンバーでレコーディングするもお蔵入りに。67年後期になるとMarty MurphyとThe Choirへの加入を拒まれたEric Carmenが参加。Ericの歌唱・鍵盤・Guitarの技量が、他のメンバーと桁違いに高く、一気にリーダー格へ昇格。そしてEric は自身のメンバー入りを蹴ったThe Choirに対して対抗意識が強く、The Choirを脱退したばかりの名ギタリストWally BrysonをCyrus Erie引き連れて、バンド編成を再構築。

The Byrdsスタイルを踏襲した元祖パワポ・サウンドが魅力的なThe Choir

 幸運にも新生Cyrus Erie発足時にThe Choirが一時的に活動を休止。ここぞとばかりに新生Cyrus Erieは68年の夏から秋に掛けてCleveland各地でライブ巡業に明け暮れます。地元ファンによる熱狂ぶりが大旋風を巻き起こし、視察に来訪していたThe Four Seasons(Bob Crewe)関連絡みでも著名なプロデューサーSandy Linzerの目に留まることに。ライブ演奏で定番になっていたThe WhoやThe Small Facesのナンバーに加え、Ericのオリジナル・ナンバーも含まれており、それが後にシングル・カットされる「Sparrow」でした。Sandy から声が掛かり、早速彼らはNYのスタジオへ赴き「Sparrow」をレコーディング。その後一度帰郷するもMarty Murphyが脱退することに。残ったメンバーのみで再びNYへ足を運び、「Sparrow」の新ヴァージョン・「Get The Message」・Oliverが1971年にカバーする「Light The Way」の3曲をレコーディング(全てEricの書下ろし)。結局「Sparrow」「Get The Message」の上記2 曲が採用され、翌年2月21日にEpicよりデヴュー・シングルを発表。これが見事地元Clevelandでスマッシュ・ヒット!!

唯一の正規リリースとなった『Sparrow/Get The Message』

 順風満帆かと思いきやEricとWallyの間にいざこざが生じ、Wallyは脱退。その後もメンバーの入れ替えが立て続けに起こり、1969年にはThe Quickと改名。Epicとの契約がまだ残っていた為、同年8月1日にThe Quick名義での唯一作となる『Ain't Nothin' Gonna Stop Me / Southern Comfort』を発表するも、両曲共明らかにThe Small Facesを意識したエッジの効いたR&B風モッズ・サウンドで、二番煎じが著しかった為か全くヒットせず。
 数か月後に再びCyrus Erieにグループ名を戻し、1970年頃までEpicと契約交渉をしながらもシングル・リリースの為の新曲をレコーディングをしておりましたが、結局は解散し、 吹き込まれた楽曲群もお蔵入りに。その後EricとWallyは復縁し、The Choirを脱退していたDave Smalley・Jim Bonfantiらと共にRaspberriesを結成…。

地元Local Bandのリーダー格のみで集結されたスーパーグループRaspberries。
仲間割れ・衝突は日常茶飯事だったとか…

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