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Soft Rock Top 60位~51位
60位 The Sharette Family「You Are The Sunshine Of My Life」
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当時は星の数程存在していたとされる旅行型の自営ミュージシャン。米国全土をキャンピングカーで移動しながら各地で演奏をし、生計を立てていたファミリー・グループThe Sharette Family。そんな彼らが今までの経験を記録に残したいという思いで制作された唯一作『Share A Song With』は、度重なるライブ演奏により磨きが掛かったChorus & Harmonyを余すことなく満喫出来る最高の1枚。濃厚なコーラスでジャジー・アレンジされた「Sesami Street」、Four FreshmenやB5でもお馴染み「Their Hearts Were Full of Spring」の圧巻アカペラトラック、ドラマチックな哀愁バラード「If Only Have Love」等々、ダイナミックなコーラスが非常に聴き応えあります。
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主にニッチ派生のレコ盤サイトや情報誌で掲載され、一般的な認知度は未だに低めではありますが、Soft Rockファンの方々にとっては美しいアカペラでカバーしたロジャニコ作曲「We've Only Just Begun」が収録されていますので、要チェック作品となっております。私的ハイライトはStevie Wonder「You Are The Sunshine Of My Life」のカバー。出だしのアカペラ・ハーモニーと、そこから展開していくシャープな疾走感と高揚感たっぷりのSoft Rock サウンドは圧巻です。
59位 Marmalade「So Good To Have You」1978年
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B4「Ob-La-Di, Ob-La-Da」のカバーやオリジナル・ソング「Reflections of My Life」で世界的大ヒットを記録した英国スコットランド出身の5人組ポップ・ロックバンドMarmalade。グラスゴーを本拠地に置くThe Gaylordsがその母体で、同郷のBeatグループThe Tremeloesの薦めによりロンドンに活動拠点を移す。現地で熱狂と興奮に包まれたスウィンギング・ロンドン・シーンに大きく感化された彼らは、サウンド志向の変更に伴い、グループ名も【Marmalade】と改名。1968年にリリースしたシングル「Lovin' Things」のスマッシュ・ヒット(英Top Chart#6記録)を皮切りに、立て続けにヒットを連発していきますが、長続きはせず人気に陰りを見せることに。
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そこにメスを入れたのが当時英国最強ライターであったTony Macaulay。彼が書下ろした楽曲「Falling Apart At The Seams」でヒット・チャート(英 Top Chart#9記録)に返り咲き、さらにTony Macaulayが全面プロデュースの元で制作された1977年作『The Only Light On My Horizon Now』というSoft Rock史に残る大名盤も残す事になります。この作品では上記ヒット・ソングに加え、「You Steal The Limelight」「Walking The Tightrope」「The Rusty Hands Of Time」等、マコウレイ節が炸裂した書下ろしのキャッチーナンバーがテンコ盛り。Vanda系Soft Rock誌でも度々ゴリ押しで紹介されるのも頷ける好内容。
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後期Marmaladeの作品はSoft Rockに通じる楽曲が幾つもありますが、上記『The Only Light…』以外にも追加で推薦したい作品がありまして、敢えて2曲に絞るなら1978年作『...Doing It All For You』に収録された極甘ポップ・チューン「So Good To Have You」と1979年発表『Heavens Above』に収録された心に沁みるLight Mellow系「Good Luck To You」。個人的には前者が特に気に入っているので59位に選出させて頂きました。PilotやThe Rubinoos辺りが好きな方なら完全ノックアウトな程にマッカ遺伝子が濃縮されたメロディ・ラインになっております。
ちなみに『...Doing It All For You』以外にも『...Doing It』と『The Only Light…』の編集盤である1979年リリース『Hello Baby』でも聴くことが出来ます。『Hello Baby』の方がジャケもカッコ良く、2枚分の名曲が詰め込まれているのでお得感あってお薦め。
58位 The Accents「Someone To Follow」1971年
