ファンが教えてくれた大事なこと
こんにちは、ホークス広報室の中澤です。
オフシーズン、球団職員はどんなことをしていると思いますか?
秋季キャンプ、ファンフェスティバルの準備、BOSS E・ZO FUKUOKAでのイベント開催、スポンサー様との契約更新、そして来季の準備…
球団職員にオフシーズンはない、というのが答えなのですが(笑)そんな数ある仕事の中でも、個人的に思い入れの深い仕事があります。
それは、ファンクラブの入会受付です。
なぜファンクラブなのか?というと、私は広報担当になる前に3年間ファンクラブの担当をしており、今も新年度の入会受付の時期を迎えると「初心に帰って頑張ろう!」と気が引き締まります。
今日は私がファンの皆さんと過ごした日々を振り返って、今思うことをお話しさせていただきます。
ホークス職員なのに、わからない…
私は大学卒業後ホークス入社を機に福岡へ移り住み、球場で行うファンクラブの会員募集を初めての担当業務として任されました。
そこで待っていたのは、社会人として初めて経験するお客様への接客、そしてホークスの話題を中心としたコミュニケーションの日々。
入会受付を行っている中で、今でも私の記憶に残る一コマがあります。
会員特典のユニフォームに刺繍する背番号について
―福ちゃん(福田秀平選手・現千葉ロッテマリーンズ)のでお願いします!
・・・何番ですか…確認します。
―ホークスの人なのにそんなことも知らないの?
・・・すみません!
ファンの皆さんからしたら信じられない気持ちかもしれませんが、福岡に来て間もない当時の私の知識量がこれでおわかりいただけたかと思います…
これはほんの一例としても、「〇〇はそろそろ1軍上がってくるよね!」とか「あの年のあの試合で〇〇がホームラン打って、それから~」と次々に繰り広げられるホークストークに当時の私は全く対応ができませんでした。
当時1試合4万人×ホームゲーム年間約70試合として、280万人近くのホークスファンが集まるドームで日々お客さんに声をかけ、会話をし、ファンクラブに入会いただくということの繰り返し。
頑張って話についていこうとするうちに、気付けばファンの方にホークスに関する知識を叩き込んでいただき、ファンクラブ担当として一人前になるまで育てていただきました…(笑)
大変お恥ずかしい話なのですが、「福田選手の背番号すらもわからなかった問題」は数多くのファンと交流した中でも特に記憶に残っているほど、私の仕事に対する意識を変えてくれた貴重な経験になっています。
※福田選手ファンの皆さま、本当に失礼いたしました…
現場に立って学んだ「ファンサービス」の心得
今思い返しても、ファンの反応は正直です。
この人何も知らないんだ…と心を閉ざされる瞬間。
好きな選手の話ができるとわかり表情がパっと明るくなる瞬間。
両極端の反応を経験すると、ファンの方にとってホークスの職員はホークスのことを何でも知っていて当たり前で、現場に立つということはその期待に応える責任があるのだと意識するようになりました。
球場に野球を楽しみに来た人にとって、私たちスタッフとのコミュニケーションも野球観戦という非日常の中での一コマと考えると私の接客もファンサービスの一環。
淡々と入会手続きを進めるだけでなく「お客さんとの会話を楽しもう。そのために必要な知識は最低限身に付けよう」と気持ちを入れ替えてからは、ホークスの話題や世間話を通して打ち解け、ご入会いただける機会も自然と増えていたような気がします。
「与えられた仕事をこなすだけではだめ」というのはどの世界でも同じことだと思いますが、ファンの方からサービスが行き届いていないことへのご意見をいただいたり、企画のヒントをいただくこともあり、自ら現場に立って得た体験を仕事に活かすことの大切さを学ばせてもらいました。
ファンサービスを提供する立場でありながら、ファンの皆さんに「ファンサービスにとって大事なこと」を教えてもらっていたのですね。
広報として、当時を振り返って想うこと
今は広報としてメディアを通してホークス情報を伝える仕事をしていますが、ファンクラブ時代の経験を元にその先にいるファンの皆さんの顔をイメージできるかどうかはすごく大きな差だと感じることがあります。
サラリーマンとして働いていると、デスクに座りパソコン上で安易な企画を生み出してしまったり、業務に追われて社内に企画を通すことを優先してしまったり。これは「本当にファンのことを最優先に考えられているのか?」と自問自答してしまう場面によく出くわします。
そんなとき、現場で触れあったファンの方たちが頭に浮かび、
「これではあの人たちには通用しない」
と、裏を見透かされているような…軽い危機感のような感覚に気持ちを奮い立たされ、企画を考え直す原動力になっています。
野球に限らず幅広い分野に事業を拡大している今だからこそ、ファンを置き去りにせず、みんなが心から楽しめるエンタメを作り出して発信していきたいと改めて思いました。
今は部署移動し、コロナ禍にもなり、会員の方との接点はほとんどなくなってしまいましたが、「名前も知らないあの人たちに届いていたらいいな」という思いで広報活動をできるのも本当にありがたいことです。
会員の方の中にはおそらく私の名前を認知されている方もいらっしゃるので(笑)次にどこかでお会いできた時には「note読んだよ~」と言ってもらえるように、クラブホークス出身広報としてファンに寄り添った情報発信をできるよう頑張っていきたいと思います!
最後になりますが、ここ2シーズンは入場制限もあり、ファンクラブ会員の方にも球場で応援してもらえる機会が少なくなってしまったかもしれません。
しかし、そんな中でも15万人近くの方が変わらず入会を継続して応援いただくことができ、ホークスファンの変わらぬ期待も感じています。
今日は元担当の私が想いを代弁させていただきましたが、現担当の社員たちはコロナ禍で苦心しながらもファンの皆さんへできる限りのファンサービスをお届けできるよう日々汗を流して頑張っています。今頃は来年の入会特典のお届けに向けた準備が大詰めを迎えていることでしょう。会員の皆さん、到着をお楽しみに!
これからも温かく見守っていただき、応援いただけると嬉しいです。
もちろん、愛のあるご意見やご要望もお待ちしています(笑)
今年度もホークス公式ファンクラブ「クラブホークス」をよろしくお願いいたします!
(広報 中澤 佑輔)
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