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ジャンル問わず同名異グループが数多存在するThe Accents。Vanda系Soft Rock本で激押しされていた米国インディアナ出身の3人組The Accentsに関しては、ゴリゴリに市民権を得ているので割愛。私が皆様にお薦めしたいのは、Eddie Chavez・Bob Cull・Dave Lillenas・Rusty Peavyの4名から成るCCM系コーラス・グループ。
Bob Cullの名前で「ピンッ」と来た方。なかなかお目が高いです。そう、絶品黄昏Mellow「Your Way」を収録した名盤『Windborne』をリリースした夫婦デュオBob & Joy CullのBob Cullです。Bob Cull絡みでなくても、CCMを代表する「Tempo Records」からのリリ ース・Otis Skillings関連のアーティストとして、コアなファン層からはまずまずの知名度を得てはいますが、インディアナ版The Accentsと比較すると「Stranger In Paradise」「Call Me」の様なパンチの効いた楽曲が無く、地味な印象を吹っ切れないマイナー・グループに留まっている感はあります。
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しかしながら、卓越したコーラス・ワークは目を見張るものがあり、暖かなMellow Breezin’風味を感じさせてくれるサウンドは大変魅力的。無記載ではありますが、1971年にリリースされた『The Accents Make It Happen!』には「Discovery!」「Someone To Follow」「What A Wonderful Life」といった、明らかにHawaiianサウンドを狙った煌きのMellow Soft Rockな楽曲が収められているので、ファンは入手必須。特にSoft & Mellow感が至福の一時を与 えてくれる「What A Wonderful Life」の完成度はかなり高い。
57位 Andy & David Williams「I Love You More Than You Love Me」1973年
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米国ネバダ州ヘンダーソン出身のAndy & David Williamsは、米国ポピュラー音楽史を代表する大御所歌手Andy Williamsの甥に当たる一卵性双生児デュオ。彼らは当時の人気TVドラマシリーズ【The Partridge Family】に出演したことで脚光を浴び、1970年代前半にラジオ・TV・映画・音楽等、マルチ・タレントなティーン・アイドルとして幅広い活躍で一世を風靡しました。
ミュージシャンとしての活動で注目したいのは、MCA Recordsから1973年にリリースした2枚のアルバム『Meet Andy & David Williams(1st)』と『One More Time(2nd)』。ジャケット無記載ではありますが、Brady Bunchと同様、NYが誇る名うての一流ミュージシャンによる完全バックアップ体制の元で制作されました。ヴォーカル兼コーラスでの参加したWilliams兄弟の実力はまだまだ発展途上といった感じ。同年代のティーンネイジャー歌手に、規格外の歌唱力と美声を併せ持つ歌手が五万といたので、他と比較すると見劣り感は否めません。
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が、両盤の表ジャケに写る無垢であどけない印象そのままの未成熟なパフォーマンスが、 むしろキッズ系Soft Rockサウンドが好きな方に反響が良いみたいで、ロジャニコ「I Won't Last A Day Without You」のカバーを収録した1stが特に人気高めです。全体の纏まり感から言うと個人的には2ndを推したいです。というのも、AOR界の双子デュオThe Keane Brothersも真っ青な極上爽快Mellow Pop「I Love You More Than You Love Me」が収録されているから。
気に入った方はThe Williams Brothers名義でリリースしたコンピCD『The Williams Brothers: Andy & David』の入手を推奨。LP未収の楽曲や未発表音源含んでいるだけでなく、Soft Rockファン大興奮の「Secretly」「Why Don't They Understand」「Every Other Sunday」 といった佳曲群が収録されており聴き所満載です。
56位 Santiago「My Life With You」1974年
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南米チリ出身の4人組バンドSantiago。【Buk Records】との契約の為に財政的な支援先であるドイツに本社を構えるBASFへと渡り、1974年8月~9月の2ヵ月間を掛けてDierks Studiosにてレコーディングされたのが彼らの1st Album『New Guitar』。オリジナル・メンバーは表ジャケットの左側からギターCarlos Narea、キーボードChico De Los Reyes、ドラムMario Argandoña、そしてベースTato Gómez。AORサウンドが爆発した後の2nd Album『Walking The Voodoo Nights』では 、CarlosとChicoの2人が脱退し、代わりにリード・ヴォーカルのJohn ParsonsとギタリストSerge Maillardが加入。
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2作品共趣向は違えどとても魅力的な作品であることには間違いなく、彼らの実力の程が見て取れます。我々Soft Rockファンが注目すべきなのは、胸キュン・ポップスが詰まった1st Album『New Guitar』。
アルバムに収録された全11曲は全てTato Gómezが作曲(共作含む)しており、どの楽曲もアイデアに満ち溢れていて、新感覚のポップス・ワールドとも言える彼ら独自のオリジリナリティが炸裂しております。分厚い完成されたHarmony & Chorusと甘酸っぱいメロディが目白押しで、ドイツのSunrise やNewport辺りを彷彿させるサウンドメイクが特徴的。特にPaul McCartney が書く様な甘口サウンドが好きな方にはお誂え向きな作品と言えそうです。
Light Mellow系名バラード「Don't Worry About」、元気一杯のGuitar Pop「New Guitar」・モロPilotな極甘ミディアム・ポップ「Since I Found You」、Country風味を上手く昇華させた胸キュン・ポップ「Gonna Make It」等々、マッカ遺伝子が濃厚な楽曲がこれでもかと詰め込まれております。
そんな中、息の合った高度なコーラス・ワークと極甘なメロディという彼らの持ち味が最大限に活かされた大名曲が「My Life With You」。鬼甘なメロディに失神しそうになります。
【おまけ】
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1st Album『New Guitar』発表後にリリースされたシングルには、LP未収となった貴重な楽曲が2曲あります。The Beatles風の甘いバラード「I Want To Be Sure」と、スピード感溢れるPower Popサウンドが最高にCoolな「I Don't Care」。ファンの方は是非!!!
55位 Sharalee Lucas「I'll Trust And Never Be Afraid」1975年
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女優兼歌手として活動していたSharalee Lucas Sherman。自身が所属するコーラス楽団【Paul Johnson Voices】や【Paul Johnson Singers】ではSolo Partを担う事が多く、経験・実力・実績から鑑みても、コーラス楽団での貢献度は他のメンバーよりも頭一つ抜きん出ており、創立指揮者兼楽団長であるPaul Johnsonより、その透明感ある声質と卓越した歌唱力に絶大な信頼を置かれておりました。
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そういった高い評価を受けて制作されたのが、彼女自身初のSolo Albumとなる『Sharalee With Paul Johnson Strings & Voices』。正にタイトル通り、彼女の歌声を主役に据えて、Paul Johnson氏率いる最強コーラス隊&演奏陣営が完全バックアップ体制の元で制作されました。 念の為にお伝えしておきますが、このPaul Johnson氏なる人物は、宗教Soft Rock界の神的存在Ralph Carmichaelにも認められたHarmony職人であり、作編曲・指揮・プロデュースまで何でもこなす【CCM界のヴォイス・マエストロ】という異名も持ち、CCM系Soct Rock界の四大重鎮の一人として知られている御方です。
本人名義・変名名義・他アーティストへの参加作品から一過性のプロジェクトまで、彼が制作に携わった作品の数々は様々な名義・タイトルで多数残されており、全容を把握するのはやや難易度高め。全体的には大所帯系の合唱サウンド傾向が強いゴリゴリのゴスペル作品と、メイン・ヴォーカルにフォーカスを当てつつも、後付け的にトレースやパッセージ・コーラスを被せていくタイプの2種類に分けられており、我々がロック・オンすべき作品は無論後者一択。しかし残念ながら、モロSoft Rock直系と言える様な楽曲は滅多にお目に掛かれることは無い為、バイヤー泣かせのアーティストとも言えますが、Paul Johnson関連のお薦め楽曲はこの【Soft Rock Top100】にまだ登場致しますので、気になる方は是非下位ランクの方まで参考にして頂ければと存じます。
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さて本題に戻りますが、このSharaleeの実質Soloデヴュー作は、彼女の可憐な歌声が存分に堪能出来るだけでも《買い》な一枚なのですが、そこに縦横無尽に駆け巡る最強コーラ スが被さっていく訳ですから、もう筆舌にし難い幸福感を味わえます。しかもどの楽曲も総じてハイクオリティなので、アルバム通して楽しめます。そして最大のハイライトは、必殺のMellow Soft Rock「I'll Trust And Never Be Afraid」!!! Sharalee嬢による癒しの美声に、 宙を舞う分厚いHarmony、そして甘くも切ないメロディに涙…。
54位 The Wozard Of IZ「I've Been Over The Rainbow」1968年
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Mort Garson(本名: Morton Sanford Garson)は、カナダ・ニューブランズウィック州出身の歴史的に著名な作編曲家。ムーグ・シンセサイザーを世界で初めて使用したアレンジャーであり、電子音楽の先駆者として知られております。彼は映画音楽からEasy Listening、Psychedelic Rock、Disco、Folk、Mood Music、Funk、Ambient Music、宇宙空間を意識したオカルトチックな Electro Popまで、特に専業作曲家としての間口の広さは驚愕に値し、 ジャンルの垣根を越えて多様にして複雑なカテゴリーを器用に扱いこなす、正に《奇才》と呼ばれるに相応しい才人でもあります。
そんな彼の多方面に渡る膨大な作品群の中でも、最もSoft Rockファンが注目すべき作品が1968年にリリースされたThe Wozard Of Iz『An Electronic Odyssey』。Jacques Wilson氏発案の元に企画された一過性の企画アルバムで、1939年に制作されたファンタジー系ミュージカル映画『オズの魔法使い』を、煌きの電子音を駆使しながらAcid&Psychedelic風に仕立てた二次創作的な作品。アルバム全体が13章のポエトリー構成となっていて、トークや語りを織り交ぜながらも、プログレの様にダイナミックかつ劇的に展開して行くその様は、非常に前衛的で実験的。絶え間なく変化を繰り返す色彩豊かなサウンド移行は、ポピュラー音楽の基本マナーを叩き壊し、聴く者を摩訶不思議なドリーム・ワールドへと誘います。
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音楽と語りモノの曖昧な境を行き来する中、突如と光り輝く完成された名曲が姿を現します。それがB面3曲目に収録された「I've Been Over The Rainbow」。アルバム冒頭からまともに聴いていると、この曲に差し掛かる頃には思考が麻痺し、まるで天使の様なクリスタル・ヴォイスの登場で脳内が完全にトリップ状態に…。世界でも稀に見る唯一無二のユニー ク且つミステリアスな世界観。是非、御堪能あれ!!!
53位 Bill Watrous With The Walter Raim Concept「How Long Has This Been Going On」 1969年
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米国出身の著名なギタリスト(主に12弦)兼アレンジャーとして知られる Walter Raim。実際に彼の経歴や実績を深堀りすればする程、何とも掴み所が捉えらないミュージシャンといった印象が強く、というのも1950年代後半から70年代迄、長きに渡りギタリストやアレンジャーとしてだけでなく、作編曲・歌手・指揮・プロデュースまで器用にこなす万能型のマルチ・ミュージシャンとして活動され、さらにそのサウンド志向もClassic・Jazz・Folk・Rock・Bosa Novaまでクロス・オーバー型。幾つか彼の代表作と呼ばれる作品を耳にして思ったことは、どうやらビートやテンポと言ったリズムに関してはあまりインパクトを残さず、 むしろ優雅・上品・流麗さに重点を置くラウンジ系のサウンド傾向がある様です。考えても見ればSoft Rockファンにとってはもはや説明不要な大名作『Endless Possibilities』でも、 演奏以上にメロディやコーラスが耳に残る作品でした。
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そんな彼の特徴的なサウンドを堪能出来る作品が、長~いタイトルの『Love Themes For The Underground, The Establishment & Other Sub Cultures Not Yet Known』。名義は《Bill Watrous With The Walter Raim Concept》で、このBill Watrous(本名:William Russel Watrous) なる人物は米国コネチカット州出身のJazz系トロンボーン奏者。一過性のコラボ企画盤ということで、癒しのムードに重点を置くWalter Raimサウンドに合わせて、Bill Watrousによる魅惑のトロンボーンで味付けしていく、というのが基本コンセプト。モダン・ジャズをベースにしたインストに、Walter Raim率いる男女混声のコーラス隊は優しくも控えめなスキャット・ハーモニーでBill Watrousのトロンボーン・プレイに華を添えます。この両者の兼ね合いが、絶品なラウンジ系Soft Rockサウンドを生み、得も言われぬ美しい世界観を作り出しています。
Bill Watrousの顔面をどアップにした取っ付きにくい表ジャケが大分損をしていますが、ラウンジ系インスト物が好きな方なら癒されること間違いなしの名作かと思います。個人的推薦曲はA面4曲目に収録された「How Long Has This Been Going On」。のっけから殺しに掛かって来るWalter Raimによる絶品ラウンジ・サウンド。0:18秒辺りにから登場する男女混成コーラスとBill Watrousによるメロメロな哀愁系トロンボーン・サウンド。極上過ぎて 何度聴いてもうっとりさせられます。
52位 Chris Knight & Maureen McCormick「Road To Love」1973年
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米国三大ネットワークの一つABC(American Broadcasting Company)で放映された人気ホーム・ドラマ『The Brady Bunch(ゆかいなブレディ家)』。放送作家兼TVプロデューサーのSherwood Schwartz氏により制作され、1969年9月26日から1974年3月8日まで放映されました。男女3名づつの子供を中心に繰り広げられる大家族コメディといった内容で、放映当社の視聴率は高くはなく、大ヒットには至らなかったものの、打ち切り後の再放送で徐々に若年層に人気を得て行ったそうです。
ドラマと並行して制作されたレコードは、1970年~1973年の4年間にParamount Recordsから計5枚のアルバムと計11枚のシングルを発表。ドラマと同様で、ヒットどころかかすりもしませんでしたが、こちらも後年になり値段が高騰し、人気沸騰することになります。要は同時期のライバルThe Partridge Familyにファンを全て持っていかれたということです。あちらはドラマでは圧倒的スターのDavid Cassidy。音楽ではラブジェネのBauler兄弟がバックに付いていましたので、初めから負け戦ということ。
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で、肝心のレコードの方ですが、最終作以外は4枚全てドラマと同タイトルの「The Brady Bunch」名義。こちらは基本的には合唱スタイルのバブルガム系Kids Soft Rock然といった傾向にあり、華やかで明るいポップス・サウンドは大変聴き易く、ファンが多いのも頷けます。そしてThe Millennium「I Just Want To Be Your Friend」やCopper Nickel「Come Run With Me」のカバー等、妙にSoft Rock的選曲の良さが際立つのは、アレンジ担当のAl CappsとプロデューサーのJackie Millsによる手腕の影響が大きいのかなと感じます。
そして意外と知られていないのが5作目に当たる最終作Chris Knight & Maureen McCormick『S.T.』。こちらはドラマ上の兄妹2人によるデュオ作品ということで、Peter役のChristopher KnightとMarcia役のMaureen McCormickのそれぞれの本名が名義に当てられております。The Brady Bunch名義と比較すると、全体合唱ではなくSoloヴォーカルでの歌唱表現に変わっており、各ヴォーカル・パートの魅力を味わえる内容になっております。 個人的にはよりクリアなサウンドに転換したChris & Maureenヴァージョンの方が好みで すね。The Millennium「There Is Nothing More To Say」やThe Jackson5風「Good For Each Other」も収録されていますし、何より甘いメロディと爽快コーラスがカッチョ良く決まっている最上級Kids Soft Rock「Road To Love」が秀逸。
51位 Brenda Gregory「Alone Together」1972年
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カナダの女性シンガーBrenda Gregoryによる唯一の7inchシングル。マイナー・レーベルHit Recordsからのリリースで、黄色盤と赤盤の2種類のラベルがあり、内容は同一。A面に収録された「Simple Song Of Freedom」 は、フォーク・シンガーTim Hardinヴァージョンで著名なBobby Darinのカバー。ゴスペル風にアレンジして、ソウルフルに高らかと歌い上げるBrenda嬢。歌唱力が微妙なので、この曲に関してはノーコメント。
問題はB面に収録された「Alone Together」。私が購入した時は丁度国内でもカナダ産Soft Rock旋風が起きていた時期で、商品説明欄に【あのJudy Singh「A Time For Love」を思い起こさせるサウンド!!!】と、レッテルを張られていたので即購入。期待を胸にレコードに針を落としてみると…《当たり!!》でした。
A面とは全く異なったメランコリックなバラードで、歌声も楽曲に合わせてウィスパー気味且つ妖艶な歌唱法を魅せており、何とも言えない心地良さを体感させてくれます。大変地味なサウンドではありますが、とても味わい深くじっくり聴き込みたい、そんな1曲。Judy Singhとはまた異なったタイプのウィスパーヴォイスではあるものの雰囲気はかなり近く、例えばB.J.WardやClaudine Longet 、Birgit Lystager 等が好きな方にはお薦め出来そうです。
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